読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1995年2月発行 広報よみたん / 8頁

【見出し】「白い杖の日」の催しに参加して 古堅南小学校五年 城間悠子

 白い杖の日(十月十五日)にちなんで、私達古堅南小学校の五年生は、読谷村総合福祉センターに視覚障害者体験学習をしにいきました。
 まず、盲人卓球をしました。私は初めてなので話しを聞いてビックリしました。なぜならアイマスクをして卓球をするというのですから・・・・・・。
 でも、想像していたやりかたとはちがい、はずませるのではなく、ころがすのでした。自分はできるのか、だんだん不安になっていました。
 アイマスクをかけたとたん、目の前が真っ暗でした。音だけがたよりの卓球。「見る」ということができないだけで、こわさにつながることがよく分かりました。やっと、終わり、アイマスクをはずした瞬間、目の前の世界がまるで天国のようにまぶしくみえました。
 次は白い杖の体験です。私はいつも、おじいちゃんの手をひいて案内していたのでなれていましたが、案内される体験をしたことがないので、ワクワクしていました。しかし、実際やってみるとワクワクするどころかこわいのです。今まで目をたよりにしてきたのに、今度は、案内する人の声と手だけをたよりに歩くなんて初めてです。今、自分で自分がどこら辺を歩いてのか、どうしているのかも分かりません。こわさと不安な気持ちで、自分を見うしないそうです。だけど、それでも歩くのです。用心深く、一歩、一歩足をふみだします。おじいちゃんや、目の不自由な人はいつもこんな感じで歩いていたんだなと、体験して初めてきずきました。それまでは、不自由な人たちの気持ちを、深く考えたことなどありません。私は良いことをしていたなとしみじみ思いました。あとで、友達に聞いてみると、道に出たり、車にぶつかったり、草むらにはまりこんだりといろいろでした。ふつうの人は目で判断しているけど、目の不自由な人は、案内人や手足で感じたものだけで判断しなければならないのです。目の不自由な人が、このような不安をかかえていても力強く、勇気をもって生きていたことを知り、私は障害のある人たちを尊敬できるようになりました。みんな、健常者より数倍も、強く、たくましく生きているのです。
 この体験学習の後、私は福祉に興味をもち、視覚障害者について少し調べてみました。目の不自由な人を一人でも多く救うために、アイバンクというものがあるそうです。自分の死後、目の角膜を目の不自由な人にゆずるように、前もって登録しておく機関で、目の銀行と呼ばれています。アイバンクのねらいを知り、私も二十才になったら、登録して協力しょうと思います。目さえ見えれば、ふつうの人と同じようにくらせるでしょう。国や県や村も、これから福祉のために力をつくし、体の不自由な人のすごしやすい道路や階段の整備などのようなことを積極的に勧めていったらいいと思いました。体の不自由な人のための施設を造って、もっと体の不自由な人にも、幸福なくらしを保障してほしいのです。

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。