読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2002年11月発行 広報よみたん / 5頁

保育の窓三 南保育所 ありがとう さようなら

保育の窓三
南保育所
 ありがとう さようなら

 日本復帰と共に生まれた南保育所は、当初から涼しさと園庭を一望できる沖縄一の環境でこれまで六一〇名の子供たちが巣立っていきました。園周にできた道路工事で栴檀の緑の並木が失われた時、卒園児が泣いていたと親が訪ねてきて話された、「ここは心のふるさと」なんだと三〇年の経過とそれぞれの人生を思い、改築の喜びと寂しさを新しい変化を創出するものにしていかなくてはならないと深く感じました。
 九月十四日は園舎とのお別れを記念すべく第三十一回運動会と敬老会お別れ式を園舎を見おろす場所で楽しみました。「この保育園を壊して新しい保育園を作るんだよね」と二歳の百花ちゃんはおかあさんからお話を聞かされていて、聞いた通りに確かめるように保育者に話していました。そのことをいつか理解するものと信じています。この子たちと卒園児たちも保育所で培われた心、魂が元気よく世界へ羽ばたけと色とりどりの風船を天高く飛ばしました。南保育所「ありがとう。そしてさようなら。」集った人たちが心をひとつにした瞬間でした。「忘れないよ、いつまでも。」その日の午後は予定通りの引っ越しでした。日毎に姿を変えていく園舎をたっちゃんは「先生のお家、壊れているよ」と毎朝、その様子を報告にしてくれ、寂しい思いを伝えています。今、生き活き健康センターの二階で保育中、デイサービスのおじいさんおばあさんにご挨拶もしました。子供たちはまるで久しぶりのお友だちに会ったようにくっついています。交流会を通してたくさんの降り注ぐ愛をもらいたいと思います。
  南保育所 知花勝子

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