読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1961年7月発行 読谷村だより / 3頁

本土の視察研修報告書 その二 

〔61号2ページの続き〕

を組織して自治活動に精彩を添え関西吹奏楽コンクールに入選している。「常金丸中学校」では数学科の応能教育に力を注ぎ、昭和二五年以来約九町歩の学校林を経営昭和二八年より二ヶ年間学校植林研究指定校となり二九年第八回全国山林復興大会で団体賞を受けている。
△ 社会教育については合併前の四つに役場庁舎を改修して公民館に転用し教育委員会事務局に社会教育課を新設して四公民館の綜合指導に当っている。また常金丸公民館では昭和二七年五月二○○万円(五、五五五弗)の工事費で木造二階建延一○○坪と新築し、新市公民館では六七万円(一、八六一弗)で四五坪の図書館を新築している。公民館の組織については四公民館ともに民間の学識経験者を館長に揃え、主事、書記、宿直員各一名を置き、この中から五名宛の代表と各公民館長、主事を以って公民館運営連絡協議会を構成し社会教育全般の最高会議を開きその陣容は県下でも優秀だとのこと。公民館の事業及び活動については四公民館ともそれぞれ独自の計画を立て特色ある活動を続け、青年会、婦人会の事務局を館内に設けてその活動を助成すると共に町内全体の共同事業に社会教育課を中心に四館一体となって当っている。また定期講座として青年学級と婦人学級があるが青年学級のほうでは和洋裁、生花、茶道、音楽、書道講座を各館とも年間五○○時間以上開設し、婦人のほうではペン習字、珠算英語等の講座を毎週行う外、家族教育中心的な講座を自主的に開いて婦人の教養の向上に努めており、更に各種農事研究グループの活動も盛んであり、これ等の定期講座の外各階層を対象に随時、政治、経済、教育文化に関する講演会等を開設している。視聴覚教育活動としては拡声器、テープレコーダー電蓄、幻灯器を備えつけて各種の講座、講演に利用し一方映画班を設けて集会に魅力を与えると共に春秋にわたり農繁期慰安映画会を巡回実施している。図書館活動としては各館とも平均一、○○○冊余の蔵書を有し年間貸出延冊数約三万冊に及び読書会をもって文学作品の研究に熱を入れている。年中行事のほうは毎年文化の日を中心に各々生花、書画、写真、史料、生活等の展示会が催され、演劇、音楽、歌謡、舞踊の芸能文化祭を大々的に開き成人祭、敬老会等は役場と公民館の共催で多彩な行事を行っている。新生活運動については以前から婦人会が主体となり食生活の改善、台所、結婚、葬儀、環境衛生等の改善に力を入れて来たと云われ昭和三一年度は新生活運動のモデル地区として指定されてから公民館を中心に新生活運動協議会を結成し、その実践の目標として時間励行、集会秩序の確立旧正月の廃止祭礼の簡素化を揚げ従来の生活改善より一歩前進して精神運動面え踏み出し、指導者講習会の開催、機関紙の配布、部落懇談会を開いて多大な効果を挙げている。

△ 備後絣は本町を中心に府中市及び、その周辺により生産され日本で三大絣の産地として有名であります。即ち久留米絣、伊予絣、備後絣がそれでその生産量は三三○万反で全国の四○%を占めております。この新市町には絣の工場が一○○余り小規模の家内工業が二○○余もあって町を通るといたるところ織機とミシン、モーターの音が響きますがその販売金額は一○億円という莫大な額に上り、古い歴史と共に益々その真価を昻めつつあります。一方町当局においても特産品を陳列したり、パンフレットを発行したり機械及び施設の改善、技術の向上、経営の面に振興案を図り、販路拡張に異状の力を入れております。尚本町助役、内田重郎氏外幹部の案内により貝原織布工場の見学をいたしましたのでお知らせいたします。この貝原工場は明治二六年に創立した七○年の歴史をもつ工場で現在の資本金八○○万円、織機一二○台工員二○○人の中型工場ですがスマートな寄宿舎もあり凡ゆる施設や経営も堅実であり、その生産額は年間一億円の売上げを目標に、かね紡、日紡と取引契約をした工場であります。また本町は工業が盛んであるだけに労働者不足で困っており、貝原工場の如きも定員二五○名にして五○名の欠員だといわれ町全体として約五○○名の労務者が必要だからこの際是非沖縄から送ってくれとの依頼を受けました。

※写真「新市町役場 左から桑田議会事務局長 3番目家だ助役」「新市町の絣工場」「貝原工場の寄宿舎」原本参照

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