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1958年6月発行 読谷村だより / 4頁

生活改善グループの歩みについて 高志保グループ

生活改善グループの歩みについて 
 高志保グループ 知花和子

 高志保区に生活改善グループを結成致しましたのは一九五六年一月でありますから、発足してから、二年六ヶ月になります。何が故に生活改善グループを結成したか、即ちグループ結成の動機を最初に申上げたいと思います。
 私達婦人が家庭生活について深くじっくりと考えます場合に、現在の生活の様式は今までの田舎の根強い慣習から来た所の昔そのままの姿の部分が極めて多く、衣の面、食の面、或は住の面でも改善しなければならない多くの問題をもっていることに誰もが気づく事であります。然しこの生活上の無駄や不合理という問題は一人や二人の力ではどうにもならないことや少人数では効果のあがらない事ばかりであります。古い慣習や迷信から来る不合理な年中行事や見栄虚栄から来る無駄な冠婚葬祭、台所施設の不備から来る婦人労働過重と非衛生等集会のある度に問題にされるが根強い古い慣習や資金不足や環境等が禍してどうにもならない状態でありました。丁度その頃村役所に生活改良普及員が設置されましたので私達は非常に喜んで普及員の指導によって私達の悩みを何とか解消しようということで生活改普グループ結成を見たのであります。
 最近二五名の一グループでありましたが何とかしてグループ数を増やし部落全般に及ぼそうと思いまして婦人会有志二五名を主体にして身近かな問題をしかも家庭生活に直結して効果がはっきり他からも分るような問題からとりあげまして指導をあおぎ乍ら、毎月十六日を定期集会日と定めて互に励し合い研究を続けていると次第にグループに対する理解と好意が区民の間に見られるようになったのであります。時には部落の集会の時にも色々と私達の意見を採用され、其の結果が本当に良かったと喜んで下さるし又私達が物品を持ち寄って研究した物に対しましても色々批判して指導下さるので私達もやり甲斐が有り皆が一層熱心に研究を続けてグループで話し合った事を各自が家庭に実行して行く中に部落の婦人の方々にもだんだん私達のグループに好感を持ちまして次第に会員も増へるやうになり翌年の四月には二つのグループを結成する事になりました。部落でも大変私達のグループ活動に注目して下つて現在ではほとんどの婦人が加入する事に婦人会では採決されまして各班にグループを結成したらと言ふ声も有りましたので一九五七年十一月には四つのグループに八七名の会員となりました。今では班毎にそれぞれグループ活動をおこなって居ます。では最後に私達のグループの今迄の経過と今後の方針をかいつまんで申し上げませう。

▼行事の改善
 生年合同祝は今年で五ヶ年継続いたして居ります又おで月やお盆の時にはグループで共同購入をしまして各自で分けます。

▼食生活の改善
 季節の野菜を持ち寄つて漬物に分け合ひます。農産物の加工或は料理の講習、

▼衣服の改善
 作業着の作り方、染物毛糸編物ビニール手芸等の講習

共同作業もどれぞれ各班で行って居ます。農耕、かや刈り、建築の地ならし、堆肥の積立て特に一班のグループは去った字の共進会に於て堆肥奨励の模範として特別に表彰致しました。資金の捻出と致しましては、字賞局から二千円の補助金をいただいて居ます。会合等に折結の仕出しを引き受けまして其の利じゆんを資金に積立、ミンチを購入いたしましたので其の借賃も資金に入れて居ます。
 今後の方針といたしましては今迄おこなって来た事を更に強化すると共に又婦人講座や洋裁和裁の研究もやって行きたいと考へて居ます。

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