④ 畜産業の振興
畜産につきましては、これまで施設の集団化や移転事業などで畜産経営の環境、生産条件の整備に努めてまいりました。しかしながら円高や畜産物の輸入枠拡大など国際情勢の変化にともない、農畜産の振興はわが国の大きな課題となってきております。
このような国際情勢に対応していくためには、生産コストの低減や品質の向上、さらには生産調整なども必要となっているところであります。村内における生産態勢を充実させ、優良種畜の導入や飼育管理の向上、経営内容の効率化等を推進する。さらに農家交流を通して相互の生産持術向上をめざした畜産まつりに助成するなど生産コストの低減化や品質の高い畜産物の生産振興をはかってまいります。
⑤ 漁業の振興
漁業の振興策としては、これまで漁業生産の基本的な施設である漁港の整備や漁業近代化施設などを整備し、漁業経営の改善に努めてまいりました。
漁業を取りまく環境は漁業資源の減少にともない、漁獲高の低迷が続き多くの課題をかかえております。昭和六二年度は定置網替え網と無線機購入への助成、さらに年度途中で水産業構造改善特別対策事業を繰り上げ実施し、巻揚げ機を設置してまいりました。今年度も村の単独補助事業によって近海漁場開発のため、パヤオ魚礁の設置及び大型定置網用船舶のエンジン買い替えに助成をいたします。さらに、今後の水産動植物の増養殖の態勢づくりをめざし、関係者との話し合いを進めてまいります。
一方、漁業振興の基本的な施設であります漁港の整備については、第八次漁港整備五か年計画が今年度からスタート致しますので併せ
てその推進をはかってまいります。
⑥ 商工・観光の振興
商工業を取り巻く状況は、国の内需拡大策によって一定の景気回復の兆しはみえるものの、依然として円高・ドル安による景気への不安要素は残っているのであります。
このような状況の下で商工会を中心に行政、地域の経済団体等が職種、業種をこえて相互の連携の下に地域活性化のための自助努力が展開されております。具体的に申し上げますと、昭和五九年度において商工業のビジョンづくりがなされ、それを受けて、昭和六〇年度に提言の実現検討委員会の発足、昭和六一年度に地域小規模活性化事業、昭和六二年度にはムラおこし事業と継続的に取り組まれてまいりました。この地域経済活性化の動きは、農村婦人の家の共同利用施設を活用した新しい特産品の開発や、観光等への取り組みにもみられるように活発化してまいりました。また、商工会は地域経済を支える先導的役割を担うものとの共通認識のもとに、その運営に助成してまいりましたが、今後も助成を継続し商工会の組識の充実強化を推進してまいります。
一方、観光については、これまで歴史民俗資料館、伝統工芸センター、共同販売センター、座喜味城跡の復元等文化施設の整備と残波岬いこいの広場を中心とするレクリェーション施設の整備など、拠点整備を実施してまいりました。そのことによって、村内の観光ルートが「カルチャービューロード」(文化の観える道)として確立されたものと考えております。
また、大型リゾートである沖縄残波岬ロイヤルホテルが七月にオープン予定であります。さらに、読谷リゾートの計画も進んでおり、本村の観光拠点の整備が進みつつあります。
⑦ 伝統工芸の振興
本村には伝統的工芸品として読谷山花織、ヤチムンがあります。
この二つの伝統工芸品は、一四・五世紀頃の南蛮貿易によって伝えられたといわれ、今に生きつづけ生々発展をとげてきております。伝統工芸品は、庶民性、文化性、産業性、芸術性を合わせ持っており、地域を表現する顔ともなります。
今では、県内外に広く知られる村民共有の財産であります。
読谷山花織については、これまで伝統工芸総合センター(花織会館)の建設や地域工房を楚辺、座喜味、波平に建設し後継者の育成、中堅技術者の研修、製品開発研究など様々な振興策をはかり、生産性の向上、製織技術の高位平準化を進めてまいりました。
