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1978年9月発行 広報よみたん / 8頁

最優秀賞 子供たちに幸せな未来を 高志保婦人会 大城洋子

最優秀賞 子供たちに幸せな未来を 高志保婦人会 大城洋子
 八月十三日琉球新報ホールで開かれた第十一回「婦人の主張中央大会」において、字高志保婦人会の大城洋子さんが中部地区を代表して出場し、具体性のある訴えで堂々と主張みごと最優秀賞を受けられた。
 大城さんは「子供たちに幸せな未来を」テーマに主張。物質文明の中にあって、暮らしの中での「公害問題」を鋭くとらえ、より身近な具体性のある問題提起で主張し、生活体験に基づく大城さんの主張につめかけた主婦たちはうなづきながら熱心に聞きいっていた。
 婦人の主張大会は、地域に内在する問題を主張し合うことを通して、社会的視野を広げ婦人の地位の向上、地域社会の発展に寄与する目的で開かれている。この大会には、大城さんはじめ県内各地区代表十一名が演壇に立ち、それぞれの生活体験に基づいた「地域に内在する問題」を深く掘り下げ熱ぽく主張していた。中でも、大城さんの主張は、現実の身近な問題を提起し、ホールいっぱいの聴衆に深い感銘を与えていた。尚、広報よみたんでは大城さんの主張その全文を紹介します。

 「覆水盆に返らず」ということわざがあります。一度犯した過ちは取りかえしのつかないものです。そこで私達の周囲をみまわした時、いろいろな危険が潜んでいることに気が付きます。
 急速に進歩した機械文明のおかげで、私達は労せずして、家族の世話ができるようになりました。例えば、インスタント食品や冷凍食品、それに、いつでも、どこでも飲むことのできる清涼飲料水、また、洗たく機用に開発された合成洗剤は、それまでの石けんにとってかわり、その他にも、さまざまな中性洗剤がはばをきかせています。
 このように、私達は便利さだけを追求するあまり、家庭の主婦としての大切な役割をおきざりにしているばかりでなく、そこから派出する諸々の危険さえ、忘れているのではないでしょうか。ここで、私達は、家庭の主婦であるという自覚をもって、今までの生活を反省してみる必要があると思います。
 さて、食品公害、泡公害、大気汚染など、よく耳にすることばですが、それらについて、どのようにお感じですか。新聞などに目を通す時、河川の汚濁が問題にされているのに気がつきます。実際、私達の生活と深いかかわりをもつ比謝川の水にあぶくがぶくぶくしているのを見かけます。比謝川は私達にとって、大切な水資源であるにもかかわらず、かんばつなどの渇水時には、取水することもできない程、水が汚れきっていると、水道局の方に聞きました。
 何が原因で、そのように水を汚してしまったのでしょうか。少し調べてみました。
 その原因のひとつに、家庭排水が挙げられています。私達は洗たくに合成洗剤を使い、台所では中性洗剤を使います。また、髪はシャンプーで洗います。それらの洗剤やシャンプーは、石油系の無機物から作られ、ABSとかLASと呼ばれるアルキルペンデンスルフォン酸ソーダが主成分です。ABSは生分解、つまり、水中バクテリアに食べられて分解するが率が低いために、いつまでも水の中にABSが残り、泡が消えず水の浄化作用を妨げるということを知りました。それが河川を汚す大きな原因となっています。私達は川の水をせき止め飲料水とします。そして川は下って海に注ぎます。私達が知らず知らずのうちに使っている、それらの洗剤は、海の中でもいろいろな化学反応を起こし、赤潮の原因を作り、やがて、魚にまで害を及ぼすことは必至です。
 さらに、今一番に関心を持たなければならない問題として、食器や野菜に残っている洗剤が、私達の口を通って体内にとどまり、また、衣類に付着している洗剤は、私達の膚を通して少しずつ私達の体内に蓄積されていくことにも、目を向けなければならないと思います。私達の体内に蓄積されたABSは、肝臓疾患をひき起こし、発ガン性や発ガン補助作用が心配されており、奇形児さえ産まれると警告されています。
 みなさん、思い起こして下さい。サリドマイド児が睡眠薬の中に含まれていたサリドマイドの作用で、あの様な体にされてしまったことを!五体満足な体で生まれるべき人間が母親のちょっとした油断で、とんでもないことが起きてしまうものなのです。サリドマイドの危険性はドイツのレンツ博士によって指摘されてはいたのですが、厚生省や製薬会社はそれを無視して薬の販売を中止しなかったばっかりに、このような大きな悲劇を生むことになったのです。催奇形成が立証されてはじめて厚生省は薬の回収を始めました。ことが起きてからでは、もう遅いのです。
 それから、私達はおびただしい数の食品添加物の中で生活しています。合成着色料とか合成保存料など、私達の健康をむしばむ危険なものがたくさんあります。そのような不自然なものを取り続けても、無害だと思っておられる方は、まずいらっしゃらないはずです。
 私達は家族の健康を守る立場にある主婦なのです。もっと自分自身を戒めなければなりません。手軽で便利だからと、そればかりに目を奮われることなく、時間の許すかぎり子ども達のおやつは自分の手で作り、危険なものから離れる努力を、ぜひ試みてみましょう。子ども達の健康を守ってやれるのは、私達母親でしかないのです。
 私はそのようなわけで子ども達にもコーラやジュースなど与えることを好みません。そして、合成洗剤や中性洗剤を使うのをやめてから、三年余りになります。子ども達の小さい時のオムツ洗いは少々不便でもスーパーで求めた昔ながらの固形石けんを使いました。台所洗剤は天然油脂系のものを使っていますが少々の油汚れなど二、三度の水洗いできれいになりますし、ふきんなどは煮沸すればとてもきれいで衛生的にも申し分ないはずです。子ども達の頭は浴用石けんで洗います。
 私は男の子と女の子の二人の子どもを持っています。この子供達の生きる二十一世紀をおもいやる時、焦燥感にも似たある感情をおぼえることがあります。「何とかしてやらなければ」「何とかしなければ」という気持ちになって友達ともそのような話をするのですが、その場かぎりのことに終わってしまいそれ以上に発展させることができないのです。
 幸い私達は、婦人会という大きな組織を持っています。私達の生活の中で起こるさまざまな問題を私達母親の切実な問題として取り上げ、真正面から取り組まなければなりません。ひとりひとりの小さな力ではどうすることもできない難問でも、組織の力で、みんなの知恵の輪に解決することも可能ではないでしょうか。
 「私達のかけがえのない子ども達、未来を背負う子ども達この子らの生命と健康を守るためにも今一度、私達母親の果たすべき役割を考え直してみましょう」

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