一九六二年度施政方針
第三回議会定例会を招集し一九六二年度歳入歳出予算の審議をお願いするにあたりまして施政方針の大要を申しのべる事の出来ますことは私最も光栄に存ずる次第であります。
前年度は私にとっては行政責任を担当しました初年次でありまして、能力足らずで荷重く無我無中、がむしゃらに働いて歳月の流れにおし流されて来たような感が致しますが、幸いにして議会議員の皆様役所職員及び全村民の理解ある御協力が得られましたお蔭で年度当初に計画した大部分の事業が完成し或は軌道に乗り進められつつあります事は感謝に堪えません。
本年度は、いうなれば二年生になったのでありますから過去を反省し更に研鑽を重ねて自己流を改め建設的な批判と世論に基いて村民の欲求にかなったよりよい行政を合理的に遂行、住民福祉の向上に一段と努力する所存であります。
議会議員の皆様始め役所職員二○、○○○余人の村民の倍増の御協力を念願する次第であります、
申すまでもなく、予算は年間の計画であり行政の設計書でありまして、この計画に基いて村行政を執行するのでありますから、先づもって村民の福利増進を図るを目的とし、村民に対し最良のサービスを提供することを主眼において住民に有益な行政を実効的に遂行するということが前提要件でなければならないと考えております。
従って予算の内容も産業経済の振興、村民生活の安定、教育文化の向上、村民保健福祉の増進、その他災害対策等に重点をおかねばなりませんが、その範囲は極めて広範に亘り多種多様でありますので、予算の重点としてとりあげた主なる事項について具体的に申し上げまして御審議をお願い致します。
(一)健全財政の確立
予算編成にあたっては自己財源の確実な見透の上に立って、歳出の規模を設定し、財源の重点的配分による経費の効率的使用、行政水準の確保に留意し財政の健全化を推進することを根本方針として編成したのであります。
歳入において依存財源である市町村交付税二○、九○一弗を見込んだのでありますが、この点については歳入予算の説明の際に詳しく申上げる事に致します。
村税については、担税能力に基くべきもので税の負担は、最低所得者にも生活水準の向上が図られるように、また村政への参考と責任を分け合うべきよう配慮されているのでありますが本村の村税は総額において一世帯一人当において出来得る限り減税の措置が従来より講ぜられておりますので税源の捕捉を徹底して課税容体を確実に把握し、徴収面の合理化を図り滞納の絶無を期す所存であります。
歳出については消費的経費を節減し、極力投資的経費の増加を図り、経費の生産的効果、事業の必要性並びに緩急度等を考慮して編成したのでありますが、執行については更に充分な検討の上最も効率的、合理的運営に厳に留意する所存であります。
(二)行政事務処理の合理化
行政事務の処理は法令規程に基いて民主的に能率的に処理するという事は原則でありましょうが極端にいうなれば最少の経費で最大の効果を上げるように、ハヤク、タダシク、出来栄えよく処理して村民えのサービスを向上させねばならないと理解しております。
非能率的にして不親切な代名詞のようにいわれている役所事務処理方式を改善する事は決して容易な事ではありませんが行政事務の合理化、機械化の気運が急速にたかまりつつある今日その改善を真剣に考え、親切で気持のよい、気安く行ける役所、住民の望んでいる理想の行政事務処理に一段の考慮を致す考えであります。
(三)役所事務室、村民会館、会議室の拡張と設備の強化を図る
申すまでもなく役所事務室は職員が公僕として住民行政事務を遂行しサービスを提供する場所であり、住民の望んでいる理想的な親切にして気持ちよい役所たらしめるために、適正なる広さと構造、及び設備と環境を整え事務処理を合理化、機械化し住民サービスの向上を図る所存であります。同時に村民会館と議会室の拡張と設備を整え村民会館が本村の政治経済、文化センターとして各種団体の育成に社会教育施設として活用運営され平和な文化の香り高い理想郷の建設に大きい役割を果たすことが出来るように施設の強化を図る考えであります。
(四)職員給与改善について
住民の公僕として行政末端の具体的執行者の自負のものに、住民福祉と直接結びつく重要な目的を背負いながら働く役所職員の給与は職務と責任に応ずるものでなければならないのでありますが、現状は公務員としての社会的地位や勤務条件を同じくする政府公務員及び民間事業の従事者や、軍労者の給与に比比較するとき、可なり大きな差が生じ生計費には余程遠給与であります。
一般社会の情勢に応ずるように給与を是正して、生活の安定を図り公僕としての自覚の下に民主的にして能率的な公務を処理し住民サービスの向上を図るための基本給を一五%引上げ期末手当を一五割給与すべく待遇の改善を計画致しております。
(五)消防隊を強化して住民生命財産の保護に万全を期す
「備えあれば憂いなし」と申しますが本村の消防隊は運転手一人が常備で他は役所職員を充当した非常備消防隊であります。社会の進展に伴い我々の衣食住に必要な財宝はその質量ともに大きく進歩して参りましたが現在の本村消防力は極めて貧弱であり一旦火災の際に急速に対処する事は困難の状態にあります。特に各字公民館電話の架設により住民の急報に応ぜられるような態勢に消防力を強化するために、常備員二名増加しその強化を図ったのであります。尚部落内の消防用溜池については前年同様三ヶ所に施設する計画であります。
(六)戦災部落復興助成金の積極的効率的活用を推奨する
本村が戦災部落復興助成金の制度を設けてから既に四年を経過致しましたがその間に部落に交付された総額は八二、五二七弗に達し六二年度の予算計上額を合計すると一一四、四六四弗になります。部落によっては既に部落民のために積極的に活用されているところ