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1960年5月発行 読谷村だより / 1頁

自立と繁栄への道を進もう-振興計画目標達成に一奮張-

自立と繁栄への道を進もう
-振興計画目標達成に一奮張-

 政府の経済振興計画の深化策として実施された市町村経済振興計画樹立事業は本村でも一九五七年村の実態調査を行いこの計画を樹立、総合性のある実現可能な基本目標を策定し長期な経済計画を打出して三年、ひたすら村民生活の安定向上を意図する基本方針に基いて、年次的に工事量と資金を両立させてその役割を果し、遂次軌道に乗りつつある。
 耕作面積五千七百反で経営規模は極端に零細化しているが、就業人口七、三五八人中第一次産業の農業、水産業の割合は四、一六五人で五七%、やはり経済環境は産業別に分類して大半を占める農業が基本産業でなければならない。而し乍ら所得の面でみると第一次産業は総所得者の一八%で就業者一人当の所得を一○○%とする時、僅かに五三%の約半分に過ぎない。従って多数の就業者を擁し乍ら所得が低く農業の経済的歪みを極度に露呈している。
 生きていく為に働く事にのみ精励しゆとりない生活と斗争し乍ら、後で統計数字に表れた収入に目をやる時、呆然として働いた後の疲れもときほぐ、うるおいさえ失う。然し乍ら基地依存による経済は安定性が薄く、生活の安定向上の為にはどうしても生産業の振興を図らねばならない。
そして農業振興上の隘路を打開する為には土地改良、農業基本施設の整備、耕種改善、農耕知識の向上、労働能率の増進、経営の合理化等があって振興計画の目標もこれと併行して、農業基本施設費に五七年九千二百弗、五八年一万七千弗、五九年一万千弗と又生産増強の為に毎年約二万弗、三ヶ年間に約九万七千弗の資金が投じられたがこの計画の総経費の中、建設部門の七万弗生産部門の二十万弗に達するにはまだまだ後数年を要する。
 狭い土地、人口の過多、資本の欠乏は低い生産力-低所得-貧弱な貯蓄能力と経済の悪循環を繰返し、この不均衡な偏倚的な経済構造を改善、発展せしめそして好循環えとこの策定された計画が、村民一体となって経済発展へと着実に実施されている。この成果がやがては地力増進、増収、発展と価値あるコースを進んで経営は上向き、さらに発展する事を祈念して経済振興に邁進したい。
 人工衛星、最近発射されたソ連の人口宇宙船の打上げと夢か嘘かと瞑想する事を持たずして宇宙時代となり沖縄も復帰から発展への年を迎えたといわれている。
 宿命的な事にヘレン、ゲレン、キャレン・・・と横暴性強き台風嬢は吾々人間様の下着をチラホラさせて喜ぶかの如く、地上万物を強襲生々しい爪跡を残しては逃げて毎年襲いかかる。この天災さえなければ振興計画の役割も一足飛びに経済的地位の向上、文化の向上とあながち並行していく事は否めない事実、この恩恵に浴せるものを・・・吾々は現実にくじけず、勇気を出して振興計画基本目標に今一層拍車をかけ、目標達成の為に手を組み、腕を組んでいやが上にもこの汗の労苦、着実な努力を漸次生産の増収、所得の増加と相俟って吾々に環元させ、基本目標が達成される様一層チバラなければならない。

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