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1960年7月発行 読谷村だより / 3頁

本土就職に四十五名 テープを切ってさらば 本土就職職者名簿

本土就職に四十五名
テープを切ってさらば

 めまぐるしく動く社会に年々増える二万の人口、これに伴う労働力が日を追うて過剰の一途を辿り就職難はいよいよ深刻の度を増している。本村でも年々四百五十名の自然増に三百名の中学卒と百二十名の高校卒が学窓を巣立ち、新しいモラルを身につけ真実を求めて実社会へ出て行く。然し吾等が社会は彼らに対して就職の道は厳しく、仕事を与えて暖く保護する事は愚か、弱肉強食の激しい今日は就職戦線はしのぎを削る程で夫々の個性に合う就職の途が開かれない事は残念でならない。
 政府では一九五七年度から少年、少女の本土就職あっせんに乗り出し労働力人口の保護策と就職難の緩和につとめ、今年迄にすでに約二千名が送り出されている。本村からも次表の男子二十七名と女子十八名の計四十五名が本土に就職している。
 東京都労働局の調査によると好景気の反映で今春都内の中学卒業を始め、地方出身の中学卒業者をあわせ就職したのは約六万九千人と高校卒の三万二千人となって居り、これに対して求人は十八万人で八万人の不足に悲鳴を上げているとの事である。
 又労働省は今年から沖縄の雇傭状況や本土就職の実態調査の結果から中学卒業生の本土就職を本土各県なみに行う事を明らかにし、いわゆる「労働市場へ正式参加」と七月七日付の沖縄タイムスは報じている。
本土就職問題は今後益々安定するものと期待され現況の社会情勢、就職難をかんあんした場合労働市場の開拓と本土就職の啓発指導には積極的に協力すべきだと思う。
 力強い希望と明るい抱負をもって本土に就職した本村の次の四十五君、始めて味わう船の旅、始めて見るヤマト、大自然の雄姿、壮観に喜びと驚異を交錯させ夢みたいな宝庫、与えられた職場い無造作に流れる汗はくじける事を知らず黙々と頑張り続けている。郷元離れた旅の身同じみ空の月を眺めて彼等は古里の夢を追って古里のニュースに飢えている。吾等は限りなき声援と楽しい夢を豊満させる明朗な便りを送ろう。そしてよき後輩育成のために、経済的地位の向上に更によく働いて貰う様激励しよう!

頑張り給え四十五君よ
健康専一に。

※本土就職職者名簿 は表になっている 原本参照
(一九六〇年六月十四日現在) 嘉手納出張所管内 読谷村

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