読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1961年4月発行 読谷村だより / 1頁

共進会褒賞授与式盛大に挙行 総合成績一位が宇座区 納税八ヶ年連続完納が四部落 一九六一年度共進会審査報告 一九六一年度納税褒賞審査報告書

共進会褒賞授与式盛大に挙行 総合成績一位が宇座区 
納税八ヶ年連続完納が四部落
 一九六一年度の本村総合共進会褒賞授与式が三月二十七日ひる二時から読谷沖映で挙行された。式はまず産業共進会の審査報告、納税成績報告に引続き賞品授与が行われ、総合成績で宇座区が一位となり優勝旗を獲得した。また村内二十二部落中十八ヶ部落が納税二ヶ年以上連続完納により表彰をうけた。なお当日は前村長伊波俊昭氏が三十七年に亘る本村行政に尽力されたことに対し村民の感謝の意を表するため感謝状と記念品が贈呈された。式修了後余興として琉球舞踊や民謡、長浜部落独特の作田舞が演出され午後六時盛会裡に幕を閉じた。

一九六一年度共進会審査報告
 一九六一年度第十一回共進会審査報告を致します。村共進会審査規程により部落団体六項目、個人十種目について審査採点を行ってあります。審査の概要を申し上げますと部落団体の方では生産関係、部落納税の状況、生活改善の状況、文化の状況、農信協への協力状況、農業団体の育成状況の六項目で、その附点率を申し上げますと、生産関係で四九%、部落納税の状況二○%、生活改善の状況五%、文化の状況一○%、農信協への協力状況六%で、個人の十種目を含めて一、○○○点満点として採点を行ってあります。個人の十種目についてはその字の出品割当点数で個人出品者の実績を除し一人当りの平均実績により採点を行ってあります。審査の方法を申し上げますと生産関係では主要作物の肥培管理農機具器材の整備家畜の飼育状況推廐肥の生産状況等を調査採点し部落総戸数と農家戸数により採点を行い部落納税の方は読谷村納税褒賞規程による納税率を点数に換算し採点を行ってあります。
生活改善の状況では生改の状況改良カマド及び便所の築造数を審査し、文化の状況では雑誌ラジオの普及率で採点し、農信協の協力状況では農協及信協の加入数を部落農家戸数で除して採点し農業団体の育成状況等により審査を行ってあります。生産関係の個人種目について申し上げますと堆肥の方では品質附点率が一立米当り上が八一○キログラム、中が五四○キログラム、下一三五キログラムとして審査し一期では字波平の知花寺七さんが一位で三○、六四二キログラムで同じく二期の方では字大木の砂辺光線さんが一位で一三、八○九キログラムとなって居ります。大豆の方で申し上げますと三、三平方米当りの収穫審査を行い一○アール当り三一二立で字高志保の知花重吉さんが一位となって居ります。甘蔗の方は三、三平方米当り収量を加製糖量によって審査を行い夏植では字高志保の知花カマさんが一位で七、四三キログラムの生産で春植では宇座の当山清順さんが一位で四、七一キログラムの生産を上げて居ります。尚本村では新品種NCOの普及が九○%以上をしめ村全体としての増収も前年に見られない成績であります。甘藷の方を申し上げますと三、三平方米当りの収量を澱粉含有量で審査し字宇座の山内昌善さんが一位で二五、六の生産を上げ昨年に比し五、四四キログラムの増収であります。馬鈴薯の方で申し上げますと三、三平方米当りの増収量により審査し二、一七キログラムで字瀬名波の神谷正賢さんが一位でありますが中部の多収穫のしんさに比較しますとまだまだと云う所であります。畜産関係で申し上げますと肥育豚では初審六○キログラム以内にして八○日の肥育で一日平均増体重一、三八キログラムで字宇座の山内徳誠さんが一位となって居ります。
肥育牛では九○日の肥育で一日平均増体量二、一六六キログラムで字長浜の津波一二さんが一位となって居ります。繁殖豚の審査については沖縄家畜登録協会の審査基準に基いて審査を行い字楚辺の桃原栄次郎さんが一位となって居ります。以上審査項目毎の概要を申し上げましたが総合成績の方を申し上げますと一等が字宇座で七四四、七一点、二等が字波平で七三六、七七点、三等が字瀬名波四等が字渡ヶ次五等が座喜味の順になって居ります。次に展示会の方を申し上げますと農産物が七○六点、手芸加工品が四一三点、家畜一三点、で計一、一三二点の出品であります。審査の方法については比較審査と評量によって行い商品価値を重点に審査を行ってありますが特に手芸加工については輸入品に劣らない優秀なものでありますが展示会出品のためのものでなく共進会の意図とする本村の産業が自給自足を上廻るべく成果を上げ度い事を御希望申し上げます。六一年度は前年に見られない成果を上げて居りますがこれは農家の皆様がたゆまざる御努力と政府御当局の御指導御援助によるものと深く感謝申し上げ本年は昨年以上の成果を期待し審査の報告を終わります。
経済課長 玉城真順

一九六一年度納税褒賞審査報告書
 この納税褒賞は読谷村納税表彰規程に基いて行われるもので、これは本村の財政運営の健全性を確保すると共に、琉球政府章典第二章第三条二項に掲げられている納税の義務即ち村民の納税思想の高揚に努むることを大きな目的として居ります。
 皆様にお配りしてあります納税成績表は市町村税法及び読谷村税条例によって賦課徴収しました村税と教育委員会法第二章第四十五条及び読谷村教育税条例に基いて賦課徴収致しました教育税にして一九六○年度即ち昨年度のものであります。
 その各税の種類を申し上げますと村民税、固定資産税、事業税、不動産所得税の四種類と教育税を加えて五種類となって居ります。
 各税目別の納付状況は皆様にお配りしてあります成績表を御覧になりますと良く御存知の通りで総合的には不動産所得税が百%になり残りの各税がそれに達し得なかったことを遺憾に思って居ります。
 昨年に比べて見ますと村外在住者を加えた総合計の納付率が九八、八%から九九、三%に各字の合計の納付率が九九、六%から九九、七%に向上したことは皆様と共に慶びに甚えない次第であります。
 各字の納税成績については完全納付した字が昨年は十八ヶ字で今年から完全納付された字が一ヶ字増えて十九ヶ字となって居り好成績を収めている事は感謝の念一杯であります。尚完全納付に至らなかった各字においても九七、九%乃至九九、一%の好成績を上げ後一息というところで百%に達し得なかったことを極めて遺憾に思って居ります。

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