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1959年2月発行 読谷村だより / 1頁

村民会館いよいよ二月十五日着工 鉄筋コンクリート二階建 五月末日竣工の予定 延三三〇平方米

村民会館いよいよ二月十五日着工
鉄筋コンクリート二階建 
五月末日竣工の予定 
延三三〇平方米

 久しく待ち兼ねていました私達の村民会館は、いよいよ二十五日から読谷共進工業商事株式会社によって新築工事が開始されました。これまでに数回にわたって本紙上で或は部落の集りで機会あるたびに、村民会館の建設について村民の皆様にお知らせして来ましたが、愈々工事着工することになりましたので改めて村民会館建設についてこれまでの経過をまとめてお知らせ致します。

☆ 従来まで使用していました議会室は一、九四九年に当時の群島政府によって役所事務室として建築されたものでありますが、一九五七年の三月に現在の庁舎が出来ましたので、村議会室として使用してきたのであります。
 何しろ終戦間もない資材の不自由な時代の建物でほとんど米松材が使用されましたために白蟻の被害も甚だしく、年々再々来襲する暴風雨で大きい被害をくり返し修理維持保管に頭をなやましていたのであります。
☆ そこで昨年六月に村民会館の建設を計画して、一九五九年度当初予算に一六○万B円の新築工事費を計上して、村議会に提案、議員の皆さんに諮って美里村役所、豊見城村役所の視察を行い、十月一日には更に新しく選出された新議員の皆さんと、金武村役所、恩納村役所、具志川村役所、美里村役所を視察するなど村民会館建設の構想を捻ったのであります。十月三十日の議会懇談会において、村民会館建設委員を選任して愈々本格的に建設活動を開始することになりました。建設委員には村議会から議長仲本政公、副議長知花平良、総務委員長知花平次郎、財政委員長伊波盛助、経済委員長長浜真長の五名、役所から村長伊波俊昭、助役知花成昇、収入役池原昌徳の三名合計八名が委員として選出されたのであります。

☆ 十一月二十五日第一回建設委員会を開催して他市町村の会議室、役所庁舎など視察した事など参考にして、村民会館としての運営の方法などを基礎に慎重に意見の検討を行い、鉄筋コンクリート二階建とし一階は六十坪、二階四十坪(将来は総二階にして延一二○坪に拡張)として、一階にはステージを設けたホールと応接間、村長室を設け、二階は村議会室と議会事務室を設置する。等基本構想をまとめ、設計細部は役所において進めてほしいという事になりましたので琉球政府工交局建築課の指導紹介を得て、田中達雄一級建築士に設計を依頼したのであります。約一ヵ月を要して設計がほぼ完了したので

☆ 十二月二十四日第二回目の建築委員会を開催して田中氏から設計細部の説明をうけ、委員の意見を入れて一部修正を行い建設委員会の案を決定したので、一九五九年一月十三日の新春早々第一回臨時議会第一号議案村民会館建設について提案原案が可決となり村民会館の建設が最終決定したのであります。

☆ 一月二十七日第三回建設委員会を開催して入札の方法時期を決定し入札指名会社に対し設計監督者田中達雄氏から村民会館新築工事の設計書、仕様書等細部に亘る説明を行い設計書と仕様書を交付して二月二日午後二時役所にて入札を行うことに致しました。
☆ 二月二日は午後一時から第四回建設委員会を開催して入札の注意事項や契約のこと予定価額、制限価額等の決定をなし二時から入札に付した結果、読谷共進工業商事株式会社々長比嘉山三氏に一一、九九○弗で落札決定致しましたので早速契約書案を作成し同月七日請負人との仮契約を締結し同月十三日第二回臨時議会に仮契約を提案したところ契約書案の議決を得て本契約書は成立、二月十二日午後五時から建設委員、請負業者、村長以下役所職員参列して建築予定地で、おごそかに地鎮祭を挙行し工期中の安泰を祈念したのであります。
 村民会館は私達村民の研究、討議、レクリエーション等の広場として広く村民に利用されその意義は実に大きく、明るい村建設に大きい役割を果す聖らかな建物であります。予定通りの完成を希い私達村民会館のスマートな竣工の晴姿を祈願いたします。

契約書
読谷村長伊波俊昭から読谷共進工業商事株式会社へ左記事項請負するため左記の通り契約した

一、工事名 読谷村々民会館新築工事
二、工事場所 読谷村役場
三、工事期間 自一九五九年二月 十五日 至一九五九年五月三十一日
四、請負金額 一金、壱万壱千九百九拾弗也
五、契約保証金 一、六百弗也
六、内渡金 三回(工事出来高の十分の八以内)
七、工事方法 総て別紙設計書、仕様書、図面の通り
八、第六項の内渡金については、火災、水害、その他不測の災害があっても総工事竣工までは、請負者の負担とする
九、右事項以外は読谷村工事執行条例の通り
右読谷村工事執行条例により本契約を締結して本証書弐通を作成し当事者記名捺印の上、それぞれ壱通を保管するものとする
一九五九年二月七日
右注文者 読谷村長 伊波俊昭
読谷共進工業商事株式会社
右請負人 比嘉山三
読谷村財政課長
右責負人 古堅宗光

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