更正保護による明るい街づくり運動
全琉にわたって犯罪のない明るい社会、住みよい郷土を築こうという趣旨のもとに現在「更正保護による明るい街づくり運動」が展開されています。この社会を明るくする「更正保護事業」とはどういうように行われているか。
◎犯罪のない社会、明るい生活
わたくしたちの社会から犯罪というものがなくなれば、どんなに毎日の生活が明るくなることでしょう。犯罪の多くは環境に支配されて起りがちだといわれています。わたくし達は、まず自分の周囲から犯罪が起き易い環境をなくするように努めると共に、誤って罪を犯した人達を、温かい心で接し、励げまし希望と自覚をもたせて、立派な社会人に更正させる事が大切であります。こうして少しずつでも犯罪を少なくし、社会を明るくしようではありませんか。
◎更正保護事業の目的と使命
わが沖縄では受刑者の約八五%が再犯者(日本々土では五五%)であります。それでこの一度誤ちを犯した人を補導して、社会に再び迷惑をかけないよう更正に努めさせる仕事が更正保護事業であります。
この事業の目的が十分に達成されれば、再犯への根を絶つことができるわけです。又、この事業は青少年が不良化し、または不良化しようとする虞れのあるものを補導して健全な社会人に育成する仕事でもありますから、犯罪予防事業でもあります。即ち、罪を犯したために重い病気にかかっている人を、更正へと導いて健全な社会の一員として蘇生させ、また傷ついた青少年を健全な人間に育成することを目的とする仕事でありますから人間救済、同胞救済の事業ともいえると思います。
この事業を遂行するに当って、罪を犯した者を中心として環境の調査調整ということを行います、これによって環境が生んだ犯罪ならば、社会や家庭のどこにそんな原因があったかを確かめることが出来、その調整によって本人の更正を助長することが出来ます。従って社会悪の根源を確める事業ともいえましょう。
◎事業遂行の方法とその制度のあらまし
上記の目的を達成するために、一九五七年以来関係諸法規が制定されて、保護観察制度、更正緊急保護制度が確立され、その実行機関として保護観察所があり、保護観察官と保護司が第一線で活躍しております。保護観察制度とは、更正保護事業の主軸をなすもので、保護処分をうけた少年、保護観察付執行猶予者仮退院者(少年院)仮出獄者等に対して、この人々が自立更正の意思を持つよう、また再び誤ちを繰返えさせないよう精神的指導を行うと共に必要あるときは、衣、食、住、医療や就職等について斡旋の労をとります。更正保護緊急制度とは、保護観察中のものや満期出獄者、執行猶予者、起訴猶予者で適当な引受人や適当な落着き先が無かったり、生活保護法による扶助を受けることが出来ないとか扶助をうけるまで待つことができないような緊急措置を要する場合は、本人の更正と、社会保護の立場から応急の保護がなされます。
◎保護司とは
「社会奉仕の精神をもって犯罪をした者の改善及び更正を助けると共に犯罪予防のため世論の啓発に努め、もって地域社会の浄化を図り、個人及び公共の福祉に寄与することをその使命とする」と保護司法にうたわれ、市町村長の推薦によって、行政主席に委嘱された無給の公務員であり、その主なる任務は保護観察と仮釈放準備事務としての環境調査調整、及び犯罪予防活動の助長等であります。現在、全琉に一五○名の保護司が一三保護区(警察管区と同じ)に配属され、各保護区ではそれぞれ保護司会を組織し、その連合体として沖縄保護司連盟を結成して活発に活動しております
◎社会の理解と協力を
更正保護事業の効果があがることは、社会の治安が確保されることであり公共の福祉増進に寄与することになるのでありまして、むずかしい仕事ではありますが、片時も放っておくわけにはいかぬ仕事であります。
罪を犯した人を更正させるためには
一 本人に過去の行いが間違っていたことを自覚させること
二 職業を与え、生活の安定を持たせること
三 正しく生きる喜びと希望を与えること
以上三つが大切でありますがこれを実現するには社会一般の方々の理解と協力がなければ困難でありますので各位の御理解と御協力を得て犯罪のない明るい社会を築きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。