税について
三年 知花絵都子
私が「税」と聞いて、すぐに思いつくものは、「消費税」です。何か商品を買う度にその代金に五%が付加されて、ごく自然と日常的に税として支払っています。
以前に、三%から五%に上がったときは、百円に対しての消費税が三円から五円になって、払うお金が高くなるから嫌だなと、ただ単純に自分が払うお金のことだけを考えていました。しかし、税と名が付くからには、消費税も国の収入のひとつなのです。
消費税の使い道は、約三割が、地方交付税として、都道府県や市町村などの地方公共団体に交付されます。それが公共サービスを行うための財源となり、私たちの身近な暮らしの中で使われます。そして、残りの六割は、基礎年金など、私たちの老後の生活を支えるために使われます。一見、商品以外のお金を無駄に支払っているように思える消費税でも、公共サービスのような私たちの暮らしを良くするものへと変わって、戻ってきているのです。
消費税が五%に上がったとき、私と同じように不満に思った人は多かったと思いますが、世界の国々と日本の消費税の税率を比較してみると、日本の税率がとても低いことが分かります。ヨーロッパ諸国は、十%を超えていて、特にデンマーク、スウェーデンは、二十五%という日本の五倍もする税率で、すごく驚きました。また、消費税以外の租税負担率も低く、主要先進国の中で、日本が最も低い水準であることにも驚きました。
国民の税の負担率が低いと、国民は払うお金が少なくて済むかもしれません。しかし、国の収入の大部分は税金によるものなので、税金が多い方が国は豊かになるはずです。
現在、歳入の約四割を占めている「公債金」は、いわゆる「国の借金」です。歳入不足になると、それを補うために「赤字国債」が発行されます。そして、歳出ではこれまでに発行された国債の返済と利子の支払いがあります。借金を返して、また借金ができて、と繰り返しているわけです。だから、後々も国債が増えていくことを考えて、歳入の公債金収入を減らす必要があると思います。国の借金ということは、国民全体の借金です。借金を減らすために、国民の負担が多少重くなるとしても、増税は避けられないことだと思います。
しかし、「増税する」と聞いて、賛成する人はどれだけいるでしょうか。納税は義務だから、とりあえず支払っているという人がほどんどで、進んで納税をしているようには思えません。脱税する人もいるぐらいだから、「増税」するよりも、「減税」を望んでいる人の方が多いのかもしれません。減税をすれば、個人の財産は肥えていくかもしれませんが、税によって支えられている国の保障は減っていき、自己負担となるものが増えていくでしょう。
税は、私たちの暮らしを豊にし、生活していく中で、あらゆるものに使われています。学校もそのひとつです。授業で使う教科書、教えてくれる先生の給料、机とイス、校舎、体育館、プールなど、私たちが良い環境で教育が受けられるのも、税のおかげなのです。他にも、公共事業による道路の建設、下水道や公園の整備、社会保障による社会保険、社会福祉などがあります。
最近は、急速に進む高齢化により、医療費の負担や年金を支払うための社会保障費が上昇しています。これからますます高齢化が進んでいくとなると、負担は増える一方なのでこのままの制度で対応していくことは難しいことだと思います。そのためにも、社会保障制度の見直しをして、高齢者を支えていき、福祉にもっと力を入れていく必要があると思います。医療費や年金のこともありますが、今後の高齢社会で重要になってくるのは、やはり介護保険制度だと思います。国民の三人に一人は六十五歳以上の高齢者だという状況では、一人暮らしの老人が増え、今以上に介護が必要になってくると思います。特別な施設を設置したり、ホームヘルプサービスやデイサービスなどをもっと充実させ、高齢者の暮らしやすい環境をつくり、それを社会全体で支えていけたらいいと思います。
税は、消費税や所得税などの形で国に支払い、一旦私たちの手を離れるが何らかに姿形を変えて、私たちの手元へと戻ってきます。税金は、確かに私たちの生活を豊かにし、生活を支えています。しかし、その使い道は不透明なもので、本当にすべてが私たちのために使われているのか疑う人もいるでしょう。実際に、私も税金の一部が無駄に使われていることもあると思っています。それでも、やはり「税」は私たちが普段暮らしていく上で、重要な役割を果たし、生活の支えとなっています。このようなたくさんの税の世話になっているのに、それでも納税に不満のある人はいるのです。お金を支払うのは、何か物を買うのと同じですから、目先のことだけを考えずに、住みやすい環境のためのサービスを買ったと思ったり、安心した老後のための将来への出資だと考えてみたらどうでしょうか。税とは、みんなが助け合って、社会、国全体を良くしていくものだと思います。多くの人々が税に関心を持ち、税について正しく理解してほしいです。そして、私も納税者として、もっと税のことを理解していきたいと思います。