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1958年9月発行 読谷村だより / 4頁

玉ネギの栽培について

玉ネギの栽培について

一、品種
玉葱は地域(気温の関係)によって品種が限定されている沖縄では現在グラネックス以上のよい品種はないといはれている。グラネックスは二月頃から球が肥り初める四-五月に収穫される品種である。
二、播種期
九-十月が適期である播種期が早ければ収穫も早くなるが九月上旬は気温が高く乾燥して育苗に困難であり又十一月以降になると収量が非常に少いそれで九月中旬以降十月上旬までが最適期といえる。
三 苗床
 玉葱は定植まで六○日位要ししかも仮植しないで育苗するので苗床は念入りに準備しなければならない。なるべく四-五ヶ月前から堆肥五土四砂一の割合で培養土を作り二-三回切り返し積みかえ最後の積返の時配合肥料を入れる。尚一反歩の苗床は一二-一五坪
四 播種量及び播き方
 反当播種量三合
 床面をよくならして三寸間隔に広い播条をつけて条播気にする。覆土は砂か培養土を二分位覆う覆土が浅いと発芽発生育するにつれて倒れるのが多くなるから二分位が適当である。
 床面坪当りの播種量は二-二、五勺
 覆土したら土が落ちつく程度に灌水して籾穀二分位覆う。籾穀を覆うと水分の蒸発を防ぎ灌水の手間が省ける灌水や大雨のために床面がかたくなるのを防ぎ大雨のため土粒が附着しそれと同時に病菌が葉に附き発病の原因となるのを防ぐ等の利点がある。
五 苗床の管理
 密生したところは適宜間引し生育不良な時は早目に追肥する。なお病害虫の防除には特に注意が肝要である。
六 苗の太さ
育苗期間は六○日を基準として苗は大きい程収量が多い又抽苔分球も多い苗が小さいと抽苔分球は少ないが収量も又少ない。大体直径二分以上が適当である。
七 栽植密度及植え方
 玉葱は距離を広くして植えても一個の重量はあまり変わらないから坪当り九○-一○○本位にして反当収量の増加を図るのがよい。植付の深さは一寸-一、五寸がよく浅植すると活着が悪く風のため到れることがある。またあまり深植も生育不良となる。植る時の根や葉は切ることもあるが根は切らないのがよい。葉は苗が長すぎるときは先端3分の1位は切っても差し支えないがそれ以上切ると初期の生育を不良にするから切り過ぎるのはよくない。
八 肥料
 燐酸肥料の効果がはつきりする苗床でも本畑でも多い程よいといはれている
 定植当時燐酸が不足すると根張りがわるくその後の生育が不良となるから元肥を重点に施すのがよい又堆廐肥や鶏糞の効果が大きく鶏糞を元肥に使用すれば定植当時から色沢がよく生育良好である。
九 本細
 排水日当り通風のよい場所を選び丁寧に整地し定植二週間前に元肥を施す。排水不良日当りの悪い場所は病害虫の発生が多く生育不良となる。元肥は巾四-五尺の平床を作り推費と元肥の全肥を全面に浅く丁寧にすき込む。玉葱は浅根性のものであるから元肥は深過ぎないように施す。
十 管理
 追肥第一回は定植してから一○日目、第二回は三○日目、第三回は六○日目頃施す。さきにのべたように二月の中旬から玉が太り初めるので追肥はおくれないように玉の太り初める以前に終えるようにする。
 追肥がおくれるとベト病の発生多く収穫後の貯蔵にもよくない中耕除草追肥と同時に行うのが普通である
 結球後の中耕除草はできるだけやらないのがよい。雑草が繁茂し除草しなければならない時は地上部だけをむしとる。

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