読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1956年9月発行 読谷村便り / 2頁

全琉にさきがけ新生活協議会結成

〔3号1ページの続き〕

から新生活運動は盛り上がってこそ眞の運動でありませう。土地がせまくて生きられん、なんとかできないか、軍用地問題が生まれてくる或は荒蕪地解消がさけばれる。土地の高度利用が要請される。地方増進のための自給肥料増産運動が生まれる。亦、その日暮しじゃ希望がない。何んとかして希望を見出そう。読書、技術の修得、趣味の向上のために青年会、婦人会の活動を活発にする。蚊や蝿が多すぎてやりきれん、清掃の励行、汚物処理、便所改良が提唱される。
 交通事故、爆発事故が多くて動けない。時間励行されないので始められん。人間が多すぎて食っていけない(人口対策、家族計画、移民問題、失業対策、雇用対策)お客中心の住いで家族はやりきれん(間取の工夫、台所の合理化)食事は量だけで質は考えられない(栄養知識の涵養、献立生活)みえやしきたりにくくられて身動きがとれん、自分の生活に立入られて不自由だ。このようなことはまだまだ澤山ある。一人で何とか出来る事もあるが、一人や二人の話合や力ではどうしても解決出来ない重要な大きい、そして長期を要する根本的な問題もある。生活を合理化しよう、むだをなくしよう、消費を節約しようというこの運動は明治、大正、昭和そして戦後と幾回となく繰返されて来た。しかしその効果は遅々として進まない。長い間続いて来た根強い習慣等の生活感情ととっくむのであるからその改善になかなか容易なことことでなく一朝一夕に運動の効果を期待することはむつかしく、ましてやこれが天下り式の「べからず運動」で効を奏する筈がない。あくまでも私の生活を我が家の経済をより合理的にし、より豊かな幸なものにしようという一人一人心の中から盛り上がったものが集り、そして風ゆ困難をのり越えてゆく共存共栄の精神から出てこそ効果があがるであらう、なんとかしなければなるまい、幾多の問題の中から最も身近かな改善すべき点を発覚することが運動展開の最初でありませう。
そのためには、
1、問題の意識を持ち話し合いを行うこと。
先ず自らの生活を見つめ、更に廣く社会的に視野を廣げて自らの現在を一層豊かな生活、余裕のある生活、文化的な生活を高めて行くために隘路となっているものはないか、それを見出すために家族内で青年会で、婦人会で或はその他グループ内で職場での暮らしについての話し合いが行われることが必要でありませう。そして自分一人で改められることと共同して多数の協力がなければ改善できないことを明らかにしなければならない。
2、共同の重点目標をたてる。
一部のものの意見が押しつけられたり、少数意見を無視したりすることなく、充分に話し合ってすべての者の納得と心から賛同が得られることが望ましい。
読谷村新生活協議会は、今年度の目標として次の三点を実践目と決定した。
1、時間生活の実行
2、各種会合及行事の簡素化
3、交通道徳の確立
 さあ、自分の生活をしっかりみつめませう。そして新しい工夫と勇気をもって私たちのくらしをよくするために力強く運動をはじめよう。

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。