甘藷苗づる集荷について御礼の辞

　去った十月十六日のシャローロット及十一月十二日のエ台風が襲来したため農作物家屋其他莫大な被害を蒙り特に読谷北部においては西海岸に面しているため潮害でいもの被害甚だしく、八月九月植えが殆んど全滅の状態で来年二月より四月より四月頃迄いも飢饉で食糧や飼料の不足がくるものと予想され、その対策に深く悩んでいましたが、幸い去った十二月一日の区長会において比較的被害の少い南部の区長さん方にいも苗づるの蒐集について御願い致しました処出来る限り区民を督励し協力することを御承諾下さいまして、去った十二月二日、十五日、十九日の三回に亘って計一、三五○斤のいも苗づるを集荷なされ渡慶次、儀間、宇座、瀬名波、長浜の五ヶ字に配分なさった事は我々北部区の民深く感謝お礼申し上げる次第であります
　我々としても相互に励まし応急いも苗床の設置によって対策を講じ二月以降の困窮を切抜けるよう努力したいと思います。これから後も御援助をお願いし感謝御礼申し上げます。
十二月二十一日　北部五ヶ字区民一同より
南部部落の区民の営さん方へ