読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1990年4月発行 広報よみたん / 7頁

(2)産業・経済の振興に関する施策

中心とする構造政策が柱になって今日まで農業政策が進められておりますが、国際的な経済環境が厳しさを増す中で農産物輸入自由化の波がおしよせ、日本農業を取り巻く状況は大きな転換期にさしかかり、厳しい場面に直面しております。
 沖縄の農業は、復帰後、種々の振興方策がかかげられ、諸制度を活用して、かなり勢力的に農業生産基盤の整備がなされ、農業の展望が開けつつあるものの、課題も山積しております。
 農業は国民の食糧を担う大切な産業であります。したがいまして、現在の国内外の農業事情に適切に対応していくには、国際競争に耐え得る農業の確立を推進していかなければなりません。そのためには、まず土地改良事業を中心とする農業生産基盤の整備は必須の要件であります。村といたしましては、これらの課題に対処すべく、農業生産基盤の整備を強力に推進してまいりました。昭和五一年度に導入されました座喜味地区の土地改良総合整備事業を皮切りに、渡具知地区、西部達道地区、渡慶次地区、浜屋地区、萩川地区、波平地区と総面積二二二・九ヘクタールの圃場整備を実施してまいりました。
 今年度は平成元年度で新規採択されました宇座地区と継続の萩川地区、波平地区の事業を実施するとともに、池之当地区の新規採択に努めてまいります。

イ 荻川地区土地改良総合整備事業
 本地区は事業導入六年目を迎えております。平成元年度までに二九・三ヘクタールの圃場と三、二四六メートルの農道、四、五三〇・九メートルの排水路が整備されました。本年度は基幹農道、支線農道、排水路の整備を実施してまいります。

ロ 宇座地区土地改良総合整備事業
 本地区は平成元年度に新規採択された地区であります。本年度は六・四ヘクタールの圃場整備と一、一〇ニメートルの支線農道、九七ニメートルの排水路を整備してまいります。

ハ 波平地区、県営畑地帯土地改良事業
 本地区は県営事業として昭和六〇年度に事業が導入され、平成元年度までに十一・五ヘクタールの圃場が整備されました。本年度は一五・八ヘクタールの区画整理を行うことになります。

二、県営灌概排水事業
昭和五七年度から始められた長浜川ダムの建設工事は、平成元年度よりダム主体であります堤体工事に着手されました。今年度も引続き堤体工事が実施されます。そこで、今後二八○ヘクタールの末端受益地区となります各地区の灌慨排水事業の実施に向けて、水利組合の結成等の体制づくりを推進してまいります。

②農業構造改善及び地域農政の推進
 県内の農業は、復帰後積極的に推進されてまいりました面的生産基盤の整備や施設型の近代化施設の設置等が効を奏し、しだいに亜熱帯の気候を生かした農業経営が拡大しつつあります。しかし、経営規模の零細性や特殊病害虫の問題等からくる多くの課題を抱えており、本土農業との格差はまだ大きなものがあります。
 これからの農業は、国際的な農業の確立をめざしていかなければなりません。そのためには特殊病害虫の駆除はもとより地域農業の組織化を促進し、自然条件を活かした収益性の高い作目への転換、土地生産性の向上対策などが望まれているところであります。村といたしましては、これまで農業構造の改善をはかるため第一次、第二次さらに、モデルの事業を導入して種々の施設等の整備をはかってまいりました。そして現在第三次の農業構造改善事業により、農業経営の安定向上に努めております。
 今年度は、これまで個人経営で営まれていた観葉植物の生産を集団化し、農地の有効利用と栽培技術の提携、品質向上をはかり、産地化の形成をめざすため生産組織施設整備事業を実施してまいります。また、本村の花卉生産額は農業粗生産額の十五パーセントを占め、生産量も順調な伸びを示しており、花卉専用の集出荷施設を整備し、共同販売体制の確立に努めてまいります。併せて農業振興総合推進体活動事業など推進事業も実施してまいります。
 さらに、地域農政推進対策として今年度も引き続いて、農用地経営規模拡大促進、農用地流動化斡施などを推進し、農用地利用の適正化、農業の担い手の育成をはかります。
 健全な農村環境の整備をめざし、昭和六三年度より進めております渡慶次、儀間地区の農村基盤総合整備事業は、今年度で集落内の道路改良工事一、〇四一メートルと農業用排水路五二七メートルを整備してまいります。また、地域住民のいこいの場となり農村コミュニティーの醸成につながる渡慶次、儀間の農村公園の実施設計を行ってまいります。

③ 畜産業の振興
 国際化時代を迎え、世界の貿易ルールは国境障壁を取り除く方向にあり、農産物十二品目の輸入自由化が決定されました。自由化が日本農業に与える影響は大きく、畜産業もまた大きな転換期を迎えたと言わざるを得ません。
 国としても農産物の輸入自由化に対抗して、価格対策や経営安定対策などを実施することになりますが、畜産農家におきましても飼養管理技術の向上や粗飼料自給率の向上等、これまで以上に生産コストの低減や省力化をはかり、国際競争に立ち向かう畜産経営が必要となります。
 本村におきましても温暖な気候条件を積極的に活用し、優良飼料作物の選択、優良種畜の導入、防疫対策の強化、その他各種制度

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