山内徳信村長 米国大統領に直訴状 読谷飛行場内アンテナ工事中止を要求
山内徳信村長は去る二月七日、読谷補助飛行場内アンテナ設置工事中止に関する手紙を米国大統領ジミーカーター氏へ送った。米国大統領への直訴状は地方自治体としては異例のことだといわれ、自由と平和の実現に新しい精神を強調して登場せられたジミーカーター大統領の動きが注目されます。
山内村長が米国大統領への直訴におよんだのは、去年七月P3対潜哨械機交信用のアンテナ工事が表面化して以来、機会あるごとに現地米軍、防衛施設局在日米軍司令部のある横須賀基地まで足を運び精力的に工事中止に関する要請を続けてきたが進展を見ない。しかも、機動隊導入による工事再開の動きがみられる中で、山内村長は打てる手だてはすべて打ちつくした。最後の手段「直訴」これしかないと三千六〇〇文字にもおよぶ手紙をジミーカーター大統領閣下宛発送したものです。(以下書面を掲載します。)
カーター大統領閣下
拝啓
建国の父達の示した夢と信念を国民に訴え、未来に立ち向う勇敢さと、自由と平和の実現に新しい精神を強調して、世界第一の指導者として登場せられ、世界の人々に夢と希望を与えられたカーター大統領に心からお祝いの言葉を申し上げます。
建国二〇〇年祭を祝った米国に最もふさわしい偉大な指導者ジミー・カーター氏の第三九代米国大統領へのご就任おめでとうございます。心から祝意を申し上げ、米国をはじめ世界平和と社会正義の実現のため、今後のご活躍をお祈り申し上げます。
私は、日本国沖縄県読谷村の村長をしております山内徳信(四一才)という者であります。村民二万五千人に代わり、敬愛するカーター大統領に直接お手紙を差し上げお願いを申し上げたいと思い筆を執った次第であります。その理由は、現在、読谷補助飛行場と呼ばれているところで米軍のアンテナ工事をめぐって、地域住民との間に極めて緊迫した状態が続いており、大統領の有効適切なご指導ご助言を仰ぎたく、親書をしたためた訳でございます。
大統領におかれましては公務多端の折、誠に恐縮とは存じておりますが、事態が急迫しており、「一寸の虫にも五分の魂」ということわざもありますように、沖縄県の小さな村の村長からの訴えではありますが、お聴き取り下さいまして、在日米海軍司令部(横須賀)の方に適切なご助言をお願い申し上げたく、失礼をかえりみずお手紙を差し上げたわけでございます。
私達沖縄県民は、第二次世界大戦の終結以来二七年間にわたって、アメリカ軍の支配下におかれてきました。私達は異民族支配という不名誉な状況の中で、貴重な体験と教訓を学び取ることができました。それは何であったかと云いますと「自由の尊さであり、基本的人権の尊厳さであり、世界平和が」この世に実現されなければいけないと云うことでありました。それ故に、政治にたずさわる者に課された課題は極めて重要であると思います。
アメリカの民主主義は最近、かってない危機に直面し苦悩に満ちた数年でありましたが、しかし、それはたんなる私一人の杞憂であってよかったと思います。それは、今回の大統領選挙の結果が如実に証明しております。カーター大統領の当選は、カーター大統領の偉大さは勿論でありますが、同時に若い人々を信頼して任して下さるアメリカ国民の姿は、正に民主主義国アメリカの健全さを示すものだと思います。
国民の信頼を回復し、一九七〇年代後半の米国の救世主的存在たるカーター大統領に対して、米国民だけでなく、二一世紀に夢と希望をいだいて日々生活し職務に励んでいる世界のすべての人々は庶民的、大衆的そして精神生活の豊かなカーター大統領に感激を覚え、大きな期待を寄せているのであります。
さて、私達の読谷村は人日二万五千人、面積三四・四七k㎡であります、ところが村の総面積五十五%が、現在も米軍基地として使用されております。村の真中に、第二次世界大戦のために日本軍が作った(一九四三年1一九四五年)読谷飛行場(二、一四五、四二七㎡)があります。ところが、この飛行場は現在、飛行場としては使用されず、荒廃したまま時折米軍がパラシュートの降下演習をしますが、元地主の方々は、飛行場内の空地を耕し農業をして生活をしております。
戦前、日本軍が土地を接収する時に、「戦争が終ったら土地は地主に返す」という約束をしておきながら戦後三二年経過しているのに日本政府はまだ地主に土地を返しておりません。戦後の土地調査(一九五一年頃)の際には、米軍から「飛行場用地の土地調査はするな」という口頭指令があって、地主からの土地の所有権の申告が出来ず、そのため飛行場用地は現在国有地扱いされ今日まで何の補償もなく、一九四三年以来三〇有余年間も未解決のまま放置されていることに対し、地主としては承服できないのであります。
私達読谷村は、この問題を解決すべく十一年前から取り組み、既に日本政府に対しては村、議会、地主会
※写真は原本参照