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1985年4月発行 広報よみたん / 13頁

金城次郎氏が人間国宝に やちむん一筋六〇年陶芸の頂点を極める 金城次郎陶歴

金城次郎氏が人間国宝に やちむん一筋六〇年陶芸の頂点を極める
 沖縄の伝統工芸、やちむんを守り育ててきた金城次郎氏が今回人間国宝(重要無形文化財保持者)の認定をうけました。
 「琉球陶器の幅広い技法に精通し、それらの技術を朽みに生かしたおおらかで躍動感あふれる作品を制作している」ことが認められたもので、金城次郎氏は十二才の時に壷屋(那覇)の制陶所に入って以来、六十年間陶芸一筋に打ちこんでこられました。
 線彫魚紋、海老(えび)紋など、おおらかで躍動感あふれる独特の作風を開拓し、四七年に県指定の無形文化財「沖縄陶器」の保持者、五十二年には「現代の名工」となりました。
 人間国宝はすぐれた伝統的な芸能、工芸技術を指定するものであり、戦前戦後を通して沖縄から初めて金城次郎氏が認定をうけることになり、沖縄陶芸の水準の高さと氏の卓越した技術が最高のものという評果をうけるものです。
 金城次郎氏は、登窯を求めて昭和四七年一月五日に読谷村に窯場を求め緑に囲まれた静かな座喜味の地で登り窯の火を燃やし続けてきました。
 沖縄のヤチムンは古くは中国、朝鮮、薩摩などから伝わり、それぞれの技法が沖縄の歴史と風土の中で青くまれ、独特の陶器として受け継がれてきたものです。
 特に沖縄では琉球王朝時代から薩摩の支配、太平洋戦争後の米軍統治とむしろ過酷な歴史的背景の中にあって「半農、半陶」といわれた時代を耐えてきたのです。
 六十年の金城次郎氏の陶芸生活も決して楽なものではなく、島内消費だけであった戦前は製品が全く売れない日々が続いたり、ようやく陶工として独立した頃戦争ですべてを失うなど苦労の連続でありました。
 しかし、それでも陶芸一筋に打ちこんだ金城氏のやちむん(ヤキモノ)への愛情は深いものがあり、それだけに今回の人間国宝の指定は大きな喜びとなりました。
 いみじくも本村は、那覇壷屋焼の母体を成してきたといわれる「喜名焼」の地であり、登り窯に執念を燃やし続けてきた金城氏の行きつく所となったわけです。
 文化村づくりを進めている本村は「潤いのあるまちづくり」で昨年自治大臣表彰を受け、今またさらに、人間国宝、金城次郎氏の誕生は、正に読谷村民の大きな喜びであり沖縄県民に自信と勇気、誇りを与えるものです。
 これらの歴史的快挙は読谷村のめざす「人間性豊かな環境、文化村」づくりの大きな骨格となり新たな原動力となるものです。

金城次郎陶歴
大正十三年(一九二四)二月、壷屋で陶器を習う。
昭和二十年(一九四五)六月、沖縄戦終結、十月頃、壷屋の開放、窯業の復興はじまる。
昭和二十一年(一九四六)一月、那覇市壷屋に窯場を開く。
昭和二十九年(一九五四)三月、第六回「沖展」に工芸部門の新設により出品(以後連続出品)
昭和三十年(一九五五)四月、国展初入選
昭和三十一年(一九五六)四月、第三十回国展において新人賞受賞。十二月、龍門司窯、益子窯を視察。
昭和三十三年(一九五八)ルーマニア国立民芸博物館に、”抱瓶”と”魚文火皿”の二点永久保存される。
昭和三十七年(一九六二)七月、沖縄民芸展(東京)出品。十二月、丹波の窯を視察。
昭和三十八年(一九六三)三月、沖展創立十五周年にあたり感謝状受く。
昭和四十年(一九六五)十二月、小鹿田、小石原の窯場を視察。
昭和四十一年(一九六六)明治神宮例大祭奉祝第四回全国特産物奉献式に”長型花瓶”献納。
昭和四十二年(一九六七)二月、第一回沖縄タイムス芸術選賞大賞受賞。
昭和四十三年(一九六八)四月、日本民芸館同人選現代沖縄民芸展に出品。
昭和四十四年(一九六九)四月、第四十三回国展において会友優作賞受賞。日本の名匠「神々の器」壷屋の陶器-金城次郎-撮影(制作NET・日経映画社)十一月、日本民芸館賞受賞。
昭和四十六年(一九七一)六月、第一回日本陶芸展”日掛魚文線大皿”入選、海外巡回展。
昭和四十七年(一九七二)十月一日、読谷村座喜味に窯を開く。十一月二十一日、沖縄県無形文化財(技能保持者)に認定される。
昭和四十八年(一九七三)一月、読谷村壷屋窯展開催。四月、国展会員となる。五月、日本民芸代表作家展出品。
昭和四十九年(一九七四)三月、日本陶芸巨匠大展に”双魚文大皿”、”海老大花瓶”、”三彩蓋物”三点出品。十月、沖縄の工芸展(京都国立近代美術館主催)に”蓋物”他出品。十一月、沖縄県指定無形文化財工芸展に”海老文大皿”他五点出品。
昭和五十一年(一九七六)九月、現代の陶芸本発行外九名。十月十五日、秩父宮妃殿下読谷御来島。
昭和五十二年(一九七七)十一月十日、現代の名工労働大臣賞表彰される。十一月十五日、ギリシャ展、パリ、オランダ見学。
昭和五十三年(一九七八)五月、文化シリーズ東京NHK美をさぐる。焼物紀行第六回沖縄の器放映。
昭和五十六年(一九八一)四月、勲六等に叙し瑞賓章を授与される。
現住所 読谷村字座喜味二六七七番地
電話  〇九八九五(八)-四六〇四

※写真「陶芸一筋」、「金城次郎氏と喜びあう」は原本参照

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