特に、昨年実施致しました渡慶次、儀間の農村公園は照明施設、ゲートボール場、遊具等が設置され地域の子供や老人の皆さんが積極的に活用されており、地域コミュニティの場になっております。
今年度は、儀問区の多目的集会施設を建設し、諸団体の活動、農事研修等の実施など施設の有効利用をはかってまいります。
また、集落内道路の四六四メートルも継続実施し、潤いと活力のある農村環境づくりに努めてまいります。
③畜産業の振興
世界の農産物自由化の動きは、日本農業に大きな課題を背負わせております。昨年四月から実施された牛肉の輸入自由化はその一つの事例であります。本県の畜産農家では県産牛が肥育され、外国産牛とは質を異にしておりますが、アメリカやオーストラリアなどにおいて日本人好みの肉牛の育成に取り組まれているといわれており、今後も厳しい経営を余儀なくされるのは必至であります。
また、国内における産地間競争の激化が予想される豚についても価格の低迷が続いており養豚経営も依然として苦しい状況下にあります。このような内外の諸情勢でありますので、畜産農家をはじめ関係者が心を一つにし、畜産経営の改善と安定化に向けて努力していかなければならないのであります。
村といたしましては、これらに対処していくため優良種畜の導入をはじめ防疫対策など様々な振興施策を実施し、畜産経営の安定向上に努めてまいりました。今年度は飼養管理技術の向上および生産コストの低減化をはかるため、種豚購入補助、予防注射手数料の助成、獣医師設置補助、人口授精師設置補助、優良子牛生産奨励補助、優良肉用牛生産奨励補助等を継続して実施するとともに、畜産農家相互の連携と経営意識の高揚等、生産組織の強化をはかるため養豚組合、畜牛組合、畜産まつりの運営助成をはかってまいります。
④漁業の振興
年々漁業環境の悪化が進み漁業資源を減少させております。また、外国からの水産物の輸入は年ごとに増大する傾向にあります。これらを背景に漁業は多くの課題を抱えながら資源管理型漁業へと転換してきております。
村といたしましては、これまで漁業生産の拠点づくりとして都屋漁港の整備を促進する一方、漁業構造の改善による漁業生産の拡大に努めてまいりました。この間、荷捌施設、給油施設、製氷施設、巻き揚げ施設等の漁業近代化施設を整備し、また生産から出荷までの安定化をめざしてマダイ、アイゴ、タマンの養殖試験、ガーラ、ツンブリの蓄養試験を実施し、さらに、漁業振興補助、漁船購入補助、浮沈式生簀および鮮魚処理加工施設の設置に助成するなど漁業経営の健全化をはかってまいりました。これらの施策は次第に一定の成果を現しはじめ漁業活性化の動きが見られるようになってまいりました。
今年度は漁業振興補助、漁船購入補助、オニヒトデ駆除事業を継続実施し、零細漁家への漁具、器具購入補助、海岸局無線機設置補助、養殖試験および浮沈式生簀試験事業の助成と婦人部を中心とする鮮魚の一次加工等付加価値を高めた特産品づくりを推進してまいります。
⑤商工観光の振興
経営活動のグローバル化が進み農産物を中心とする日本市場に対する開放要求が強まり、また改正「大店法」が施行されるに伴い大型店の規制が緩和され小売市場の競争の激化が予想される等、経済活動は厳しい局面にあります。
県内経済は、観光産業が好調に推移し経済動向も個人消費、設備投資を軸に拡大基調で持続してはいるものの、依然として移輸出入差が極めて大きく、また財政依存度が高いなど経済体質は弱い状況にあります。村といたしましては、商工会は地域経済の中核的団体であり、その育成と地域経済活性化対策事業推進のため本年度も助成を行ってまいります。
これまで、商工会を中心に行政及び地域の経済団体等が業種、職種をこえて相互の連携の下に商工業の発展と地域経済の活性化のための事業が継続的に進められ紅イモを中心にした特産品の開発が行われ高い評価を得ております。
今後は、これらの特産品の安定生産と販路拡大をはかるために生産基盤の拡大と市場の開拓が必要であり、生産農家との横の連携を緊密にし、加工と流通体制を整え、各種産業と結びつけることによって市場の確保と販路の拡大をめざしてまいります。
一方、観光については残波岬いこいの広場を中心にレクリェーション施設等の整備、史跡等名所の整備を行い拠点づくりを実施するとともに、残波まつり、伝統工芸の振興、特産品の開発生産と併せて観光産業の体制づくりに努めてまいりました。本村にはリゾート施設として沖縄残波岬ロイヤルホテルがあり、さらには、地元主体によるゴルフ場もオープンし、またもう一方のリゾート計画も進行中であります。今年度は、NHKエンタープライズ制作の大河ドラマ「琉球の風」のロケーションも読谷の地で計画されており、観光産業をはじめ地域づくりの活性化に役立つものと期待するものであります。今後はリゾート施設、レクリェーション施設、名所旧跡、伝統工芸及び特産品等を有機的に結びつけ、観光産業の育成と併せて農業、製造業及び商業への波及効果を高めてまいります。