一方、ヤチムンについては、昭和四七年に那覇壷屋から金城次郎氏をお迎えし、その後、昭和五四年のヤチムンの里の建設が契機となり、現在では村内に一八窯元が立地し、沖縄の陶芸を支える村として発展しております。
今後は、この伝統工芸を正しく受け継ぎ、さらに村民の生活の中に定着させ、文化村の一翼を担い、真の伝統工芸品づくりを推進することにより、二一世紀の新たな読谷文化創造へ展開させていきたいと考えております。
(3)社会福祉増進のための施策
福祉行政は広範なものでありますが、村民が互いにたゆみない努力を重ね、一歩一歩目標に向かって進めていくことが大切であります。
これまで、総合福祉センターを活動拠点にして、社会福祉協議会、各種団体、ボランティアグループ、さらには地域住民の協力を得て様々な形で活動、実践されております。今年度も引き続き村内外の多くの方々の深いご理解と温かな善意で各種団体等が手を取り合って、老人福祉、心身障害者福祉、児童、母子福祉、生活保護世帯の自立更生指導など社会的弱者の福祉向上をはかってまいります。
また、健常者の健康維持、増進にも努めてまいります。
老人福祉につきましては、高令化社会が進展している今日、年々増加する一人暮し老人や寝たきり老人など、介護を要する老人に対処するためインターホーン及び福祉電話の設置、ならびに健康飲料の給付などで安否の確認や孤独感の解消をはかるとともに、家庭奉仕員や介護人の派遣など、きめ細かな在宅福祉を実施してまいります。また、老人保健事業の実施と特別な介護を要する老人のための特別養護老人ホームの設置を引きつづき働きかけてまいります。
それから、健康で生きがいのある老後の生活をより豊かに送っていただくため老人クラブの育成、各種サークル活動の育成指導をはかりつつ、ボランティア活動などへの社会参加を推し進めてまいります。
心身に障害をもつ人たちにつきましては、各種福祉事業とあわせて働く場、学ぶ場を提供し必要な技術を習得させるなどで自立更生、社会参加を促してまいります。
その条件づくりとして「よみたん福祉作業所」が設置されており、今年も引き続いてその運営に対し、助成してまいります。
一方、精神薄弱者(児)福祉につきましては、かりゆし学園の運営をはじめ、これまで、施設の一環であります作業棟、農業実習園の整備に助成してまいりましたが父母の会、ボランティアの皆さんが園児の自立と社会性を養うため日々頑張っておられますので、その活動賛の助成を行い活動内容の充実を推進してまいります。
児童、母子福祉につきましては保育に欠ける児童の福祉の増進をはかるため保育事業の内容の充実をはかり、また、社会福祉協議会と提携し障害児母子通所「ふくぎ」の保育事業へ運営賛の助成を行うなど障害児保育を推進してまいります。さらに、母子寡婦福祉会の育成強化をはかるとともに、母子福祉資金の貸付制度の活用を促し、母子寡婦福祉の向上に努めてまいります。
人間の幸せの第一条件は健康にあります。そこで、村民の健康づくりの態勢を整えるとともに村民自身も自らの健康づくりに取り組まなければなりません。
保健事業の一分野を担う診療所の役割は大きく、これまで住民検診をはじめ各種の予防接種、職場検診、人間ドック、さらに、老人保健事業、母子保健事業、健康意識啓発事業等を実施してまいりました。
今後も診療所は村民の健康管理センター的役割を果たす場所として、健康増進、疾病予防など予防医療の充実強化をはかりつつ他の医療機関と連携を密にし疾病の早期発見、早期治療を促進してまいります。
また、保健婦の住民を対象とした保健活動の成果を集約し、庁内連絡会議で積極的に対応策を検討し、保健活動の充実をはかってまいります。
さらに、村民の健康意識の高揚をはかるため新たに「健康展」を開催し、村民が健康で明るい生活が営めるよう努めてまいります。
※続く。