読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1960年2月発行 読谷村だより / 1頁

樹木を保護しましょう 植木を親心で育てましょう

樹木を保護しましょう 植木を親心で育てましょう 
知花 英康 
 わが読谷村に於いては第一年次植樹計画を実行に移し既に一号線六号線の沿道を始め適当の地に松苗が植付けられてある。私はそれを見て非常に喜び之で新読谷村建設の大業も殆んど出来たような気がした。植樹の必要は今更喋々するまでもないが吾等は祖先以来戦前まで之を実行し五百余町歩の村有林に対しては大正年間に於て既に施業案を編制して植林伐採地域を定め尚林野監守二人を置いてその保護育成に専念せしめ個人有部落有林に対しては春秋二季の原山勝負に於て審査督励を加へて来たので本村の緑化は中城村のそれと共に異彩を放って居たのであるが、去った戦争に於いて見るかげもなく破壊されたのである。若しそのままに放って置いたら暴風旱魃の被害は勿論人心もすさみ取り返しのつかぬ事になりはせんかと心配して居たが村当局が適期に(昔から十月引き松と云って松は十月十一月その他の木は大寒の節といふ標語がある)植付けられたのでその活着歩合も好成績のようであるから是から後は村民皆がその保護育成の方に協力したら暴風旱害を防ぎ人心は和ぎ農作物は豊穣に村民は和気靄々として真に住みよき郷土になるのである。それで今後お互村民はあの植木を見ることは自分の庭木を愛する如く若し倒れたものがあったら起し枯れたものがあったら植えかえてやると云う心がまえでその保護育成に努めましょう。

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