読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1961年3月発行 読谷村だより / 1頁

環境悪化は緑の羽根で募金運動に御協力を

環境悪化は緑の羽根で
募金運動に御協力を

戦時中の軍用材はもちろん戦後の復興材として木材や薪炭の需要の急増に迫られ森林は次から次へと乱伐されてわが琉球の林野は、今や言葉に絶するほど荒廃して、毎年の台風、豪雨による山崩れや、洪水の惨禍は都市と共に高まり、その都度人畜、建造物に甚大なる被害を与え田畑を流失して、貴重な資源を泥土に委しています。また渇水期においては水資源は涸渇して、田畑の灌漑はもちろん、一時も欠くことのできない飲料水さえも不足し、私たちの生活は常に不安と脅威に瀑されています。なおまた国際親善、国際収支のバランス、あるいは国民保健の立場等から、観光政策が叫ばれていますが、戦禍未だ癒えず、緑を失った都市と色あせ果てた山野の今日の姿では、到底観光にも保健にもその目的を達成することは覚束ない状態であります。山野に木を植えることは、もとより大切なことであります。それと同時に私達の身近な環境の緑化を図ることも重要なことであって、市町村も学校も個人も、みんながもっとこの面に努力して行かなければならないと思います。特に本運動を通じて、学校林の造成と校庭を緑化することにより、児童生徒の森林愛護の精神と公共心を培うと共に、環境を整備して情操を豊かにする上においても必要であると考えます。この意味において、この際一層効果的にすべく本運動を展開することになったのであります。なにとぞ村民各位の御協力をお願いする次第であります。

◎みどりの羽根運動とは
 みどりの羽根は、赤、白など色々ある羽根運動の中で、早いち早く私達の胸をかざります。みどりの羽根は木を植える国民運動であります。みどりの木は、国土を守る着物であり、生活を守る母であり、また私達に慰安と伸びる力を与えてくれます。戦争で伐りあらされた山、戦災から立ち上がった新しい街、新しく建てられた学校、それらをみるにつけ先づ欲しいと思うものは緑の木であります。
こうした私達の願望から生まれたのがこのみどの羽根による木を植える国民運動であります。みどりの羽根運動の目的は、全住民が協力して、野山はもちろん、街、学校、職場、家庭など私どものまわりに清々しい、みどりの木を植えて、うるわしい街や村、災害のない郷土、静かで美しい学校、住みよい豊かな生活環境を国民の力でつくって行くところにあります。

みどりの羽根募金実施要綱

一、募金の目的
全琉をあげての一大国民運動として展開されている全琉緑化推進運動に協力して緑の羽根を通して愛林及び環境緑化の思想を普及し、この募金によって森林資源の増強と国土保全の要請に応え、街や村、学校、公園、職場、家庭等、私達の周囲に清々しい緑の木を植えて、うるわしい街や村、災害のない郷土、静かで美し

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