また、「沖縄・海のカーニバル」事業の一環として位置づけられる「残波まつり」は今年で、八回目を迎え読谷及び沖縄観光を全国的に印象づけるイベントとして定着しており、今年度も継続開催してまいります。
⑥伝統工芸の振興
本村の伝統工芸品である読谷山花織とヤチムンは十四、五世紀頃南蛮貿易によって伝えられたと言われ、以来、地域の生活文化と融合し連綿とその技が今日に生き続ける文化的遺産であります。
伝統工芸品は、手作業というその特性から庶民性と文化性を持ち、併せて経済性、産業性を兼ね備える村民共有の財産であると同時に、芸術性を内包したものであります。伝統工芸は、その独自性、創造性から個性豊かな地域づくりの先導的役割と地域活性化の役割を担い、内外にヒューマン・ネットワーク(人間の輪・交流)を創造する役目も果してまいりました。
読谷山花織については、拠点となる伝統工芸センターを中心に、楚辺、座喜味、波平の地域工房等において生産活動が行われております。さらに、今年も引き続き読谷山花織事業協同組合運営補助や後継者の育成、中堅技術者の研修、製品開発研究等に助成してまいります。
ヤチムンについては、本村がかつて古窯喜名焼発祥の地であるという立地条件を踏まえ、ヤチムンを甦えらせるため昭和四十七年に那覇壷屋から金城次郎氏を迎え、昭和五十三年にはヤチムンの里構想を打ち出し窯場づくりをはかってまいりました。以来、昭和五十四年に読谷山焼共同登り窯が建設されたのを皮切りに現在では二十余の窯元が立地しヤチムンの村というイメージが内外に定着するに至っております。また、昨年独立し新しい十三連房の共同登り窯を築きあげた四名の若い陶工達の作陶活動も開始され、その活躍が期待されるところであります。
村といたしましては、今後も読谷山花織やヤチムンといった伝統工芸の継承と同時に、多様な作品が村民生活の中に広く活かされるように努めてまいります。
(3)社会福祉増進のための施策
人は自然とかかわる中から生活を営み、文化を生み出してきました。それと同時に、人と人とが支え合うあたたかい関係が、心を豊かにし、潤いのある人生を創ってきたともいえます。広範な領域を有する福祉行政は、その広範さゆえ日常的に、お互が支え合う相互扶助の関係を村民のたゆみない努力で積み重ねていくことが肝要であります。
今日まで社会福祉協議会をはじめ、各種の福祉団体や多くの村民のご理解を得て、仲間づくりの輪を広げながら生きがいのある充実した生活を創造し、地域社会の活動に参加していく意義を身につけさせることなど、ユイマールの心で種々の社会福祉活動が展開され、社会的弱者と健常者の共生を実践してまいりました。中でも、昨年度に創設致しました重度心身障害者(児)医療費助成制度は予想を大きく上回るニーズと関係者の高い評価を得てまいりました。
今年度は、老人医療費助成制度の発足と「読谷村ふれあいプラザ」(仮称)の建設推進をはじめ、高齢者ふれあい介助事業の充実等、次の施策を進めてまいります。
本村の六十五歳以上の人口は、二千九百七十三人(平成四年一月三十一日現在)となり、総人口の九・二四%を占めています。中でも一人暮らしや寝たきりなどにより、介護を要する老人が毎年増加の一途をたどっています。したがって、老人福祉につきましては、在宅老人世帯の福祉サービスを重点に、日常生活用具給付、健康飲料の給付、寝たきり老人短期保護、ホームヘルパーのマンツーマン派遣によるきめ細かな在宅支援を更に充実させ、併せて高齢者の人材活用と地域における共同作業等、村民との交流の場を設けて高齢者の社会参加も促してまいります。
高齢化社会の到来によって、デイサービスの需要が高まっておりますが、本村ではこれまで谷茶の丘との委託契約に始まり、昨年度からは独自の事業として福祉センターの一角におけるデイサービス事業を実施してまいりました。当初計画人員の五名が、毎週木曜日には十五名以上が参加するなど、そのニーズの高まりとともに内容も豊富になり、通所される本人や家族からも喜ばれております。痴呆性の初期老人や動作が緩慢であった老人も、何回かデイサービスに集うことによって、いろいろな交流が深まり、その効果が心身の健康をはじめ、家庭生活の面でも顕著に現れております。