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1963年10月発行 読谷村だより / 4頁

はなしのサロン 窓口珍問答

はなしのサロン
窓口珍問答
○長男を世帯主にもつ或る婆さん、長男が都合で他の地区へ転籍、その為役所の住民票の世帯主から消え新しい世帯主を住民登録法に基いてこの婆さんか、次男坊にしましょうと話しかけたところうちの長男が世帯主でなくなるとはと嘆く事しきり、係職員の汗だくだくの説明にも一向耳をかさない。分るようで分からぬようで愁思不安と不満顔本当に弱りました。
○パスポートの申請で戸籍抄本をとって行った青年見果ぬ夢に早くもヤマトの壮観に気は走り、抄本を紛失、残念あわや日本行断念かと困惑った。この青年抄本は一回きりしか貰えないと思いこみ、思案したあげく住民票でも通用するとの事にほっと一息、再び役所に足を運んだ。窓口嬢苦笑して抄本一通十七仙也、何十回でも売りますよ、との説明に若い青年赤面、傍にいたハギー爺さんアンシルヤクバーモーキーサヤーサイ。
○証明料納めに納付書を後生大事に収入役室に行ったおぢいさんカウンター前で平身低頭丁寧に頭を下げた途端ドターンと一発勇ましい音を響かせて頭突何しろカウンターは五尺×六尺のスキ硝子で仕切られており、真面目ぢいさんの事、この失策を失笑出来ず収納のM嬢下っ腹に力を注ぎ、断腸の思いで笑いを堪え危く肋膜症発作の際疾いところだったそうです。
○戸籍、抄本、謄本身元身分証明は本籍地で、その他印鑑証明、保証々明、資産証明等諸証明は現住所の役所で交付することになっている。然し役所の窓口には前記の掟を知らずに種々証明貰いのお客さんが度々訪れる。中にはこのような事情を構わずに粘る頑固屋もいる。勿論法にはまったお役所仕事聞き入れるわけにはいかない。果ては税金を納めているんだとか、戸籍があるとか、住民登録をしてあるとかで大声で怒鳴りちらす。でも全く関係ない事、益々怒り出す。受付嬢の最も苦い相手、これでは愛敬サービスもつとまりません。
一九六三年十月八日
窓口蚊張

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