式辞 読谷村長 古堅宗光
成人になられたみなさんおめでとうございます。
第九回成年式を挙行するに当りまして、前途洋々たる諸君の成長を心から祝福申し上げますとともに、諸君を今日まで直接、間接に育んで下さいました、村の先輩のご臨席を得まして、このように厳粛に挙行できますことは、私のもっともよろこびとするところであります。
昨年は、県民悲願の復帰実現の祈念すべき年でありました。
しかし、新生沖縄を建設する大事業は正に今年からスタートします。
この重要なときに、希望にみなぎる、元気はつらつたる諸君を迎えて相協力して読谷村建設に邁進できますことは誠に心強く、この上ないよろこびであります。
成人式を迎えられるみなさんに特に申し上げたいことは、今日まで諸君を慈しみ、育んでくれた肉親をはじめ周囲の方々に感謝する気持をもつこと、またみなさんはそれぞれ、職業も異り思想、信条は違うとも、社会人としての本分を踏みはずしてはなりません。
世の中で、他人から信頼される、尊敬されることは幸福をもたらし、生きがいを感じさせるものです。
しかし、信頼、尊敬を受けることは決してたやすいことではありません。
もちろんそれは与えられるものではなく、みずからの努力によって積上げて行くものです。
さらに、若し諸君のなかで他人の仕事や職場や、環境はキレイで立派に映り、反対に自分はつまらないと思うのがあるならば、それは敗北者です。
他人を羨やむ前に忍耐と努力を払って環境に打ち勝ち自分の仕事に自信と誇りを持つことが大切です。
あとひとつは、家庭で、職場で、社会で、いつどこでも、あなたが在るところ常に、暗さではなく明るさが、いがみ合いではなく、なごやかさが、ぶちこわしではなく建設と前進をもたらす、愛され、期待される有為な存在になって下さい
おわりに、いよいよ読谷村社会人として独歩します人生は長い旅路です。
急がないでしっかり大地を踏みしめて、さんぜんと輝く太陽と大空のもとを、力強く歩きはじめて下さい。
諸君の洋々たる前途を心から祝福申し上げまして、式辞といたします。
成人の日に寄せて 議会議長 知花平良
此の度成人になられた皆さんおめでとうございます。
皆さんは、昭和二十七年一月十六日から昭和二十八年の一月十五日の間に御誕生なされた皆さんであると思います。が、その当時は戦争の爪跡も消え去らぬ戦後間もない時代であり、衣食住ともに不完備の点が多く又、沖縄の地位が講和条約締結によって決定され条約第三条によって祖国日本から切り離されてアメリカの統治下におかれた、悪い意味の記念すべき年であるが故に、精神的にも物質的にも非常に困難な激動の年であったと記憶しております
皆さんのご両親はその苦しい時代によくも皆さんを立派に守り育てられその後すくすくとご成長なされて本日ここに成人の日を迎えられた皆さんに心からお慶び申し上げます。
成人式の意義については私が申し上げるまでもなく皆さんがよく御存じの事と思いますが、中には成人になることを酒やたばこが自由に飲めるとか、憲法二十四条によって勝手に結婚ができるとかで安易な気持ちで成人の日を待ちかねている青年もいると聞いておりますが、本村出身の皆さんの中にはそのような不心得の青年は一人もいないと信じております。
沖縄は戦後四分の一世紀も異民族の統治下に置かれたが、故に祖国へ復帰しても政治経済その他総べてが本土との格差が生じており復帰したから、自然にバラ色の社会が到来するものと考えると間違いであります。勿論復帰して皆さんの時代は、この憲法に保障されることになります。が、同時に国民としての責務がおいかぶされてくることでありましょう。
復帰とともに沖縄に自衛隊は配備されており、公用地使用法により土地の強制使用は行なわれておる。
又、その他基地存続の問題等ある意味に於いては、現在以上の困難な時代が到来することが予想されます。
皆さんはこの困難な時代を乗りこえなければならない運命にあると言うことを自覚していただきたい。
いよいよ皆さんは本日から公民権が付与され法的にも実質的にも完全に大人になり社会の一員となられたのであります。
しかし、その喜びとともに社会人としての責任が重なると言うことを、お忘れになってはなりません。
皆さんは、自分の幸福をかち取るために、又自分を無限に成長させるために美しく住み良い平和な新生沖縄を築き、そして広く人類の幸福のために大きな夢と希望をいだいて大人になった誇りと自信をもって胸を張り堂々と人生への第一歩を力強くふみしめて頂き郷土の今後の新しい歴史を正しく築きあげ、ひいては本村発展のために御健闘頂きますことを重ねてお願い申し上げ、最後に皆さんの前途を心から祝福し、御多幸を祈念致しましてお慶びの言葉に変えます。