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1968年4月発行 読谷村だより / 2頁

台湾の石油精製工場と産業を視察して

台湾の石油精製工場と産業を視察して 
議長 知花 平良
 新聞報道でよく御承知のことと存じますが、去る一月二〇日付で、琉球政府(松岡主席)は、カイザー、ガルフ、エツソ、カルテックスの四社に対して、沖繩においての石油精製事業を目的とする外資免許を交付した。この各社が与那城村、中城村、北中城村、石川市等に、石油精製工場を設置するとのことで、地元では石油精製工場による公害問題で、工場誘致に対して賛否両論がある。特にこの地域が中部地区であるがゆえに、中部地区議長会はこれを重視して、去る一月四日に臨時議長会を開いて協議した結果、台湾高雄の中国石油精製工場を視察することを決定し、特に石油精製工場の公害問題、それに台湾の糖業、その他産業等に重点をおき視察いたしましたので、その概要を御報告致します。なお紙面の都合で今回は糖業関係と農地改革について御報告申し上げます。
※台湾の糖業について
 台湾糖業の機構は、台湾糖業総公司の下に七つの総ショウ(会社)があってその下に二七の製糖工場があるが一部政府の管理下におかれております。砂糖の年間総量は八十七万トンでその内、自営農場(会社直営)三十万トン、農民(十七万戸)五十七万トンとなっている。
 分糖制度
 きび作農家に対しては、甘蔗搾収後、分糖制度が採用されている。分糖比例は農民(生産者)例一〇〇分の五五、会社側一〇〇分の四五の割となっている。
※ 制糖の種類
 分炭酸法及び石灰法の両種がある。分炭酸法は特砂糖(SWC)を製造し、石灰法は粗糖を(RSC)を製造している。
※ 砂糖キビ反収量は、
 台中が一反(三〇〇坪)七トンから一〇トン、台南が一反当り九トンから一二トン生産されている。キビの搬入方法は、畑から道路までは農民側、道路から工場までは会社側が運搬する
 土地改革で生活が良くなった農民
 台湾の土地改革は、中国の国父孫文先生の遺教に従って、実施された農業農地改革で、この改革が成功して、台湾の農業生産が飛躍的に高まり、台湾社会安定の原動力となっているとのことであります。
 第一段階は一九四九年に小作料を主要作物の三七、五%にした。第二段階は一九五一年に小作農家に公有地の払い下げを実施した。第三段階は一九五三年「耕す者、その田を有す」の制作が実施され、これは二ヶ年で完成をみたとのことである。この三段階で地主は七エーカー(約八、五〇〇坪)だけの土地保有が許され、これ以上の私有土地は政府が買いあげ、これを合理的価格で小作農家に売渡した。小作農家は、一〇年以内に二〇回にわけて、実物(米)をもって地価を支払うことになっている。一方地主はその土地代に相当する七〇%の土地実物債券と三〇%の民営会社の株券が与えられた。土地実物債券は実物(米)の裏づけがあるので、その価格は保証されている。この改革は、農民と地主双方に利益があるので、順調に実施され、輝かしい成果は自由世界各国から賞賛されているとのことであります。土地改革の実施により、台湾の農民の生活水準が非常に向上し、かなり進歩した生活を営んでいることが感じられた。
 台湾の産業視察の所感を申しますと台湾の糖業関係及び土地改革、土地改良計画並びに実施状況等を見聞して、台湾政府が特に農政に力をいれているということが感じられた。沖繩においても台湾政府の土地改革を参考にして、政府が土地改良事業、特に土地交換分合等の政策を樹立して、土地改革を実施する時期ではないかと思う。

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