三、復帰二十周年と第三次沖縄振興開発計画
今年五月十五日、沖縄が日本の施政権下に復帰して二十周年という歴史的な節目の日を迎えます。復帰時の日本政府の国民への公約でありました「核抜き本土並み返還」は未だ実現されておらず、本土との格差是正の問題、基地問題など戦後処理、復帰処理の課題が依然として未解決のまま残っていることに対し、日本政府の道義的、政治的責任を問うものであります。
我々読谷村にとって、その最たるものが読谷飛行場問題であります。現在、沖縄振興開発特別措置法の十年延長の国会審議が行われており、それを受けて沖縄県は、第三次沖縄振興開発計画案を策定中であります。この千載一遇の機会に読谷飛行場転用計画を第三次振計の中に位置づけができるよう全力を尽くしているところであります。
国、県においても沖縄県の復帰二十周年を意義づけ、諸事業が予定されているとマスコミは伝えており、県民、村民は復帰二十周年事業に深い関心を寄せております。本村も、一復帰二十周年を記念して、いくつかの事業を実施していきたいと思います。
ところで、沖縄の歴史・文化の象徴ともいうべき首里城正殿の復元工事も進み、その完成と合わせて、NHKエンタープライズ制作の大河ドラマ「琉球の風」の「進貢船」を中心とする中国と琉球との貿易のロケ地として、我が読谷村に決定を見ました。また、残波大獅子太鼓のニューヨーク公演、読谷高校のソフトボール部、野球部の全国大会への出場等、復帰二十周年にふさわしい快挙であり、読谷村民のアイデンティティーの発露だと喜んでいるところであります。
このように、読谷村民が額に汗して頑張っている姿こそが読谷村の地域活性化であると同時に、村づくりであり、人づくりに結びつくものだと思います。
四、本年度の重点事項
一九九二年(平成四年)度の重点事項は次のとおりであります。
一、教育及び文化の向上
一、産業経済の振興
一、保健・医療及び社会福祉の充実
一、生活環境の整備推進
一、平和行政の推進
一、読谷飛行場転用計画の推進
一、国道五十八号嘉手納バイパスの建設促進
一、役場庁舎建設計画の推進
一、残波岬等公園の整備
一、比謝川沿岸の整備事業の推進
一、公共下水道整備事業の推進
一、緑化事業の推進
一、復帰二十周年記念事業の推進
五、本年度の実施項目
次に一九九二年(平成四年)度の主な施策の概要を申し上げます。
(1)学校教育、生涯学習の充実並びに地域文化振興に関する施策
二十一世紀を展望して、平和で豊かな活力ある文化村づくりを実現するためには、まず創造性に富み、社会の変化に対応し得る人材の育成が必要であります。すばらしい文化の創造や平和な社会の建設も、すべては人間個々の情熱とたゆまぬ努力によってできるものであります。したがって、村づくりの基本は「人づくり」であり、その主役はまさに村民であります。
村民が生涯にわたって学び、習い実践できる環境を整備し、生涯学習社会に向けて学校教育、社会教育の充実をはかることが極めて大切であります。教育は百年の大計である、といわれております。現在の人間社会は、まさに高度化、多様化、複雑化の時代であり、このような社会状況下において、心豊かなすばらしい「人づくり」を進めることがますます重要性を帯びると同時に、私たちに与えられた大きな使命であります。
教育の諸活動をさらに進めていくために、本年度から教育行政機構の中に、新たに文化振興課を設け、教育文化行政のさらなる発展をはかってまいりたいと思います。
教育基本法の前文には、教育の基本理念は「民主的で文化的な国家を建設して、世界の、平和と人類の福祉に貢献し」「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざすものである」と教育の原理が示されております。
さらに、教育の目的は「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と謳われております。
教育行政は、この教育基本法の理念に基づき、教育環境の整備、学習指導の充実をはかり、また青少年の健全育成、社会教育の充実、スポーツの振興と体力の増進、豊富な地域文化の振興及び文化財の保護育成に努めることであり、さらに年齢冬期に応じた生涯学習で豊かな人間性の形成をめざし行政、学校、家庭、地域が一体となって、本年度も「人づくり」に努めてまいります。
①教育諸条件の整備
学校教育におきましては、児童生徒が伸び伸びと学習できる教育環境の整備が重要となります。同時に、教師と家庭、地域が一体となり、その使命感と情熱を傾注し、■十■世紀を担う子供達を教え導くための努力が必要であります。
今年度は、古堅中学校プール建設事業、喜名小学校ブロック塀改修工事、読谷小学校防音改造設計等の教育環境整備事業を推進してまいります。また、多様な音楽教育活動に必要な楽器や情報化社会に対応した情報教育機器の設置等、教育備品の充実をはかってまいります。併せて、副読本や三味線等ゆたかな郷土教材を採り入れた教育指導、体験学習か学校現場と地域の連携で実践され着実に根づいており、本村の自然、歴史、文化を活かした郷土の息吹に接する教育を一層推進してまいります。
②生涯学習並びに
社会体育の振興
国際化、情報化、高齢化と現代社会はまさに地球規模で多様化の時代であります。このような社会状況の中にあって、心豊かな人間形成を望む社会的要請は年々高まるばかりであります。また、物質的豊かさから精神的豊かさを求める時代でもあります。
この時代の要請に適切に応えるための社会教育事業は重大な使命を帯びており、地域と、体となって主体的、創造的、個性的に生涯学習に取り組む条件づくりが大切であります。そのため、各種学級、教室の開設、文化講座など生活課題に応じた様々な生涯学習の場を設け、その内容充実をはかってまいります。さらに、自主サークル活動や社会教育関係団体の育成に努めてまいります。
また、地域における活動の拠点であります部落公民館は、生活実感をともなったコミュニティーの場であり、青少年の健全育成や様々な住民活動が活発に行われております。これを支援するとともに、公民館長の県外研修や第十七回公民館まつり等を実施し、地域コミュニティーの発展をはかってまいります。
児童生徒の夢とロマンをのせた「北海道池田町・読谷村児童生徒交流事業」は今年で第十一回目を迎えることになります。この体験学習は、自然環境の全く異なる地域問交流であります。それは希望あふれる視野の広い人間形成の場となり、■十一世紀を担う若人に感動を与え、読谷村発展の礎になるものと期待しており、今年度も引き続いて実施してまいります。
社会体育事業につきましては、村民が健康で明るい社会生活を営むためのものであり、各種スポーツ大会や教室、スポーツ指導、指導者研修、スポーツ団体の育成に努め、生涯スポーツの定着をはかってまいります。これらスポーツ活動を充実発展させていくため、学校施設開放事業や運動広場、勤労者体育センター、平和の森球場、多目的広場等の効果的な利用をはかってまいります。