“戸籍窓口”(3)
十月分の届出数一一五件
出生届数 五五件
死亡届数 一一件
婚姻届数 三三件
認知届数 五件
戸籍訂正 五件
その他 六件
一、戸主権の廃止
旧法は婚姻、離婚、出生養子縁組、分家等すべて戸籍に入ったり、又は出たりする場合は、必らず戸主の同意を得ることを必要としていた。たまたま非嫡出子(私生子のことをいう)の入籍の場合戸主の同意が得られないときは、父母の家に入ることが出来ないため一家創立という制度があった。
(旧民法第七三五条家族ノ子ニシテ嫡出ニ非サル者ハ戸主ノ同意アルニ非サレハ其家ニ入ルコトヲ得ス)とあり婚姻の場合でも戸主の同意を得てない婚姻は、離婚復籍の際には、復籍を拒絶されたものである。(旧民法第七五○条家族カ婚姻又ハ養子縁組ヲ為スニハ戸主ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス)とこのように旧法中は「戸主」はその戸籍の酋長の権利を持っていたことになろう。このような戸主権は新法の下ではすべて廃止され婚姻、離婚、養子縁組等何ん等戸主の同意を必要としなくなった。
二、家督相続届の廃止
旧法はその家を代々継ぐために家督相続制度があり前戸主の死亡又は隠居、女戸主の隠居又は婚姻により家督相続が開始し、その家督相続によって戸籍に大きな変動を当えたものである。
戸主が六○才になり推定家督相続人が成年に達していれば隠居届と云うのがありましたが家督相続制度がなくなったのでこの隠居制度がなくなった。又女戸主は相続人がいないと婚姻も出来ず養子縁組により養子を迎えてから婚姻もしたものであるがその必要もなくなったわけであります。
三、三代戸籍の廃止
即ち旧法中は、戸主、妻、長男婦、孫、孫の妻、曾孫と、将来に於いてその家を継ぐべき者はすべてその戸籍に入籍していたものであるが、新法に於いては、前に述べたように家を継ぐ必要がなくなったので戸籍はすべて親子単位に編製されるようになった。そこでもし長男が嫁を貰ったら夫婦で一戸籍を作ることになり(新戸法第一六条婚姻の届出があったときは、夫婦について新戸籍を編製する。)もし、長男夫婦に子供が出来たら子の出生によって長男夫婦とその子とで一戸籍を作ることになります。(新戸法第一七条戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者以外の者がこれと同一の氏を称する子又は養子を有するに至ったときはその者について新戸籍を編製する。)又夫婦養子縁組をする場合でも旧法では養親の戸籍に入籍したものであるが、新法では、養親は養親、養子は養子別々の戸籍しか作らないことになっている。そこで前途のとおり長男でも分家(新戸籍編製の意味)すると云う事態が起り得るわけです。
現在の戸籍に孫とか、甥姪それに従兄、弟、姉、妹等が入籍している戸籍は、昭和四二年一月一日の戸籍改正で全部親子単位に編製変えされることになっている。
四、法の下に於いての男女平等
新法の下に於いては何ん等男女の差別がなくなったということである。例えば婚姻の際でも、夫婦の合意で夫の氏でも妻の氏でも夫婦の協議で定めることになって居り、氏の変更の申請も夫婦で、転籍分籍も夫婦で届出ることになって居り子供が成年に達するまでの親権も共同で親権を行うことになっている。(新民法第八一八条成年に達しない子は、父母の親権に服する。子が養子であるときは、養親の親権に服する。親権は、父母の婚姻中は、父母が共同してこれを行なう。)と(旧民法第八七七条子ハ其家ニ在ル父ノ親権ニ服ス但独立ノ生計ヲ立ツル成年者ハ此限ニ在ラス父カ知レサルトキ、死亡シタルトキ、家ヲ去リタルトキ又ハ親権ヲ行フコト能ハサルトキハ家ニ在ル母之ヲ行フ)と、なお婚姻後の財産も婚姻前に持段の定めをしない限り、夫婦財産になることは云うまでもありません。
次に個々の事例について記して行きたいと思います。
一、婚姻届について
どういう要件を備えれば婚姻が出来るか。
1.男は満十八歳女は満十六歳になれば婚姻出来る。(婚姻適令民法第七三一条)
2.配偶者のある者は、重ねて婚姻することができない(重婚禁止民法第七三二条)
3.女は前婚の解消又は取消の日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。(再婚禁止期間民法第七三三条)
4.前途の1.によって未成年でも婚姻は出来るが、その場合は父母の同意が要ることに成っている。(未成年者の婚姻民法第七三七条)
5.その他に、近親婚の制限直系姻族の婚姻禁止、養親子関係の婚姻禁止、等がある。
6.右の要件を具備しているものは夫婦と成年の証人二人から口頭又は署名した書面で届出れば足りる。(結局婚姻届の用紙は役所に備え付けてありますから夫婦の印鑑と証人二人の印鑑計四つの印鑑を持ってこられれば婚姻届が出来ます。)
7.なお外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使公使又は領事にその届出をすることができる。
8.婚姻届の際夫婦の称する氏を定めることになっている。例えば夫が「比嘉」で妻が「知花」の場合夫婦の合意で妻の氏である「知花」になることも出来るようになっている。(旧法中は婿養子縁組婚姻でなければ妻の氏を称することは出来なかったものである。)
次号へつづく。