環境保健課に浅黒い顔にさわやかな笑顔を浮かべた二人の青年が入ってきました。保健婦の「元気で頑張っていますか?」の問いかけに「ハイ」と少々はにかみながら二人はうなづきました。照れた表情ではありましたが、仕事にうち込んでいるたくましさと、充実
した毎日を送っているたしかさを感じずにはいられませんでした。
実はこの二人、「心の病」を患いながらも毎日、薬を飲んで就労している喜名出身のTさんと都屋出身のNさんなのです。不幸にして「心」に何らかの障害をもった人々が偏見やべつ視にさいなまれ、孤立しがちなこの社会の中で就労となると並たいていなことではないと思います。そんな中、喜友名さん(牧原出身)という良き理解者の現れで二人は、水タンク清掃業の仕事につくことができたのです。喜友名さんは、日焼けした精悍な顔に柔和な目の持ち主でその瞳からはやさしい人柄がうかがえる方です。二人は、病院の外来受診日以外はほとんど喜友名さんと一緒に仕事にはげんでいます。これからも体に気をつけて頑張ってほしいと思います。
「この病気を患ってしまったのはしかたないことだが、でも、せめて世の中の人々に受け入られ理解されながら、人として当たり前の生活が送れたらどんなにいいでしょう…」と話していたある患者さんの言葉が常に私の心に残ります。この当たり前の生活を今、家族や地域の人に支えられながら過すことのできるTさん、Nさん。
「心の病」で悩んでいる皆さんと御自分のためにも頑張ってほしいと願います。今後保健婦も家族同様に二人を温かく見守っていこうと思います。