読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1969年8月発行 読谷村だより / 3頁

1970年度施政方針

〔続き〕

  職員の増員について
 著しく進歩発展する社会、技術革新の時代といわれる現代社会において、市町村行政もまたこれに順じて計画化、技術化、能率化が要求されています。
 ところが市町村の仕事は最近急激に増加し、且つ複雑な多岐になっており、しかも本村の場合は、困難性を伴なう軍用地問題もかかえており、特にこれからの市町村は、本土復帰の体制づくりに向って沢山の事務が予想されるのであります。
 従って本年度は住民課の国民年金係一人、建設課一人、水道課一人、議会事務局一人計四名を増員し、更に職員の待遇を改善して役所事務の合理的運営を期したいと思います。
 私たちのこの村は、凡そ数百年の歴史により、誇り高いかずかずの郷土文化を築いています。そして明治の末期から昭和初期にいたっては、これまた純農村の真価を遺憾なく発揮して、甘蔗、甘藷、畜産の産地をつくって、産業と教育の著しい発展を遂げた村であります。
 ところが去る大戦の結果、壌滅的な打撃を受けた上に、膨大なわれわれの土地が米軍の戦略基地に使用され、異民族支配の生活をつづけてきました。
 敗戦により、困苦欠乏に耐え、波乱にとんだ冷厳な時代にありながら、私達の村民は、この過酷な運命にもひるむことはなかった。やがて炭じんの中から立ち上がり、逸早く公民館活動をおこし、復興から建設え、新しい村づくり運動へと、燃える情熱を傾注してきました。 教訓に富み、時代のはげしい変遷を経て、村制施行、ここ六〇年をむかえたのでありますが勤勉にして、団結心に強く、温情豊かな村民性を育んでくれたこの村の歩みをふり返り、私はいま先人の残された美しい風土と伝統の顕著ある業績に対し、心から感謝と礼讃の念を捧げます。
 以上新しい年度における重要施策について述べて参りましたが、その実現のため、沢山の議案を上提してありますから、とくと御審議の上、村政全般について建設的な御批判と御協力をお願いし、併せて本村の飛躍的発展を祈念いたします。
   一九六九年六月十一日
   読谷村長 池原昌徳

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