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1963年9月発行 読谷村だより / 4頁

はなしのサロン

はなしのサロン
ラクガキマンダン
楽我喜満暖

「顔」
顔、顔、顔、
いつでも
見ている
人の顔
誰かに似て
誰にも似ていない
無数の顔
ヂェスチャー豊かな顔
いつでも
どこでも
ゆかいに見える
人の顔

円型、角型、卵型の広場
中に見える三角柱
左右につらなる
玉眼の地
それらを
ひきしめ
見守るように
細くて黒い弧線が
肉太に見える赤色の丘が
はっきりと
目にうつる

いつでも
じっと静かに
眺めてみたい
その目には
その鼻が
その鼻には
その口が
その口には
その輪郭が
くるいなく
つりあっている
幸か、不幸か
さいわいか

目も、鼻も、口も
務をはたすだけでなく
数も
大きさも
広さも計算され
小さい広場で
ねばっている

うれしい時には
目も
鼻も
口も
よりあって
たのしく
語りあい
かなしい時には
互にはげましあって
たのしい夢を
忘れない
一九六三年九月十日
楽天静児

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