読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1985年4月発行 広報よみたん / 5頁

五度び声高らかに「平和宣言」平和で明るい豊かな文化村づくりを目指す 昭和60年度施政方針 4本年度の実施事項 (1)学校・社会教育並びに文化活動等の振興に関する施策

〔299号2~4ページの続き〕

い継承と次代の新しい文化創造への礎が築かれてまいりました。村民の間にも文化活動を通して地域社会に対する深い認識と愛着の念が生まれ、村づくりの精神的エネルギーが蓄積されてまいりました。今後とも村民が相協力し、新しい文化の芽を育てること、即ち文化の土台を築き上げていく環境づくりが重要であります。
 本年度も資料館を中心とした文化遺産の収集、発掘、展示、保護、民具調査及び収集活動、読谷村年中行事調査、年報及び紀要の発行、民話集の編集及び調査などの事業を進めてまいります。
 座喜味城跡の復元事業につきましては、すでに完了し周辺の環境整備事業が三年目に入ります。本年度は、その最終年度にあたり植栽や指定地域の杭打ちの外、整備報告書の作成をしてまいります。復帰後、沖縄における最初に着手された城跡文化財の修復事業であり、その完成された偉容さは県内でも屈指の城趾と云われ、村民が最も誇りとする座喜味城であります。
 村民活動の総合的な発表の場である「読谷まつり」は第一一回目を迎えます。過去十年のまつりをふりかえってみますと、各部落に伝わる数々の伝統芸能文化の発掘、伝承、継承、発展へと、また児童生徒から青年、老人にいたるまでの種々の創意的な発表など数えれば枚挙にいとまがありません。
 「読谷まつり」にかける村民の情熱は他市町村ではみられぬもので、読谷文化を象徴する催しであります。十年を節目にまつりの成果をまとめる記念誌を発刊し、将来の村づくりの貴重な資料の一部に資していくものであります。本年度も村民相互の融和と親睦を目標に、読谷村発展の原動力として内容も充実した有意義なまつりを開催したいと思います。
 「村史」編集事業は五年目に入り、これまで新聞資料と文献資料の収集の作業を進めてまいりましたが、新聞資料の収集が出来ましたので、その資料編の発刊をしてまいります。
 読谷における文化芸術活動を盛り上げるための「アンデパンダン展」は年々出展者も増え、村民の各部門にわたる創作活動の成果があらわれてまいりました。心豊かな村づくり、村民自らの美術工芸等の創作活動を発表する場としての「アンデパンダン展85」を進めてまいります。
 日本の秀作絵画美術作品が読谷村内で鑑賞できる成果は、きわめて大きく、よりよい作品を見せる機会を作り子供連の情緒を豊かにする面と、村内の創作活動への波及効果等をも考えて今年は、「第五回動く美術館」の開催を推進してまいります。
 このような諸文化活動を通して村民一人一人が20世紀後半の文化の創造者という認識をもって、21世紀の批判に耐え得る村づくりを志向しなければなりません。「人が通れば道となる、その道がやがて文化となる」といわれます。私達の努力した道がやがては文化となるのであります。
④文化村づくりの新たな原動力としての展開
 私は、ここで村民各位に対しあらためて特別報告を申し上げると共に、新規の構想を提起して参りたいと思います。
 動く美術館第四回読谷展が二月十日から二四日まで開催され、村民をはじめ村外からも大勢の参観者がつめかけ、連日にぎわいました。
 特に、村内各小中学校では振り替え授業で児童生徒に日本洋画壇の秀作を鑑賞する機会をつくりました。よりよい作品を直接見ることができる成果は誠に大きいものがあります。
 子供達の胸に大きな感動と大きな夢を与えることが出来たものと確信しております。同時に会場を訪れた大人の人々にとっても同じことが言えるのであります。
 さて、動く美術館は開展十周年を迎えたのでありますが、それを記念して、第二次大戦で多くの文化文物を失った沖縄の地に絵画を増る準備が進められていたのであります。
 南海の島、沖縄の地で自治体として「文化村づくり」を叫び、模索し続けていた読谷村民の心意気が、東京におられる先生方の心にも伝わるようになったのであります。
 そこでこのたび、動く美術館の運営委員長であり美術評論家・川島博先生の御厚意と、日本洋画壇の巨匠であり、日展参与であられた堀田清治画伯の御厚意と村民に対する共感と深い励ましの意味をこめて「堀田清治画伯の感動の名作お点」と、川島博先生より「読谷村文化振興基金として五百万円」という大量、多額のご寄贈をいただくことになりました。
 先ず、そのことを村民各位にご報告申し上げると共に、ご両人をはじめ関係者一同に対し、読谷村民、満腔の謝意を表する次第であります。
 今回のことは、正に歴史的な快挙であります。文化村づくりを志向している本村にふさわしい大きな贈物となりましたが、村民のこの喜び、この感激、希望にもえた情熱を今後の新しい文化創造への原動力にすると共に、これを契機に本村の文化村づくりを、更に、飛躍発展させる必要があり、そのために、志は高く、視野は広く、心は豊かに、文化の道を共に築き、共に歩もうではありませんか。
 動く美術館の会場を訪れ、鑑賞した読谷村民の間に「文化的興奮」の渦がわき起りました。老若男女を問わず、訪れた人々は、喜びの心、感謝の気持をおさえきれないありさまでありました。そして異口同音に「よかったですね!」、「迫力のある作品ですね!」、「どのように保管するのですか」、「どのように活用するのですか」、そして最後に「美術館を作らなければいけませんね!」と、うれしさを率直に表現しあっておりました。
 一月二五日、故堀田清治画伯のご令室栄子様は、読谷村役場を訪問され、職員に対し次のようなごあいさつをされました。「沖縄に心を寄せていた主人の絵が、読谷村に集中させていただきありがとうございます。堀田清治の絵がある読谷村は私の心のふるさとです。これから時々、絵を見に参りますのでよろしくお願いします。」と、親しみをこめて語られたのであります。
 私は、ここで村民各位に新たな提起を申し上げたいと思います。
 読谷村の歴史はじまって以来、これほど大きな文化遺産(新たな原動力)が贈られたことは、かってないのであります。今回の意義の大きさ、功績の大きさを考え合わせた場合、読谷村民の感謝の総意として「名誉村民」の制度を検討していくことを明らかにするものであります。
 これからの新しい展開として、今回の寄贈作品を含め、村内及び県内その他の作品等も収集し、近い将来「美術館」の建設を具体化するための調査を進めていく考えであります。美術館が実現することによって、読谷村の文化村づくりの内容が一層充実するのみならず、見る機会に恵まれない地方にあって、「よりよい作品を、より多く見せる」条件整備ともなるものであり、それは大人や行政の責任であろうと思います。
 文化の香り高い村づくりを一歩一歩進めることによって、そこに住む人々に誇りと、夢と希望を与えることになり、自信と勇気を抱かせ、21世紀へ大きく逞しく生きていく人間の育成に

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