普及員便り(4) 病害虫の防除について
読谷村担当普及員 田場 典明
作物の減収のもっとも大きな原因は暴風、旱魃、病害虫の被害によるものであります。暴風と早魃の被害は一般的にこわがられていますが、病虫害の被害については暴風や早魃のようにはおそれられていません。病虫害の被害は場合によっては暴風や早魃より以上に被害を及ぼす場合が少なくありません。例えばイモのバイラス病の如きは防除しないと全く無収穫になることがあります。毎年バイラス病防除の結果大事に至らず防除されている事は幸わいであります。
また、野さいに被害を及ぼす紋白蝶の発生する時季(毎年四、五、六月頃)に防除しませんと、かんらんなどは全滅します。このような病虫害の被害の恐ろしさを考えてこれに対する防除を実施しなければなりません。人間は蚊やのみでも体につきますと、一家総動員で防除を懸命にしますけれども作物に対しては、折角骨折って作った作物が病害虫に喰いつぶされても手をこまぬいて見ているようでは作物に対する情があまりにもうすいと言わねばなりません。作物は絶えず人間に向って、ものを言っています。虫がつきますとヰーゴーサン(かゆい)アガヨー(痛い)アキサミヨー(危篤状態)と声を限りに呼んでいます。作物を生き物を愛するほどの情の深い農家であれば、作物の声をききとって、かゆい時に農薬を散布して虫害から作物を救うことも出来ますが、アキサミヨーする状態になってからは農薬を散布してもその効果はないのであります。
例えば火事が出てから消すさわぎより、火事を出さない用心が第一のように作物の病虫害の防除も虫のつかない対策にたえず心がけなければなりません。しからばどうしてその対策をしたらよいかを述べてみましょう。
農薬には殺虫剤(虫を殺す薬)と殺菌剤(病気を防ぐ薬)があります。虫害のときは殺虫剤を使い病気の場合は殺菌剤を散布します虫害のとき殺菌剤をまいては効果はありません。又病気のとき殺虫剤をまいては何の効果もありません。
それでは殺虫剤は、どんなものを使えばよいか、これを全部説明することは、この紙面では不可能でありますので、その内で使いやすくて経済的で効果の高い代表的なものは第一表の通りであります。(第一表参照)
殺菌剤について述べますと、虫害にくらべて目立ちませんのでうっかりしがちですが虫害より恐しい病気も少なくありません。
例えば、馬鈴著やトマトに発生する疫病(葉が黒くなる)の如きは全滅する場合が絶えずあります。作物の病気の種類は三十程を数えられるようで、殺菌剤の数も何百と数える程でありますが、その内で経済的で効果の高い比較的素人でも使いやすい農薬は表の通りであります
※「殺虫剤(害虫に使用する薬)(1)」「殺菌剤(病気の防除)」は表のため、原本参照。