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1964年9月発行 読谷村だより / 1頁

読谷花織の再興に力こぶ 

読谷花織の再興に力こぶ 
村長 池原 昌徳

 読谷村は、琉球の文化財で有名な読谷山花織の産地であります。それは我々の祖先が百年前の昔に、つくり出した貴重な物織でありますが受継ぐ人もないままに時代は流れて七〇年も放置されました。祖先の偉業を讃え、これを保存し、継承してその価値を高めることは、後輩であるわれわれの義務であります。
幸にして花織の技術をもつ先輩のお方々が今尚御健在であります。その人は波平の上地ウシさん(八四才)知花カミさん(八〇才)字楚辺の松田ウシさん(七三才)松田カマさん(七〇才)比嘉ウトさん(七一才)計五名のお方であります。
いよいよ一九六五年度の予算議会に於て五二〇ドルの予算を議決して貰いましたので、早速七月一日から花織の再與事業を開始いたしました、先づ波平出身の二名を一組にして着物(ルーブリ)を受持ち、楚辺の三名を一組にして手布(テーサージ)を受持ちました。ところがこの五名のお方々には地織機(ジーバタ)でしか織れないので、これを高織(タカハタ)に移すために、波平の組に与那嶺貞さんを、楚辺の組に比嘉文江さんを選任いたしましたところ只今では高織によって着物が二反手布が一五枚の立派な製品が出来ました。
次は花織の技術を普及することと、これを商品化して本村の特産品をつくり出すことでありますが、その計画として来る九月三日から 向う一ヶ月間、約二〇名の希望者を募って花織の講習会を開催する予定で只今婦人会においてその準備をすすめております。
 尚商品化については、今のところ未知数でありますが、これから糸原料や、模様用途等いろいろの面について、村民皆さんと共に研究して是非読谷村に家内工業を盛んにし、特産品をつくり出したいと思いますからどうか村民各位の建設的な御批判と御協力を御願いする次第であります。

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