敬老の日に寄せて 村議会議長 知花平良
わが国の六十才以上の老人が約一二〇〇万人に達し総人口の約十二%との割合になり、国においては老人福祉の諸問題が大きな政治問題として取りあげられており、老人福祉対策が広く改善されつつあることは、まことによろこぶべきことであります。
厚生省官房長高木玄氏は老人対策として次のように語っております。
一、年金改善が急務である
二、全国で老人クラブ、八万六千クラブが五百十万人の会員を有しているが、一人でも多くの老人がこれに参加して親和、教養、健康、奉仕、レジャー等の分野に積極的活動を推進すること。
三、医療、就労、住まい、福祉、あるいは生きがいなど各分野にわたり、総合的かつ長期的対策に対応しなければならない。
四、老人対策は個人、地域、社会、企業、地方自治体政府が一体となっての共同作業であり、そのためにひとつの国民的合意といったものをつくりあげる必要がある。
五、老人は単に弱者として保護されるにとどまらず社会の有力な担い手としてそのエネルギーを開発し、生きがいをたかめるとともに社会の発展に寄与するといった方向で、進めることが肝要なとなろう。
ご参考までに高木氏の施策を提示しましたが、老人福祉対策は決して国の施策を待つだけでなく、県や市町村自治体に於いてもその対策を打ち出さなければならないと思慮するものであります。
現在、老人といわれる六十才以上の方々は過去の歴史がしめすように、二回の世界大戦を経験し、去る沖縄戦に於いては全く九死に一生を得て、特に低賃金にあえぎながら波乱にみちた生涯をおくりつつもそれぞれの立場から社会に貢献され、本村発展のためにつくされた人々である。 このようなことが繰り返されて時代とともに(社会)本村が発展していくことを考えた場合、村政に於いても老人福祉対策を大きく取りあげるべきであり、又、若い者が老人をいたわり、老後を楽しく過ごしていただくようにつくすことは、人間としての当然の義務であると思う。
さて、村内のお年寄りの皆さんが今年の敬老の日を迎えられて、益々御健勝でありますことを心からおよろこび申し上げます。県民待望の祖国への復帰もかなえられまして、老人福祉法が全面的に適用されて今後は国家の施策によって充分に皆さんは保護されるようになります。
先に述べましたように、色々の老人福祉対策が打ち立てられておりますが、一例をあげますと、①.老後の所得補償対策
②.老後の保健医療対策
③.ねたきり老人等の福祉対策
④.老後のいきがいをたかめる対策
⑤.年金改善対策等がありますが、老齢福祉年金が本年度において、二千三百円から、三千三百円へと引きあげられており、又、来年一月から七十才以上の老人医療費を公費負担にして無料にすることが、決定されております。
このようにして、国も老人福祉の改善に力を入れております。
しかし、わが国の老人対策は今、その緒についたばかりであり、その前途は遠く険しいことと思いますが戦後、二十七年にして民主国家、世界二位の経済大国への成長をなしとげた国民の英知と底力は必ずや老人福祉問題を見事と解決されることと信じて、疑わないものであります。
よって、年寄りのみなさんが楽しく生きがいのある老後を過ごされる時代が到来するものと、確信するものであります。
又、われわれ議会も国や県の施策に相応して老人福祉対策に最善の努力と協力を惜しまないことを、お誓い申し上げ、今後、益々お年寄りの皆さんが御健康と御多幸であられますことを心から祈念し敬老の日にちなみ、いささか私の所感の一端を申し述べ御挨拶と致します。