祝 村立歴史民俗資料館開館 =昭和50年5月18日=
式辞 読谷村長 山内徳信
うりずん(若夏)の季節を迎え、由緒ある座喜味城跡の麓で、読谷村立歴史民俗資料館の開館式、並びに第一回読谷村文化まつりを開催するに当り、御案内申し上げましたところ、皆様方には公私共にお忙しい処まげて御臨席下さいまして心から敬意を表し、厚くお礼申し上げます。
読谷村の新しい文化村づくりの歴史的な記念すべき本日、屋良沖縄県知事、照屋県文化課長、県内三大学長、高橋北海道旭川大学教授、県文化財保護審議委員の先生をはじめ、村内外から大勢の来賓をお迎えし、ご指導を賜ることの出来ますことを二万有余の村民と共に喜び、ご臨席の栄を賜りました皆様方、更に、歴史民俗資料館の開館式、第一回読谷村文化まつりの開催のために御協力下さいましたすべての方々に対し、衷心より厚く感謝申し上げます。
本日開館致しました歴史民俗資料館は県内唯一の村立歴史民俗資料館でございます。新装整った文化の殿堂として資料館の建設を計画し、その実現のため日夜御尽力下さいました前村長の古堅宗光氏、物心両面より御指導、御援助を賜りました政府並に県御当局、設計管理を担当して下さいました我那覇設計事務所様、工事施工をして下さいました日進建設株式会社等、資料館の建設のためお骨折り下さいました関係者各位に対し心からお礼を申し上げます。
さて、私達沖縄は、今次太平洋戦争によって、貴重な文化財、文化遺産のほとんどを失なってしまいました。それにつづく異民族支配を経て三十年間の歳月が流れましたが、わずかに残っている貴重な民俗文化の遺産を保護し、それを後世に正しく継承し発展させることが戦争を生きぬいてきた者の責務であり、同時にそれは新しい文化創造の第一歩であろうと思っています。
読谷村は、沖縄本島の中心部の西の半島に位置し、優れた自然環境、優れた文化的風土を有しているのが読谷村であろうかと思います。
十四、五世紀の昔、読谷の祖先は長浜の港を利用して遠く南の国々や中国との貿易に活躍し、かの地の文物を輸入し、それを基にして、沖縄の地方文化としての読谷文化を築き上げたのであります。
世にいわれている読谷文化には、燃える心をこめて織られた「読谷山花織」や「喜名焼」があり、読谷が生んだ偉大なる吟遊詩人であったアカインコは、歌と三味線によって沖縄の音楽文化を築き上げた人でありました。更に、名もない民衆の手によって日常生活の中でつくられた生活文化としての民具等、長い歴史の中で築き上げられた数々の文化遺産が読谷の人々に誇りと勇気、自信を与えてきた意義は極めて大きいものがあると思います。
私達は、読谷村民の文化を愛する全面的な協力の下に、民具を中心とした文化財、一千点余り収集し資料館に収蔵することが出来ました。
そのような意味で、歴史民俗資料館は、村民の心の古里であり、祖先との対話の場であると共に、新しい歴史創造の場となり、児童生徒、青年の社会教育の場として活用されますよう期待している次第であります。
本村の目指す村づくりは「厚生文化都市」であり、人間性豊かな環境、文化都市であります。
西の半島に二十一世紀に向けての新しい文化の香り高い村に誇りのもてる村づくりの第一歩を本日しるした訳けであります。私くしが文化的な村づくりと云う場合には、個性的な村づくりであり、個性的な村づくりとは生き生きとした生命の宿った村づくりを指向することであります。
読谷村民に、文化に対する深い認識と文化創造への情熱と御協力をお願い申し上げ併せて、おいでいただきました皆様方の今後の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第でございます。
本日は第一部として「村立歴史民俗資料館の開館式」、第二部は「郷土芸能発表会」、第三部は「懇親