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1959年1月発行 読谷村だより / 1頁

新春を迎えて 読谷村長 伊波 俊昭

新春を迎えて
読谷村長 伊波 俊昭

 一九五九年の新春を迎うるにあたり、村民皆様に心から御慶びの言葉を申上げます。惟えば昨年は琉球の諸問題解決の鍵ともいわれ、終戦以来琉球政治問題の中心をなした軍用地問題が琉米相互の間に納得のいく円満解決をみた銘記すべき年でありました。また通貨のドル切替えという琉球経済の一大変革をもたらした年でもあります。亦六十年来の大旱魃とあって農漁村の不況、立法院議員の選挙や村議会議員の選挙も行われ、沖縄全体としても村としても、政治経済の面に大きな変動をもたらした思い出深い一年であったのであります。今年は猪の年、昨年、一昨年、終戦后から今日まで、皆で築いて参りました確固たる基盤の上に、しっかりと平和理想郷の建設にスクラム組んで勇往邁進しようではありませんか村としましては新春早々村民会館の建設に着手すべく、議会の委員長と議長、副議長に役所からは村長、助役、収入役が加わり建設委員をあげて設計を進めて降ります。階下六十坪階上四十坪のスマートな村民会館が出来あがりましたら各字の公民館の連合体を組織し、政治、経済、文化教育のセンターとして村民に充分に活用され、今一段と社会福祉に役立つものと確信する次第であります。
 今年は各々御家庭におきましても軍用地の賃貸契約の締結、地料支払、砂糖増産、いろいろ家計々画があることでありましょう。経済の面にも明るい見透しがつけられている年でありましょう。
 全島緑化運動も強力に展開されることでありましょう。
 一九五九年がよりよき発展の年でありますよう祈念いたしまして新春のお挨拶といたします。

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