読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1960年6月発行 読谷村だより / 2頁

農業経営について(2) 農務課専門普及員真栄田豊太郎氏の講義より

農業経営について(2) 
農務課専門普及員 真栄田豊太郎氏の講義より 
二琉球農業の進むべき途

(1)土地を高度に利用すること
先述したとおり農家一戸当りの耕地の規模は極めて小さく、その限られた土地から如何に収入を多く上げるかを考えなければならない。耕地の利用率を調らべてみると琉球一三○%、日本一七○%で四○%も差がある。では高度利用法の例を上げて見ましょう。
 今普及しつつあるサイレーヂがその一例である。琉球の農作物の作付状況をみると五○~六○%が甘藷作である。この甘藷は昔は主食であったが今日は飼料に転換しているのでこの甘藷を一度に収穫してサイレーヂにする。そして次期作を早めに作付することも、その一例であろう。又宅地を利用した果樹栽培も合理的である。特に果樹は農家の恩給であるといわれているように農家経済に大きく寄与するものである。本部町でも一本のミカンの木より弐拾弗余の収入実績が上げられています。

(2)主要農作物の反収の増加を計るべきである。
 農業技術の向上が反収増加の要である。優良品種の普及、施肥の合理化、農薬の撤布等がその要素である。しかし品種にしても肥料にしても各自の田畑、即ち土壌条件に適したものを選ぶことである。立地条件に適合した品種が即ち優良品種である。肥料にしても肥料の科学性と土壌、作物の性質を良く理解して合理的に施肥を行い又標準量を施すことによって増産が期待されるものである。又農薬の撤布によって二割増収をあげると、その権威者が語っているように耕種改善に忘れてはならないものである。

(3)土地生産力の増強を計るべきである。
 土地生産力の増強を計るべきこと即ち地力培養ということは各個人の力で出来るもの、協同団体の力で出来るもの、又は政府、市町村の力でないと出来ないもの等で幾多の問題がある。地力培養を計る要点を二三上げると
(イ)土地改良事業によるダム施設、灌漑排水施設
(ロ)機械力による土地の深

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。