沖縄基地に対する米側の状況
(一)大統領と共和党の立場
変革と再生を求めて登場したクリントン大統領は国内経済再建のため、アジアにおける海外基地の整理縮小、再編計画で一〇万人の兵力を八万人に削減し軍事費の削減による国内経済再建を図る方針ですすめてきた。しかし、去る選挙で共和党が議会で多数を占めた今日、共和党は強いアメリカを主張、東アジア戦略、全方展開で兵力を一〇万人に戻す計画であり、兵力削減は厳しいものがあるとの印象を受けた。冷戦後も引き続き沖縄を日米安保体制の下、アジア戦略の要石として位置づけされていて、沖縄の基地の整理縮小、返還を実現させるためには、今後とも粘り強い県民運動又は地域運動の必要性を痛感した。
(二)アメリカ軍関係者の認識
狭い沖縄に七五%の米軍基地の存在は過重であり、さまざまな基地被害が発生、県民とのよき関係も保てない状況にあるとの沖縄側からの要請に対し、米側は「日本政府がそのように望んでいるからである。基地が危険性を伴っていることも、又住民が受けている危険性も理解出来る。しかし我々(米側)は日本の要請をうけ日米安保に基づき基地の提供をうけ安全を守ってあげている。アジアの平和のための駐留である」と日米合意による沖縄駐留との認識が根強く、爆音被害等に対しても「米軍の任務遂行上のコストという状態である。沖縄側の要求は日米安保とアジア戦略のなかに埋没されているのが実態である。沖縄の基地問題の解決は、日本政府がもっと動くべきであるとの姿勢を見せながらも、今回の要請を通して、米側に沖縄の基地問題に配慮する姿勢が見られるようになったのも事実である。
(三)ハワイ州知事の姿勢
ハワイ州知事ベン・力エタノ氏を表敬訪問した。初めに大田知事より昨年ハワイ州議会における沖縄の基地問題解決促進に関する議決のお礼を申し上げた後、ワシントンでの要請内容を説明した。ハワイ州知事は「沖縄の基地問題解決に力になりたい」と言明。続けてハワイの財政状況を説明、その中で「ハワイ州の財政は収入源として第一が観光収入、第二がパイナップル、サトウキビの農業収入であったが、サトウキビ農業が衰退し、その収入が減少、現在は基地収入が第二位で約二〇%の高い割合を占めている」「ハワイとしては基地の閉鎖が行われてきたが、これ以上の基地が縮小されるのをむしろ心配している」。基地があるのを望んでいて「沖縄基地の代替地として受け入れてもよい」と言明、両知事の間で、このような話し合いが交わされたので、要請団の中から「沖縄の基地を引き取って下さいませんか」との雰囲気であった。
(四)ハワイ読谷村人会との懇親交流会
ワシントンでの要請を終え、ハワイ空港に到着した時、読谷村人会の松田初子(八○歳)さんと上原進助さんが出迎えをして下さいました。松田さんは一行の労をねぎらうため、暖かい気持ちで、ランの花のレイを全員の首にかけて歓迎をして下さいました。ハワイ滞在中、村人会の皆様が、私達のために歓迎会を催して下さり、暖かいもてなしを受けた。村人会の皆様がハワイの地でしっかりと根をおろし頑張っている姿に接した。ともすれば日々の忙しさの中で、物事を合理的に処理しがちな生活スタイルの中にあって、ハワイの皆様の、昔ながらの変わらぬ優しさ、親切心に要請の疲れもいやされる思いがした。読谷村側から村長、議長が今回の要請内容を含め、読谷飛行場の転用計画、庁舎建設計画等近況報告をした。ハワイ村人会の皆様は、郷土読谷村を誇りにしており、今後とも我が郷土を沖縄一の村にするよう期待している旨の激励をうけた。最後に十一月の読谷まつり、世界のウチナーンチュー大会に是非参加し読谷を訪れたい。皆さんによろしくと、なごやかなうちに懇親をとじた。
一九九五年六月
【要請団】
読谷村長山内徳信
議長儀保輝和
随行島袋強