読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1963年1月発行 読谷村だより / 2頁

一九六三年を迎えて 農業協同組合長 神谷乗敏

〔79号1ページの続き〕

場では地区の生産量に間に合いませんので大型の最新式工場建設を急いで居りましたが皆様方の御協力のお蔭をもちまして去る十二月二十九日から圧搾を開始する事が出来、順次機械の調整を見まして、近日中に目標量の圧搾が出来るものと大いに期待している次第であります。この工場は入手を出来るだけ省きオートメーション化されたものでありまして皆様の御協力により今期から十三万屯以上の原料を搬入していただけばそれだけコストも安くなり農家に還元する利潤もある事と信じて居ります。
又めまぐるしくうつりかわる世界の経済状態も、吾々は目をはなしてはならないと思います。今年は世界的に砂糖の不作な年だそうでありまして例にない位砂糖の値が高値を示して居りますがいつまでも高値が続くとは考えられませんので今期から、甘蔗代の内から備荒貯金をしていただきますれば安全だと考えます。
豚価につきましても云えます事は甘蔗作におされて飼育頭数の激減による事でありましてこの不足を台湾から輸入して沖縄の需要量を充たすべく政府が導入を考えている様で近日実施されると考えられますが、これに伴い豚価は下向きになる事と思います。肥料の問題もいちじるしく進歩致しまして調合歩合もその土地に合う様な肥料をと考えまして出来るだけ早く土壌専門家を招き調査の上良くきく安い肥料をと考えている次第であります。その他葉煙草栽培の問題一般作物の現金化につきましても常に意を用いまして少しでも農家にとって利益を増す事が出来ればと念じています。
尚、組合の事務所の移転拡張の事も総会で承認を得まして研究中でありますが将来を見越して、無駄のない様に致し度いと存じています。
以上極くかんたんに組合の現況と所感の一端を述べましたが、今年こそ吾々農家の最上の良き年であります様又皆様方の万福を御祈り致しまして新年の御挨拶と致します。

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