3たび声高らかに平和宣言 反核・反戦を貫き平和を守り人類存続と文化の発展のために奮闘 昭和58年度施政方針 読谷村長山内徳信
村議会(伊波栄徳議長)の第一一五回議会定例会は、去る三月十二日午前十時開会、三月二十九日までの十八日間の会期で開かれました。今議会には、村当局から昭和五八年度一般会計予算案はじめ、四つの特別会計予算案、それに重要施策議案が数多く提案されました。
三月議会定例会は、通称予算議会とも呼ばれ、なかでも新年度予算の重要な裏付けとなる「施政方針」は予算案を「成立」するか「否」かの重要な力ギを握るものといわれます。山内徳信村長はこの日の議会の冒頭で、一万七千文字から成る「昭和五八年度施政方針」を一時間近くにわたって演説し、議員各位の協力を求めました。
今議会定例会は昨年九月の議員改選後、はじめて本格的に予算案件等を審議する議会であり、なかでも半数の議員が入れ替ったとあって、新しい議員各位は、山内村長の施政方針を入念にチェックし、村政発展の位置づけを行っていました。
私たち村民にとって、村政を知り、これからの村政を方向づける「施政方針」は深い関心を呼ぶものです。広報よみたんでは、ここに「昭和五八年度施政方針」を広く村民にお知らせし、ご理解、ご協力を賜りたく、その全文を八ぺージにわたり特集ページを組みました。
はじめに
本日ここに第一一五回読谷村議会定例会の開会にあたり、昭和五八年度の予算案をはじめ、諸議案の説明に先立ち、村政に関する基本的姿勢と所信の表明を行い、議員各位並びに村民の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。
さて、私にとりましては、村民によって信託された村政三期目の最初の予算年度を迎えましたが、議会におきましても、改選後、初の年度を迎えることになりました。復帰後十年の歩みの総括と成果を踏まえつつ、今後も引き続き、第二次沖縄振興開発計画(沖縄振興開発特別措置法)の制度を活用しつつ、同時に読谷の地域特性を生かした村政を基本に、清新活力ある村づくりを目指し、諸施策の展開に全力をつくす考えであります。
今年は県民が悲惨な沖縄戦を体験して以来三八年目になります。米軍支配を断ち、日本復帰をし新生沖縄県が誕生して十一年目を迎えることになりました。そこで、復帰後の十年間の社会の動きを総括し、これからの村づくりを展望していくことは、きわめて重要なことであります。
戦後、沖縄県民が一貫して求めてきた運動は、「平和憲法の下への復帰」でありました。その復帰は県民の熾烈な運動によって実現したものでありますが、日本の政治状況は、決して平和な方向へ動いている、とは言いがたい現状であります。沖縄県内も含めて、太平洋戦争の尊い犠牲と教訓を忘れて、戦争への道を容認し、軍備拡張に加担する戦争勢力が日々鮮明になり、改憲論や、軍備増強及び教科書の改ざん問題等、きわめて憂慮すべき事態であり、近隣アジア諸国から指摘されるなど誠に残念といわざるをえないのであります。
更に、県内における最近の厚生省の戦没者遺骨発掘作業の実態や、中国在任残留孤児の肉親探しなど、正に戦争の悲惨さ、残酷さの状況を、事実をもって私達につきつけており、何万言の言葉をもってしても、それを否定したり、おおいかくすことは出来ないのであります。そこに私達日本国民として、平和憲法を擁護しなければならないという義務と責任が生まれて来るのであります。
復帰後も、依然として米軍基地からの基地被害、演習被害はあとをたちません。安保条約や地位協定が沖縄県民の生活権、幸福権、環境権より優先されることがあってはいけないのであります。基地の島沖縄は、内外の政治及び軍事情勢の影響をもろに受け、県民の生命や生存そのものがたえず不安にさらされている島であるという自覚的現状認識
※写真「115回村議会定例会 昭和58年度村政諸施策の審議を行う」は原本参照