本村の養豚について
豚、ブタ、と茶の間の話は「しあわせでいっぱい」というところ、物を生産する喜び、生きものを育てる楽しさ、これは格別であります。勿論その反面、雨の日も風の日も、甘藷をほり草を苅り、畜舎を清掃しなければならない。その肉体的な労働、苦しみが、農業を敬遠する原因でもあり、労働と所得のアンバランスをいかに改善するか、今後の大きい課題だと思います農業振興計画で養豚を大きくとり上げ一歩一歩進めていますが、変化の激しい今日、今後の問題を共に考えたいと思います。
一、良い品種を飼いましょう。
読谷村の豚の数は一〇、八一五頭になりました。これは大きい進展であり、努力のあらわれだと考えますその内訳をみますと、飼育戸数一、七一八戸 肉豚七五三〇頭母付仔豚三〇七三頭 繁殖豚一五五七頭になっています。この数字から考えてみますと、繁殖豚が多いことです。繁殖豚が多いことは仔豚の産地であり仔豚が村外に売られていることになります。繁殖豚は総頭数の一〇%程度が適当な数であります。それから考えますと繁殖豚は一、〇八〇頭程度が仔豚自給の線だということになり、それに対して一、五三三頭ですから四五〇頭多く、仔豚約七、〇〇〇頭村外に売らねばならないことになりますこれからもおわかりのように、本村は仔豚の産地に大きく発展しています。これを維持し又今後発展させる要は、良い品種を飼育し、良い仔豚を生産して信頼を得ることであります。繁殖能力、産肉能力、強健性の実力のあるものを養うことであります。肉豚生産の効果を上げるために一代雑種三元交配など重要視されていますが基礎となる純粋種の両親の能力が悪ければ雑種優勢の効果は期待出来ません。優良品種ランドレース、大ヨークシヤの純粋種を飼いましょう。
二、自然飼料を増産しよう協業化、共同化、多頭化いろいろの用語が出ました言葉のように養豚界にもいろいろな型で進出し、五百頭から五千頭養豚の大資本による企業養豚も進出しました。私達もいろいろと検討を加え努力しなければならない重要な問題だと思います。しかし読谷村の現状は一、七一八戸が養豚をし一戸当り六・三頭平均で二〇頭以上の農家は僅か六二戸で零細な副業養豚です。現状からして現段階では副業養豚から「いかにもうかるか」を考えるのが本村の方向だと考えます。専業養豚家に私達副業養豚家が勝つ手は自給飼料を少なくても五〇%を保つことだと思います。幸にして、本村の土壌は甘藷作に最適であり早生多収のヨギムラサキ、アキホコリ、ボーコ島四〇日、台農五七号が普及していますので甘藷増産に尚一層の努力を期待いたします。
三、寄生虫を駆除しよう。
肉豚生産の効果を上げるためには勿論品種の選択は大切なことでありますが飼料の効果を上げる方法を考えねばなりません、その方法はいろいろありますが各農家がたやすく出来るのは寄生虫の駆除だと思います去年の九月宇座から一五〇頭、長浜から一五〇頭の豚の蛔虫、■虫、鞭虫、肺虫、の保有率を調査しました。その結果何かの虫を保有しているのが七〇%以上います。寄生虫の被害は組織破壊が最も痛手であります。又飼料効果一〇~一五%低減するといわれています。五種類の寄生虫を同時に駆除することは出来ませんがまず先に目にみえる虫、蛔虫から駆除することがいいと考えます。去年村一円の豚に蛔虫駆除のためヨートンを投薬いたしましたが良い成績を得たと考えます。「病気になったものを治す」という考えから、もう一歩進めて、「効果的にもうかる」方法を考え飼料の効果を考えましょう。
四、豚舎を合理的に利用しよう。
先述しましたように多頭化の方向に考えなければなりません。多頭化は施設が問題です。新築して多頭化することもいいことだと思いますが、たやすいことではありません。副業養豚の本村では今の施設を改良して、又は技術的な研究によって今の施設に培以上の飼育が出来ないかどうか検討する必要があると考えます例えば過去においては一豚房に一頭の肉豚を飼う習慣でありましたが現在では一豚房に五~六頭も飼うように改善されました。このように一豚房に繁殖豚二~三頭飼育を研究する必要があると考えます。又は運動場をつけて、繁殖豚を一〇~十五頭の集団飼育を考えるのも必要だと思います。現状をよく調べ「工夫」して一歩一歩前進させましょう以上四つの部門から考えましたが流通の円滑化、組織の強化により市場競争の解決策等いろいろあると考えます。本村の主要産業は畜産でなければならないと意見がまとまりつつあります今後一段と深く検討を続け尚一層の発展を期待します