読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年7月発行 読谷村だより / 4頁

行政状況報告書②(自一九六一・七至一九六二・六)

〔73号3ページの続き〕

りますが、この問題については今後の研究課題として残されています
尚今年度の支払金額は六二年度借賃弗五○四、五五八一五、八ヶ年前払借賃弗、四六六、七一七、一五計弗、七一、二七五、三○となっています。
軍用地借賃長期前払い制度による七ヶ年前払申請について

申し上げますと従来の前払申請と同様に前払の申請用途に適すれば軍用地主はだれにも申請出来るのであります。申請者を用途別にみますと圧倒的に住宅建築が多く今年の七ヶ年前払申請でもそうでありこの二、三ヶ年で本村の住家が瓦葺の永久建築にかわったのも前払制度の思恵があったからでありましょう、この七ヶ年前払の期間は一九六二年七月一日から一九六九年六月三○日間のものでこれの申請は六一年七月一一日より始めて六一年九月二五日まで七○日の期日をおいてしめきり申請者一件ごとに前払申請に適しているかを調査して村長副申を添え一九六一年九月三○日行政主席へ申請致しましたところ、一九六一年一○月一○日から三日間において法務局土地課より係員が来村前払条件の適否調査をした決果本村の六三年度借賃と一緒に支払われます。
次表は用途申請集計表です。

※「用途別申請集計表」は表のため、原本参照。

産業経済
 本年度の農業事情は前半期に於ては気象条件に恵れ各種農作物の生育も順調で例年にない豊作を予想されましたが後半期に至っては相次ぐ陶風によりあらゆる農作物が大きな被害を受けた事は遺憾であります。しかし本村の主要産業である甘蔗作付面積の拡張大家畜の増殖耕地の拡張等今日までに見られない発展であります。
 今后従来の産業構造を充分検討し時代に即応する科学的合理的な経営を行わしむるべく努力したい所存であります。
 畜産関係では本年度特に大家畜の増殖に重点を置き大家畜購入利子補助を行い本年度購入四三頭に購入利子補助をしてあります。昨年の総頭数は九八頭でありますが本年度は総頭数一五四頭になって居ります。尚最初の試しとして二回に亘りセリ市を開催し大変好評を博して居ります。
 豚については前年度同様優良豚生産補助出荷豚補助を行い優良豚の生産一一九頭出荷豚が八二九頭となって居ります。乳用山羊の増殖を計るべく基礎登記を行ったのでありますが登記出来るものはわずかに六頭で今后優良山羊の品種改良に努力したいと思っております。豚疫の予防については二回に亘る予防注射を行い豚疫の予防に万全を期しております。
 農産物奨励として蔬菜種子購入補助畑地灌漑施設農機具購入補助等行って居りますが特に甘藷の品種改善に重点を置き優良品種の導入を行い四品種の甘藷苗圃設置を行い七八○㎏の種甘藷生産で各部落へ配付し部落苗床の設置に至っております。灌漑用溜池の設置については今年五ヶ所であり現在迄の分合せて二二ヶ所となっておりますが特に保水力の乏しい本村の土壊からして灌漑用或いは病虫害防除の要水量の保給等に大きな成果を上げて居ります。
 糖業については昨五、三四○アールに対し本年度八、六○○四アールの作付で蔗茎量五、九六六、一三○㎏であり産糖高にして一二、四二九丁生産され昨年度反収(蔗茎量)六、四五○㎏に対し本年度の反収は六、九三九㎏で昨年に比し約五○○㎏の増収であります。
 本年度の度重なる颱風にもかかわらず昨年より以上の増収を得た事は農家の努力は勿論品種及び肥料助成等に依り増収を得たと思います尚蔗作熱が高り予想以上の植付がなされ今期(六二~六三年期)夏植面積一五、○○○アール春植株出で八、四○○アールの作付であり今期の夏植蔗園の生育状況は南部地区に劣らないような生育ぶりであり来期製糖三一、八七三丁を予想して居ります。又品種更新甘蔗栽培の改善を行うべく中間苗圃原苗圃及び展示圃の設置を行って居りますが大変良い成果を得るものと期待しております。
 特用作物関係では煙草、茶の栽培がなされておりますがこれは本村の換金作物として甘蔗次ぐ重要な作物で今后もこの育成に努力したいと思います。
特に煙草栽培は高度な技術を要し気象条件病害虫等の影響が大きく努力せねばならない点が数多くあります
特に煙草は苗八分といわれ育苗が最も重要視され又困難さもあります。本村もこの育苗で失敗していましたので改めるべく考えとして共同育苗に改め五ヶ所に共同苗圃を指定し、育苗助成したところ今年の三月の低温にも負けず好成績を納めたことは喜しいことと考えます。同時に作付補助として低調であった栽培熱を振い起させ耕作者の努力と協力の面大きな働きとなっています特に病害虫防除として各組合で二回、多い組合で五回に亘る共同防除作業は大きな効果を上げています。低調にむいていたために乾燥窯全棟動かすことの出来なかったことは遺憾に思いますが今后技術の向上によって質の改善と面積を拡大し乾燥窯全棟動さすよう努力を重ねなければならないと考えています。茶も面積はわずか一七反でありますが換金作物として重要な作物であります。茶工場の施設改善補助作付補助をしてその振興に努めているが特に茶栽培で除草が労働の大半でありますので農薬(除草剤)を使用してその働力の低減を考え共同撤粉していろいろと工夫を重ねつつあります。
 病害虫対策については、農薬購入補助及び備蓄農薬による共同防除等を行っております去った五月一九日から六月七日迄甘蔗病虫害共同防除は相当な労働を要し、又その効果も大であったと考えます。粗放栽培であった甘蔗作が一段と進み農薬を使用し新しい技術を導入することによっていろいろと問題化しつつある問題の打開等ともなるものと考えられます。特に昨年より土壊殺虫としてヘプタ粉剤の使用により甘藷作の多い、乾燥度の高い本村の土壊には大きな効果を上げ増収を行って居り今後も農薬使用の普及を奨励し病虫害の防除につとめたいと思います。フリカマイマイの防除については最初に捕殺週間を設けてその後に薬剤による駆除を行い農薬及び捕殺と相伴っての撲殺に努力しています。
 林業関係では、政府の第二次緑化運動三ヶ年計画の一環として、村内緑化計画事業を進めて居りますが、本年度は第一次緑化計画の補植を重点に街路樹学校林部落有林その他の植栽四、一○○○本を植樹しております。尚村自給苗として村苗圃より七、○○○本を生産して居りますが今後村内苗木の育苗に力を入れ村内植樹苗木の需給を計り良い苗木の生産に努力したいと思います。又緑化運動の一つとして第二回みどりの羽根募金運動を実施しています。
目標額二三三、五○弗に対し二三九、九六弗で好成績を納めています。募金額二三九、九六弗中一四六、五六弗は林業協会より効付を受け特殊苗木の購入街路樹の植樹及び管理等に使用しています
 自給肥料関係をまとめますと家畜の増殖により年々増産に向っていますが基準量にはまだまだという感が致します。その奨励、増産のために年二回に亘る自給肥料増産週間を行い実績二、○○○㎏以上の積込者に対し一、○○○㎏当り一○仙の補助を政府より受けつけています。今年度は目標製造高三、五六二、七○○㎏に対し五、三六四、三七三㎏を積込増産に一段と飛躍しています。尚緑肥の栽培を奨励し堆肥の不足分を補い又地力の推持を計るため富貴豆の種子を配付し今期作からは緑肥による地力増進もあわせて農作物の増収が期待されます。

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