読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1990年4月発行 広報よみたん / 8頁

(2)産業・経済の振興に関する施策

の有効的な活用をはかるとともに、農家相互の連携による経営意識の高揚を促しつつ畜産業の振興をはかってまいります。

④ 漁業の振興
 国外からの水産物の輸入量の増大や、近海における漁業資源の減少など漁業を取り巻く環境も多くの課題を抱えております。
 このような漁業環境を背景に県内漁業は、捕獲漁業からつくり育てる漁業へと着実に変化し、経営の安定化をめざしております。
 本村におきましては、これまで漁業生産の基本的施設である漁港の整備を促進する一方、近代化施設の整備、その他漁業用機具等への助成を実施してまいりました。
 昨年度から増養殖に対する具体的な調査・研究の取り組みがなされております。本年度も引き続いて、増養殖事業等に向け漁業協同組合を中心に調査・研究活動を推進してまいります。
 本村漁業の中心をなす定置漁業については、大型定置網の染め替えへの助成を実施し、さらに、漁船漁業の振興をはかるため本年度より小型漁船の購入費補助を新たに設け漁業経営の拡充をはかってまいります。他方、第八次漁港整備計画に基づく漁港の整備を促進するとともに、オニヒトデ等有害水産動物の駆除に努め、漁業生産の拡大をはかってまいります。

⑤ 商工.観光の振興
 国際社会は歴史的変革の時期を迎え、経済のグローバル化が著しく、重大な岐路に立っております。
 このような国際環境下でウルグアイラウンド(新多角的貿易交渉)に見られるように農産物を中心とする日本市場への開放要求が強まり、一方では主要国が保護主義化に動いております。
 これらを背景にわが国は、内需主導型の経済政策をかかげ、個人消費と民間設備投資等を中心とする景気拡大が続いております。
 県内においては、観光産業が好調に推移しているものの県内の経済構造は不安定要因を抱えております。
 このような内外の状況下で、商工会を中心に行政及び地域の経済団体等が業種、職種をこえて相互の連携の下に、商工業の発展と地域経済の活性化のため自助努力を展開しております。昭和五九年度の商工業のビジョン設定を契機に地域活性化事業が継続的に進められ、昭和六二年度の村おこし事業での特産品の開発、さらに、昭和六三年度においては、開発された特産品と既存の特産品の販路開拓支援事業が取り組まれてまいりました。これらの地域経済活性化事業は、一次産品に付加価値を加え、新たな読谷村の物産づくりをめざし、その加工と流通を村民の手でつくろうとするものであります。それらの物産をリゾート観光と結びつけることによって、市場の確保をはかり販路の拡大をめざしてまいります。
 昨年度は、第三セクター方式による地域活性化の調査・研究が行われました。今年度はこれらをさらに一歩前進させるため、第三セクター設置の体制づくりに助成してまいります。 このように商工会は、地域経済を支える先導的役割を担うものであり、商工会運営に助成を継続するとともに組織の充実強化を促進し、商工業の発展に努めてまいります。
 一方、観光については、これまで残波岬いこいの広場等のレクリェーション施設及び文化施設等を整備し、その拠点づくりを実施してまいりました。また、リゾート施設として沖縄残波岬ロイヤルホテルがオープンするなど沖縄観光を支える拠点づくりが達成されつつあります。
 また、今年誘致された福岡ダイエーホークスの春季キャンプは、村としては全国でも唯一のもので選手、球団関係者をはじめ報道にたずさわる人々が一ヶ月間に約二千人訪れております。キャンプ地情報は、全国向けのテレビ、新聞等のメディアで連日の報道がなさ
れ、全国的に読谷村をピーアールしております。その効果は、今後の読谷観光の発展につながるものと大きく期待されるものであります。
 さらに、もう一つの大型リゾートであります「沖縄うみの園」の計画も進んでおり読谷村が県内でも有数のリゾート観光地となることが予想されます。ちなみに、昨年の読谷村観光入込客数は約三〇万人でありました。
 このように、本村も沖縄県の観光拠点の一つとして生々発展しつつあることから、今年度も観光施設整備事業として残波岬いこいの広場の遊歩道、休憩所等の整備をはかるとともに、観光地修景緑化事業、観光案内標識整備事業を実施し、地域の自然、歴史、文化を活かした観光産業の発展をめざし
てまいります。

⑥ 伝統工芸の振興
 本村には、伝統工芸品として読谷山花織、ヤチムンがあります。この二つめ伝統工芸品は十四、五世紀頃南蛮貿易によって伝えられたと言われ、地域の文化と融合し連綿としてその技が今に生き続ける文化的遺産であります。伝統工芸品は手仕事の中で庶民性と文化性を持ち、併せて経済性、産業性を兼ね備える村民共有の財産であります。
 それは、その独自性、創造性から個性豊かな地域づくりの先導役として地域活性化の動きを起こし、内外にヒューマンネットワーク(人間の輪・交流)を創出する役目も果たしてきました。
 村といたしましては、これまで読谷山花織、ヤチムンを文化村、づくりの柱に位置づけ、積極的な振興策をはかってまいりました。
読谷山花織については、拠点となる伝統工芸センターの建設をはじめ生産拡大、技術向上のために楚辺、座喜味、波平の地域工房を建設し、さらに、読谷山花織事業協同組合運営補助や後継者の育成、

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。