読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1977年3月発行 広報よみたん / 2頁

読谷村長山内徳信殿 読谷村行政区域の改善について(答申)  読谷村行政区域改善審議会会長 安田慶造 行政区域改善基本方針 行政区域改善の基本計画

読谷村長山内徳信殿 読谷村行政区域の改善について(答申)
 読谷村行政区域改善審議会会長 安田慶造
 読谷村行政区域改善審議会(安田慶造会長)では、去る二月二十八日午後二時から第十一回行政区域改善審議会を開き、村から諮問を受けていた「読谷村行政区域改善」についての基本方斜、並びに基本計画を最終答申した。
 本村における行政区域の改善に関することは、十数年来関係者から、その必要性について指摘をされてきた。同審議会は昭和四八年八月二十一日、村からの諮問を受けて以来、本村の歴史現況、あらゆる資料をもとにして答申をまとめている。答申では、行政区域の改善によって、村民の行政への参画、行政の能率的運用とサービスの充重、コミュニティー活動が更に活発になり、生活共同体としての部落内の地域民主主義が定着発展することをめざし、その総和としての読谷村全域の発展と村民福祉の向上を基本として、行政区域の改善は進めなければならないとしている。
 村では行政区域改善審議会の答申にもとずき、祖先が築きあげてきた偉大な歴史をふまえつつ、村民の英知とご協力をもって行政区域の改善を行うものとし、めぐまれた環境の中で人間性豊かな環境、文化村をめざします。

 昭和四八年八月二十一日、貴職からの諮問を受けました読谷村行政区域改善基本方針並びに同基本計画について、本審議会は慎重な審議を重ねた結果、基本方針並びに基本計画をここに答申します。
 行政区域の改善問題は、十数年来関係者からその必要性について指摘されてきているが、本村の行政区、(部落)が自治組織として、又行政の基礎的単位として両面をかねそなえて発展してきたところに「読谷村の良さ」がある。
 行政区域の改善は、行政の即時的な対応や経済上の合理化を強調する形で進めるものではなく、地域の自治組織として、又村の基礎単位として発展するよう方向づけなければならない。各字にはそれぞれの歴史と伝統があり、それを抱擁しつつ関係区民の理解と協力を得て進めるべきである。
 行政区域の改善を進める場合に最も大切なことは、単なる区域の改善ではなく、将来の読谷村の社会建設の土台作りであり、その根底には住民自治(住民主権)の充実を目標として設定し改善すべきである。
 行政区域の改善によって村民の行政への参画、行政の能率的運用とサービスの充実、コミュニティー活動(社会教育活動各種団体の単位組織活動、生産奉仕活動、地域住民の相互協力体制等)が更に活発になり生活共同体としての部落内の地域民主主義が定着発展することをめざし、その総和としての読谷村全域の発展と村民福祉の向上を基本として、行政区域の改善は進められなければならない。
 なお、この行政区域改善の実施にあたっては、その趣旨、目標を生かし、具体的な実施計画(実施要項)を策定し、強力に推進されるよう要望します。

行政区域改善基本方針
①行政区域の改善は読谷村全域の将来の発展と村民の福祉を基本とし、村民が等しく行政に参画し、もって行政をより能率的、合理的な運営に対応するための行政区域の改善でなければならない。
②行政区域は役場からの単なる事務の流れの場のみでなく、コミュニティー活動(社会教育活動、生産活動、各種団体の単位組織活動等)の適正規模を区画し、それに対応する行政区域の改善でなければならない。
③行政区域の改善は村民(地域住民)の意思を尊重し、行政区域の改善によって住民生活に重大かつ急激な変化、または影響をおよぼすことがないように配慮すべきである。
④行政区域の改善は土地表示の変更は行わない。
⑤改善後の行政区の類似公民館は、区域住民の最も便なる所でかつ機能的場所に位置する主な旧来の公民館を使用し、他の旧来の公民館は区域住民の総意のもとに、コミュニティー活動の場として利用していくようにした方が望ましい。
⑥行政区の名称は改善後の行政区の活動が効率的に運営されるよう配慮し、それぞれの行政区民の住民意思で定めるのが望ましい。
⑦行政区域の改善は、各字、各地域によってそれぞれ異なる事情を有しており、それを勘案して、昭和五二年度を初年度とし、昭和五四年四月一日を最終年度として実施することが望ましい。

行政区域改善の基本計画
(一)行政区域の規模
 行政区域の規模は、一区域の世帯数二〇〇世帯以上、人口一、○○○人以上を目標とし、現在の区域が境界も明確で一集団で二〇〇世帯以上の集団の区域の場合は原則として現在の区域をそのまま新しい行政区域とするのが望ましい。
(二)行政区域の境界
 行政区域の境界は、国道、県道、村道、その他の主要道路で明示し、道路境界の不可能なところは土地の字界、小字界または地理的境界をもって境界をきめることが望ましい。
(三)公民館
 行政区の改善により、区域住民の総意のもとに使用する公民館の維持、管理、運営は従来のように区域住民が行うのが望ましい。
(四)行政区の長
 改善後の行政区に区域住民の総意にもとずき区長を選出し、従来行っている公民館の業務を取り扱っていく方が望ましい。
(五)各種団体
 現在の行政区を中心とした各種団体は、社会教育および生産活動の中心団体であり、読谷村の発展に大きく貢献している。この組織、機能を新しい行政区域に移行させるためには各団体はもちろん、村民の協力を得なければならない。そのため村の指導のもとに各団体別に組織編成の委員会を設置し、自主的、主体的に組織移行するのが望ましい。
(六)その他
(イ)字有財産について
 村内の各字は字有財産を持っており、それに伴う財源で行政区の効率的な運営を行っている。そのため各字異った利用の方向があり、これら財産の取扱いについては、それぞれの字の方針によって決ってくると思われるが、必要があれば村が仲介役になって取扱いの指導をしていくのが良いと思われる。
(ロ)公民館の増、改築に伴う村補助金について
 行政区の改善に伴い、区域の世帯及び人口の増加が見込まれる。そのため公民館の増改築が予想されるので、それに伴う補助金の支出が望ましい。
(ハ)行政区改善に伴う財政措置について
 行政区の改善に伴う各行政区の事務取扱いや、公民館業務の繁雑による困難な時期が生ずると思われるので、行政運営補助金の増額その他特別支出金等によって、各区の運営がスムーズに行われるような財政措置が必要である。

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。