読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1961年6月発行 読谷村だより / 3頁

本土の視察研修報告書その一 

〔60号2ページの続き〕

十日の日程で去る四月七日午前十一時泊港停泊中の沖縄丸に乗船したしばし別れの旅というものの馳けつけたたくさんの方々に見送られ五色のテープに心をこめて十二時五分絶好の天気に恵まれて出港した。明けて八日午後二時無事鹿児島港に接岸検疫税関荷物検査入国手続ドル交換等の関門を通過し雨の天気に迎えられつつがなく祖国の街に上陸いたしました。ではこれから視察内容に入りたいと思います。視察地域については左記行程表にありますからこの点は省略いたしまして最初に町役場で研修した状況に集団就職先の訪問状況その次に観光についての順序で御報告申し上げたいと思います。

◎鹿児島県川辺郡川辺町
 河辺町は鹿児島県の西南部に位し薩摩半島の中央部にあって山に囲まれたところに一八の大字があり、人口二六、○○○人、世帯数五、九○○戸、面積一二七、五一平方粁で農業を主とする町であります。
 業態別及産業構成については、総人口二六、○○○人内八五%が農林業で一一%が商業、金融業、サービス業、四%が建設と製造業であり、世帯総数五、九○○戸内、農家が八九%を占めております。また、経営別耕地面積については、耕地面積三、一九五町内、畑二、○一八町(六三%)田一、○八七町(三四%)樹園地九○町(三%)となり、農家一世帯当りの平均反別は、田二三畝、畑四二畝計六反五畝であります。
 農作物の主なるものは、水稲、陸稲、麦、甘藷、煙草、ナタネ、大豆、大根、里芋、すいか、かぼちゃ等の順であり、徳に稲作のほうは早期栽培を奨励し成果を収めております。
 家畜については役肉用中一、八四○頭、馬一、○○○頭、豚一、○○九頭、山羊二一五頭、鶏四、三○○羽で現在のところそれほどでもないが肥育牛の産地といわれその飼育状況見学のため橋口信夫家に案内されました。この農家は可働者三人、子供四人計七人家族でありますが、肥育中五頭を飼育しながら田九反、畑一三反計二一反を耕作した有畜農家であり、主人の話によりますと、仔牛二才体重約四○○Kを九○、○○○円(二五○弗)で買い、三ヶ月間飼育で成牛に仕上げて一二○、○○○円(三三三弗)これを年間約一五頭出荷するので年間の畜産収入は四五万円(一、二五○弗)計一○○万円(二、七七○弗)の所得を予定しているとのことでした

※「視察行程表 自1961年4月7日至1961年5月16日」表のため原本参照

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