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もありますが、大部分の部落が基本財産造成費として積立られている現状でありますので、積極的効率的に活用して部落住民の教養文化の向上のために活用せよられうる推奨助言致します
(七)産業基本施設の整備と生産の増強を図る
本村においては、一九五七年に村民生活安定向上、将来の発展のための経済基盤の強化を図るべく、経済振与第一次五ヶ年計画を樹立し、推進して来たのでありますが六一年度を以って最終年次となりますのでその成果をまとめ、更に第二次五ヶ年計画を樹立して、積極的生産の増強に努める考えであります。「御承知のとおり畜産、特に養豚においては質量ともに予想以上の増産が期せられ戦前をはるかに突破する好成績を修めています」
六二年度に於ける産業経済費は一九、○四五弗で全歳出予算の一一・六六%となっていますがその主なる事業費は、畜産奨励費、農産物奨励費、糖業振興費、病害虫防除対策費等であり、特に本年度新に計画した事業を申しのべますと、大家畜購入利子補助、緑肥種購入補助、病害虫共同防除事業、特用作物振興事業等であり、農事改良普及事業は目を新設して積極的に推進するよう計画をしてあります。農業就業者の老令化婦女子化と、耕地面積の需細化は益々農業所得の減退を来たし農業経営の悪循かんと憂慮されていましたが、糖業の振興、養豚業の発展、煙草栽培等に刺激されて青年層の労働力の高い人たちの農業復帰が多くなりましたのでこの青年農家を対象にした農事講習会研究会懇談会を開催して、中堅農家育成に努る考えであります。
農業基本施設としての地灌漑用溜池、農道排水工事等は昨年に引継き村予算並に、政府補助によって計画的に施工する所存であります。
(八)飲料水の供給、道路の維持改修
高等弁務官資金と村費によって施設した本村北部の水道は水源の枯渇によって給水するに至らなかった事は誠に遺憾であり、住民並に議会に対し申訳なく存じますが早急に打解策を講じ解決を致す覚悟でありますまた本村南部の渡具知大湾比謝の給水施設についても琉球政府、民政府に強力に接渉し要望に沿えるよう努力致します。
村道及び部落内の道路排水工事については前年引続き村経費並に、失業対策費の二本立で遂次計画に基いて施設していく考えであります。
(九)村民保健福祉の増進のため結核対策としての集団検診は継続実施致します
御承知のとおり結核の療養は長期間を必要として患者だけではなくその家族に及ぼす精神的、経済的、打撃は極めて大きいのであります。村民一人一人が結核に対する正しい知識をもち、集団検診に応じ早期発見に努力することによって健康な家庭が建設されるものと確信し全村民の御協力をお願いする次第であります。また伝染病予防対策として消毒人夫を常置し各部落内及び各家庭の消毒塵芥焼却処理にあたらしめ防疫に万全の処置を講ずる考えであります。
(十)社会福祉事業と敬老年金制度の創設
生活保護法、児童福祉法、社会福祉事業法身体障害者福祉法等一連の社会福祉関係法が施行されてから既に九年になりますが生活保護の極く低い基準の老人が含まれている生活扶助を受ける現状であり政府機関にのみこれを依存する事は出来ないのであります。
本村においては政府の行う生活保護を受けない生活困窮者に対しその更正のためにたすけあい金庫を設け、福祉貸付資金、母子貸付資金として相提携して活用し極めて良好の成績を修めて村社会福祉活動によって地域社会の問題解決に努力を続けていますが、今年は新に敬老年金制度の実施を企てたのであります。
老人は幾星霜もの長い年月風雪に堪え社会のため家のため貢献されてきた功老者であります。その老人に幸せに余生をおくってもらいたいという願うのは当り前でありお互いの当然の責務であると思うのであります。社会保障制度の確立、福祉国家建設が強く要請されている今日、このような老人福祉について、政府機関において一貫した老人福祉等が望ましいのでありますが、政府が実施する目安がなお遠い現状でありますので、それを早める原動力たるを念じて、生活保障的老令年金という考え方でなく、敬老的考え方から老人をいたわり老後の余生をしあわせに過してもらうように地域の人々が老人をうやまって明るい村づくりの基盤をさらに強めるという意味で村民の理解と協力を期待してささやかな敬老年金制度を制定したのであります。
以上で六二年度において行いたい重要施設について概略御説明申し上げたのでありますが、議会議員、役所職員の本土研修、移民奨励、各種団体育成補助事業等は、昨年に継続して実施する計画であります。
本年度の予算総額は一六三、三○七弗の巨額にのぼり昨年当初予算に比して二三、一八二弗の増となって居りますがその主なる理由は役所事務室、村民会館、議会室の拡張、村長以下職員の給与改善、消防力強化に伴う常備消防隊員設置、保健衛生費、産業経済等の増に原因致しております。
歳入財源として繰入金に二六、二六○弗を見込んでありますが一応一九六一年度の剰余金を積立てて後に六二年度予算に繰入して財源を確保する考えであります。
終りに平和で豊かな文化の香り高く生成発展していく理想郷読谷村の建設のため誠心誠意、全情熱を傾けて働くことをお誓い申上げ、村民の皆様と村議会の御協力を念願致すます。予算の細部につきましては助役から詳細な説明を加えさせますのでよろしく御審議願います。
一九六一年六月一三日
読谷村長 知花成昇
読谷村議会定例会開かる
六二年度予算、敬老年金条例等提案
本村第三回定例会が六月十二日から開会された、この定例会には一九六二年度の才入才出予算案をはじめ村条例の一部改正や敬老年金条例の設定(案)等が提出された先づ初日は会期や日程等の決定を行い会期を十九日間に決定され二日目の十三日には村長の施政方針(別項のとおり)の発表と提出議案の説明があり、各議案の委員会付託を行い午後五時散会した
尚六月十九日には一般質問が行われ、委員会、慎重審議がなされ、六月三十日に本会議を開き全議案の決議が行われることになっている。
尚このたび提案された一九六二年度の才入才出予算額は総額一六三、三○七弗で前年度より二三、一八二弗の増額となっている。