読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1957年9月発行 読谷村だより / 2頁

1957年度行政状況報告

一九五七年度行政状況報告
 四、公共事業の実施概要について
 (一)新庁舎の建設については御承知のとおり移動十周年を機会に会議室を建築すべく当初予算で計画してありましたが、計画を変更総工費一一○万円総坪数六四坪の鉄筋コンクリート建として昨年十二月二十六日与那覇組によって着工本年三月三十日竣工四月から新庁舎に移転行政事務を執る事になりました。広く明るい新庁舎で村民への最大のサービスをモットーとして期待に副うべく努めております。
 (二)次に道路工事については現在村道として認定されているのは七線延長三五、五七三呎でありましてこの中瀬名波中央線は今年度新たに村道に認定され、亦従来村道でありました長浜-高志保は農道にへん入したのであります。
 村道改修工事は高志保-宇座線の六、○○二呎 渡慶次-瀬名波線一、六八八呎計七、六九○呎を政府補助一五○、四○○円村負担三七、六○○円合計一八八、○○○円で改修工事を実施したのであります。亦一九五五年二月政府の補助により改修工事を施行した大木-古堅線は側溝暗渠等の不備により路面が極度に悪くなっていますので路面改修工事を実施中であります。
 (三)飲料供給施設として伊良皆読谷小校の簡易水道工事及喜名、親志、座喜味、宇座、儀間、渡慶次に十八ヶ所の井戸構築が進められています。
 
 五、社会福祉事業の状況
 (一)生活保護法による扶助者に対しては生活住宅、教育、医療生業葬祭出生等七項目の扶助金が交付されているのでありますが、一九五七年度の扶助の状況を申し上げますと一九五六年七月から一九五七年六月までの一カ年に延二、五二九世帯六、六七四人で、一、七三三、七一六円の扶助額が交付されたものであります、月平均にすると二一〇世帯五五六人で一四四、四七六円の現金扶助がなされております。
 一九五七年六月末の扶助者は一八二世帯四八五人で一四三、九一九円の扶助額を受けています。(部落別扶助世帯別表)
現金扶助の他に扶助世帯困窮世帯結核患者等には、米、粉ミルク、コーリャン、衣類等の現物支給がなされておりますが、その主なる物品の概数を申し上げますと、米134石、コーリャン一八、八〇〇ポンド、粉ミルク一四三九罐、衣類一三七〇点となっております。
 (二)昨年は台風ワンダ、パプス、エマ、ハリエット等四回の連続台風で公共施設、個人住宅、農業施設等の被害が莫大でありましたが、特に九月七日晩から九日朝にかけて襲った台風エマは戦後最大と云われ住宅の倒壊だけでも二一七戸を数える程でありました。全壊した家屋の殆んどが扶助困窮者等でありましたのでその復旧には隣人区民の援助にまたねばならぬのが多かったのであります。幸い嘉手納航空隊からトラック七台分救援資材を貰いうけこれら住宅の全壊者に分ち与える事が出来ました。
 (三)環境衛生に対しては秋期夏期の清掃週間を実施、これが継続性を図るべく区婦人会等の協力活動を得て衛生懇談会幻燈会等により衛生思想の昴揚に努めて参りました。特に三月に久場善四郎氏により幻燈機の寄贈を受けましたのでこの機会に報告を申し上げます。
 (四)その外公共同募金旧歳末助け合い運動等を実施し、子供を守る会、読谷社協その他社会福祉の協力活動を促進し社会福祉の増進に努めて参りました。

六、育英事業について
 私費大学生への学費貸与条例の施行以来一九五七年六月現在までに学資の貸与を受けた学生は二五名(日本留学生七名琉球大学生十八名で四七五、七〇〇円貸付されております。貸与を受けた学生は今年三月卒業し就職しているのが一名(琉大)今年九月卒業見込二名(日留一名、琉大一名)であります。従って三月卒業四月就職の一名は十月以降条例第六条に基き貸与月額の二分の一償還することになります。条例施行以来条例七条四の該当者(退学した者)一名第二条4の該当者(他より育英資金の貸与をうける)一名であります。一九五七年度の貸費生は二三名(日本七名琉大十六名)でありましたが年度内で卒業一名(五七年三月以降停止)転科一名(五月以降停止)貸費辞退一名(四月以降停止)がありましたので年度末六月現在貸与者は十八名となっており、五七年度貸与額は二二七、五〇〇円となっております。
 以上をもちまして一九五七年度業務の概要報告を終ります。

一九五七年六月二十日 読谷村長 伊波 俊昭

教育税徴収状況 自:1953年度 至:1958年度(※表のため原本参照)

1953年度  調定額1,700,000円  徴収額1,609,515円
1954年度  調定額1,100,000円  徴収額  992,195円
1955年度  調定額1,070,000円  徴収額1,045,854円
1956年度  調定額1,700,000円  徴収額1,653,601円
1957年度  調定額1,700,000円  徴収額1,651,565円
1958年度  調定額1,700,000円

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