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1960年1月発行 読谷村だより / 3頁

告示第四四号財政公表について

告示第四四号
財政公表について 
読谷村長 伊波 俊昭

 一九五九年度読谷村才入才出決算について予算の使用の状況、収入の状況、財産等其の他財政に関する文書を作成いたしましたので市町村自治法第一七七条の規定により公表いたします。

一九五九年一一月二六日

一九五九年度才入才出決算について

才入 一一九、六二四、一七仙
才出 一一○、四一四、六○仙
才入才出差引残金 九、二○九、五七仙

まえがき
 市町村自治法第一一七条の規定によれば「市町村長は予算の使用の状況、収入の状況並びに財産、公債及び一時借入金の現在高その他財政に関する事項を説明する文書を作成しこれを住民に公表しなければならない。」と謳われています。
 これは市町村長がその行政機能を営むために要する財政需要は村民が資力に応じてその経費を負担しているので行政運営の如何は直接住民の日常生活に利害関係を有するものであります従って市町村の財政状況を公開し村民が不断の関心と積極的な協力を寄せると共に村民の世論を充分反映させ村民による自治の本旨を実現しようとする趣旨からであります。
 今回の財政公表は一九五八年七月一日から一九五九年六月三○日までの即ち一九五九会計年度としての満一ヶ年の期間において本村が執行して来た財政の記録であります。公表についての詳しい規定がないので充分のものとは言えませんが年二回公表することにして決算公表と年度中途において予算の執行状況を公表したいと思いますのでこれから公表いたします事柄について充分御検討の上建設的に御批判下さって市町村自治法の精神に沿えますよう念願いたします。
 次に施政方針と予算についてでありますが、
 一九五九年度の予算議会において村の施政方針として次のように発表したのであります。
一、市町村自治体の原理に基く円滑なる行政運営
二、行政事務の効率的運営
三、職員の奉仕者意識の確立
四、健全財政の確立
五、村民会館の建設
六、火葬場の建設
七、保健衛生の向上
八、育英事業の推進
九、村内各種団体の育成強化
十、基本産業の振興
等の十項目を重点としてその実現のため八三、○五四ドルの予算の議決を見て出発いたしましたが年度中途において失業対策事業と基本財産造成等の事業方針を加え、八回にわたり三二、○六一ドルを追加したので年度末に至る予算総額は一一五、一一五ドルとなりましたがこの施政の実現と予算の執行については別表の通りにして効率的な成績を見ることが出来ましたことは村議会をはじめ村民各位の積極的な御協力の賜でありこの機会に深く敬意を表しますと共に今後尚一層の御協力を御願いいたします。

才入説明のついて
 第一款の村税徴収実績については村民の皆様が直接納付して戴いた村民税外九税目でありまして「別表第一」を御覧になればおわかりになりますが村税予算総額一三、四五三ドル、調定額一六、三○五、四八セントにして予算額より二、二二四、五四セントの増収はしておりましても調定額に対する納税率は九六、一四%にして六二七、九四セントの未納税額を出したことは甚だ遺憾に思います。それで納税成績についてどの税目が悪いか検討して見ますと別紙村税徴収実績表にあります通り興行税の二六・七%が最も悪く其の次が牛馬車税の八七・七%、不動産取得税、自転車税、畜犬税等、雑税の成績が思わしくないのでありますとこのような雑税については市町村税法施行後において難点があるため検討を加えられておりましたが昨年十一月改正されたのであります。即ち特別所得税、自転車税、牛馬車税、畜犬税、屠畜税、興行税等が廃止、村民税、固定資産税、事業税、不動産所得税の四税目となり一九六○年度から実施されるようになっておりますので一九六○年度以降の徴収税成績は一段と良い結果を見るものと思っておりますこの理由については廃止された六つの税目をそれぞれ申告をさせ調査を行い賦課徴収に至っては煩雑な事務費がかかったことは、その上徴収成績が悪かったこと等が解消され、今後は村民税、固定資産税、事業税、不動産所得税の四税目にしぼられるので今まで充分まわらなかった村外住居者の固定資産税をはじめ村内各種滞納税の徴収について強化されることになり、税法改正によって優秀な納税成績が期待されるわけであります。
尚廃止された税目のうち特別所得税と興業税は事業税に包含されました。その点申添え村税の説明を終わります。
 第二款市町村交付税について申し上げますと本年度は一六、一六六、六七セントの収入額にして決算総額の一三・五%に当たります。これは市町村交付税法に基き交付されるもので市町村が自主的にその財産を管理し事務を処理し行政を執行する上において法令により基準財政需要額が基準財政収入額を越える額に対して衡平にその超過額を補償するために琉球政府から交付されたものであります。一九五八年度は一三、九五八、三三セント交付されましたので本年度は二、二○九、三四セントの増額を見ているのであります。
 第三款公営企業及び財産収入の一一、六四三ドルは決算総額の九・七%に当りますがその内訳については株式配当金として琉銀が一割二分の配当で二三、二○セント、琉球海運社が二分五厘の配当で四九、八三セント、琉球石油社が一割五分で三○、七五セント、沖縄配電社が旧株は一割新株は二分五厘で一一二、五○セント、比謝川配電社が一割二分の配当で一、五○○ドル計一、七一六、二八セントが配当金収入であります。次に地所賃貸料としては村有の軍賃貸料八、四三ドル一八セント、元の古堅校敷学地の貸地料が六三ドル計八、四九三ドルでありますそれから預金利子してと一、一○八、六八セントの収入は前年度に基本財産造成積立金として一六、六六六ドルの積立金による貯金利子であります。財産売却代として三二四ドルの収入は元会議室の処分による公売金であります。尚この財産入については別表により有価証券、現金の積立、土地、建物等掲載してあり御参照下さい。
 第四款使用料及手数料については二、三六三、三○セントの収入にして決算総額の二%に当りますがこれは手数料徴収条例と戸籍手数料並に寄留手数料に関する立法によって役所の窓口において徴収されたものでありその内訳は証明手数料が九○九、五七セント戸籍手数料一、四○三、六二セント、閲覧料四、三九セント督促手数料四五、七二セントであります。
 第五款政府支出金は一○、九三二、四四セントの収入にして決算総額の九・二%に当りますがこれは市町村財政法に基き補助若しくは支出されるもので政府が行うべき事務及び事業を市町村に委任し又は共同して行うことによりその結果に対して受ける補助金であります。その内訳を申し上げますと、統計職補助金三五○ドル三セント、援助事務職員補助六○九、七五セント、農業員改良、生活改善普及員補助二六五、九九セント(これは一九五八年十月一日から政府職員として身分が移ったので三ヶ月分の給補助である)、外地引揚者事務取扱補助金一八一、七五セント、以上一、四○七、五二セントが事務費補助であります。それから事業費補助として失業対策事業補助金三、八六○ド

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