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1961年11月発行 読谷村だより / 2頁

六一年度陸上競技優勝を祝す 

六一年度陸上競技優勝を祝す 
!共に頑張ろう来年度も!! 
読谷中校教諭 大湾 稔

一、陸上競技を始める人々に

陸上競技とは
走ったり、跳んだり、投げたりなどする力を競う競技を陸上競技という。

二、陸上競技は三つに大別する事が出来る。
1、競走 短距離 中距離 長距離 障害
2、跳躍 走高跳 棒高跳 三段跳 走巾跳
3、投技 円盤投 砲丸投 槍投 ハンマー投

三、心構え
 陸上競技は走り、跳び、投げる競技だからどんな人でも直ぐ始められるが、さてこれを始めてみると案外難しいのに驚かされる。競走に勝とうとするには人一倍の苦しい努力を払わねばならない。(実証我が村の長距離のベテラン神谷乗彦選手を見よ)。競技会に出ても直ぐ勝てる訳でなく(実証我が村の短距離ベテラン棚原正式選手中央大会出場三回、やっと三回目に四位入賞)度々負ける事も覚悟せねばならない。要は陸上競技をやり始めたらどんな苦しさにも耐え、人に負けない努力を払うという精神が必要である。それから競技はどこまでも相手と同じ条件で相手の人にも力を出せるようにして正々堂々と争わねばならない。

四、種目は何を選ぶか。
 自分に適したものを選び出す事は易しい事ではない。長身で脚にバネのある人なら直ぐ跳躍選手に向くと考えられるが、すべての人がそうではないから(実証我が村の中距離新人渡慶次平吉選手)何が一番適するか捜し出さねばならない。まず何でもやって見る事である。しかし物には順序があり、いきなり走ったからといって上手に走れるものではない。陸上競技をやろうと決心したら第一に強い身体を作って置く事である。まず医者から健康であるという証明書をもらったら運動できるような体、つまり身体が柔らかく動く事がどんな運動にも必要であるから柔軟体操から始め、いろいろの種目をやっているうちに自分の身体の様子で何か良さそうだと云う事がぼんやりと解って来るからその時これはと思うものからやればよい。

五、練習
 練習は毎日運動場に出て自分の好きな競技をやって行くのも練習である。本当に強くなるためにはそれだけではない。先ず運動場に出て準備運動を終えたら練習中常に頭を働かせていなければならない。腕一つ脚一つ動かすにもそれは何のためにやるか。どんなふうにやるか。そうして又その通り巧く行ったかといったように工夫と研究を重ねつつやるのが練習である。
1、技術練習(走り方、跳び方、投げ方)
2、強化練習(力をつける)
この二つの事がいつでも練習の中心となるように数多く又多量にやる事によって強くなる事だから常に忍耐力が必要となって来る。毎日反復するという努力が大切なのである。
練習は只毎日同じものを繰り返しているばかりでもいけない。一週間の中にこれだけの練習をやって行こうという計画を立ててやって行くのがよい。そこで考えねばならないのは体の調子の良い時、悪い時の練習である。毎日の練習時間は、その日の調子で異なるから何時間とは云えない。又やる種目によっても違って来る。休みなしに連続してやって行けば三十分でも相当の練習ができる。相当強い練習をやるためには、どうしても一時間か一時間半を要する。練習は毎日異なるが一年の季節によっても多少変化がある。シーズンが終わるとしばらく疲れをとるために休み、疲れがとれるとぼつぼつ翌年の練習に入る。それは前シーズンに見られた欠点や弱点を改めるための補助運動から始まる。筋肉の力をつける補助運動もこの間に行う。それからいよいよシーズンの三ヶ月位前になると自分の目指す種目に対して練習を開始し、最初は技術方面を主とし、次第に強化運動に入る。シーズンの初めは試合も練習の中に加える位にして余り記録を気にしない。シーズンが進むにつて練習量は軽くなったりスピードのある練習を主にしてしまう。そうして出来るだけ競技会で力一杯活躍できるように調子を整える。

六、本村から地区代表に選ばれた選手の紹介と大会での活躍状況
山内繁雄選手O、B、
円盤投 三位入賞

棚原正武〃〃一般
四○○M 四位〃〃

渡慶次平吉〃〃〃〃
八○○M 五位〃〃

神谷乗彦〃〃〃〃
一五○○M 三位〃〃

神谷乗彦〃〃〃〃
五○○○M 五位〃〃

伊波正光〃〃〃〃
二○KM 完走

知花正大郎〃〃
一六○○MR 予失

島袋清子〃〃〃〃
八○○MR 一位

山田すみ子〃〃〃〃
補員

最後に選手の活躍を讃えて来年度優勝を期待しつつ、スポーツを愛する者の責任の一端として筆を置く。

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