読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1961年12月発行 読谷村だより / 2頁

グループ活動十年の歩み 読谷村座喜味Aグループ 一、生活改善実行グループについて 二、発表者について

〔66号1ページの続き〕

呼びかけ問題をとりあげて統一したのが祝儀料と香典料の改善でありました。
 一例を述べますとお祝いの主催者宅にグループの役員が門前で受付けにあたりなお家の周囲を廻って御馳走の面はどうか等と調べ歩いたものです。今想い出してみると実におかしい事でよくも自分で自分の家庭行事の切り盛りも出来ず役員に手をわずらわしたものだと恥しくなります。然し現在はどうぞお祝いを盛大にしてくれといわれたところで出来るものではありません。
 しばらくは食生活、衣生活等の小さな技術の勉強に精出し活気がありましたが人間にも倦怠期がありますように私たちグループ活動にもこれがやってきたのであります。どうにかしてこの時期をのりこえていかなければと思い皆で話し合った結果年間事業計画をたて目標をしっかりとつかんでやればうまくいくのではないかとの意見がまとまりましたので五六年度には事業計画の中に子供の家庭教育に重点をおき部落総上げでまづ共通語励行に努力致しました、その効あって嘉手納、読谷両村の共通語励行の実践部落として表彰式には先生方からお褒めの言葉をいただき苦労の甲斐が実って皆で喜び分ち合いました。五七年度には作業衣着用に目標をおいて見た目も美しい久留目かすりで全員作り早速着用して作業に能率をあげ着用していくうちにサイズや布地のえらび方等にもそれぞれ工夫し働きよい作業着として一般の方々からも仕立てを依頼されることも少なくありませんでした。私達グループは現在何処えゆくにも作業着々用を忘れず農村の主婦として愛用しております。
 五八年から五九年度は住居の改善をとりあげ改善模合をうまく利用する事を実施した結果グループの代表として始めて村、地区の実績発表会には曽根光子さんを参加させていただきました。その時の喜びようはたとえようもございませんでした。翌六○年度にはこれまでの活動の反省をして定例会で活動方針を変ることにし合理的な暮しを図るには第一に家計支出を知ることが大切であることを話し合い真先に家計簿の記帳をとり上げることに致しました。始めた頃は、記帳する者と記帳しない者が半々でしたがそれでも尚続けていくうちに努力が実を結びその年の実績発表会にはグループ代表として松田敬子さんが出場し見事に全琉代表として全国実績発表会に参加する栄光を得ました、その時のグループ員の喜びは、みんな心から家計簿バンザイを叫びグループは勿論のこと部落総あげで喜びを分ち合いました。この事に益々と元気を得て家計簿記帳者が増えると同時にグループの活動にも理解して、いただきまして加入者も増えましたので単位グループをA、Bに分け、ようやく私達の努力も報いられて周囲からもいろいろと援助して戴き更に部落からも運営資金としてその年から二○弗の補助金も戴くようになりました六一年度は農産加工面に重点をおき、普及員さんの熱心な御指導のもとに栄養のある強化みその作り方から漬物等と足しげく通っていらっしゃる普及員さんに対しグループ員はどんなに感謝したかわかりません。今では何処の家庭でも栄養たっぷりのおいしい味噌をいただいてみんなから喜ばれています。
 さて五二年から六一年度までのグループ活動として衣、食、住と一とおりはやって来た積りですが本年度は家庭管理に目標をおいて歩みつつあります。省りみますと長いようで短かい歳月の中には家族の目を盗んで会合に出席した事雨降りに集まってやった読書会諸先生方をお招きして御指導いただいた事等みんな夢のようでございます。その十年の間にはつらいことたのしかったこと又役員選出で苦労も致しましたが過ぎればみんな美しい想い出としか脳理に残っていませんこれからの道もけわしい道であろうと思いますが少なくとも私達グループはお金を使った改善は出来なかったが頭を使い自主的な改善の方向に自信を持って歩くことが出来ました。
 さて私達のグループ十年の歩みについて述べましたがその内容をここにかかげた図表に示してありますが本年度はその反省期になっていますので今後もますます皆さんと話し合いを持ち理想の生活に目標をにして努力と研究を続けたいと思います。
 最後に
十年の歩みを続けることが出来ましたわけですが部落と村御当局のひたすらな御協力と御援助をいただきました結昌であり更に相談相手になって下さった普及員さんは「これまで皆さんが持っていた力がはっきりと現れた事でしょう、今後も毎日の生活で忙しいことでしょうがあんなに喜んでくれたのは計画を立て、実践活動した賜でしょう今後も期待します」と批評していただきました。私達も今後ますますと勇気を出して実行すれば何事も必ず出来るという確信をもつことが出来ましたので民主家庭生活の設計に努め次代をになう子をになう子供の教育によりよき暮しがたのしくなる生活技術をウント勉強して頑張り住みよい明るい村を築くための実行グループでありたいと念願して私の発表を終らさせていただきます。

一、生活改善実行グループについて

1、グループ名称 座喜味Aグループ
2、グループ所在地 読谷村字座喜味区
3、グループの構成
○構成人員 三十一名
○構成対象別 主婦のみ
○構成年令別 二○代四名 三○代一五名 四○代一○名 五○代二名 平均年令三二才
4、グループになった年月日
一九五二年七月十日
5、グループが出来た動機
部落の婦人会が集り和やかな家庭生活と雰囲気を持ち続ける同志の親ぼくを求めると共に婦人としての資質向上を図るべく結成されたグループであります。
6、グループの改善が周囲へ及ぼした影響
一般婦人会の人達にグループ活動のよさを認識させた。

二、発表者について
1、農家経営
畑一五アール にわとり五○羽 山羊二頭
2、家族構成
母 本人 長男 長女 計四名
3、グループに入って経験した係の種類又は年数、年令
書記 会長 五年39才

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